はじめに
新型コロナウイルスで日本人の死者が出る可能性についてはだれも触れていないと思います。全く情報がない状況で、実際に死亡者がでてしまってはさらなるパニックを引き起こすと思います。あらかじめ言っておきます。
今後、新型コロナウイルスで日本でも死者が出るでしょう。
でも恐れることはありません。
パニックを起こすためではなく、あらかじめ知っておいてパニックを起こさないためにこの記事を書いています。死亡者数と致死率について、かんたんな数学で考えてみたいと思います。
追記:2020.02.07データを更新しました
日本の感染者数
新型コロナウイルスは感染者数が40人を超えそうです(2020.02.07データ更新しました)。
厚生労働省の報告では2020年2月6日時点で感染確定が21名、ほかに4名の無症状病原体保有者がいます。現在、クルーズ船で20名の感染が他に確認されています。
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月6日版)
ジョンズ・ホプキンス大学では日本の感染者数を45名としています。
【新型肺炎】「新型コロナウイルス感染マップ」「ハイリスク空港トップ50」 ジョンズ・ホプキンス大学【コロナウイルス】 - 勤務医開業つれづれ日記・3
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結論1
どのデータでも日本の感染者数は40名を超えている。
中国及び世界の死亡率
みなさんいろんな数字を出していますが、根拠が薄いものや伝言ゲームになっています。ここではWHOの数字をもとに計算してみたいと思います(2020.02.07データ更新しました)。
WHO2020年2月6日データより計算
中国China
28 060 confirmed (3697 new)
3859 severe (640 new)
564 deaths (73 new)
致死率 564/28060=0.02 (2%)
中国以外Outside of China
216 confirmed (25 new)
24 countries
1 death
致死率 1/216=0.005 (0.5%)
つまり致死率は中国で2%前後、中国国外では0.5%前後ということです。前の報告は3%と言われていましたから、数が増えるにつれ徐々に正しい値に近づいていると思われます。
重症の患者さんばかり重点的に診ていると致死率は見かけ上、上昇します。軽症や無症状の患者さんを加えると致死率は低下します。
結論2
最初は3%、今はどんなに高く見積もっても致死率は2%前後。もしかしたら0.5%以下かもしれない。
季節性インフル、2009/10新型インフルエンザ、SARS
1)季節性インフルエンザ
まずいつも流行している季節性インフルエンザとの比較が大事でしょう。インフルエンザは超過死亡にて推定されます。簡単に言うとインフルエンザが流行ってないときの死亡数と比べて、どれだけ死亡が増えているか、という計算です。3726人が2018/19年のインフルエンザで亡くなられていると予想されました。
結論3
普通のインフルエンザで毎年数千人が死んでいる。
2)2009年新型インフルエンザ
日本での2009年新型インフルエンザの致死率は0.001%で、世界最低でした。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/43/2/43_96/_pdf/-char/ja
全世界でおなじウイルスが広がったので、新型インフルエンザについては世界最高の治療成績を残しています。他国では妊婦の重症例や死亡例が多数報告されましたが、日本ではゼロでした。世界的には致死率が0.2-0.4%程度でした。
今備えるべき新型コロナウイルス対策は何か - 岩崎賢一|論座 - 朝日新聞社の言論サイト
それでも日本において2009年新型インフルエンザで200人の死亡者が出ています。
結論4
日本は結果的に2009年新型インフルエンザのパンデミックで、世界最高の成績であった。それでも新型インフルで200人が死亡している。
3)SARS
日本では感染者は確認されませんでしたが、世界中で恐れられたSARS。恐れられた原因は、その病原性の強さです。そしてSARS-CoVは今回の新型コロナウイルスと同じコロナウイルスです。
発症者の20%が重症化し集中治療を必要としました。致死率は9.6%と非常に効率です。
結論5
SARSは致死率9.6%と非常に危険。
新型コロナウイルスのまとめ
結論1 日本の感染者数は40名を超えている。
結論2 現時点での致死率は2%前後。もしかしたら0.5%以下。
結論3 普通のインフルエンザで毎年数千人が死んでいる。
結論4 日本は結果的に2009/10新型インフルエンザのパンデミックで、世界最高の成績であった。それでも新型インフルで200人が死亡している。
結論5 SARSは致死率9.6%と非常に危険。
以上より数字ではこのように考えられます。
・2-3%の致死率だと30-50人の感染者で1人死亡者が出てもおかしくありません。
・0.5%の致死率だと200人の感染者で1人死亡の可能性。
・実際の死亡数はゼロ。
・季節性インフルエンザは毎年数千人死亡。
・そして2009/10新型インフルは200人死亡。
・SARSにくらべても新型コロナウイルスの致死率はかなり低い。
新型コロナウイルスによる死亡者が今後出ても恐れることはありません。もちろん出ないに越したことはありませんが。パニックになることのほうがずっと恐ろしいです。
きちんとした対応をしていれば、個人的な意見としては数ヶ月で収束すると思います。ただし感染者数がそれぞれ30人、50人、200人を超えたところで死亡者が出てもおかしくないのは、数字的に予想されていることなのです。
数字上、今回の新型コロナウイルスよりもっと恐ろしい病気をすでに経験しているし(SARS、新型インフル)、毎年数千人の死亡者を出している病気もあります(季節性インフルエンザ)。なぜ新型コロナウイルスだけを特別、恐れることがあるでしょうか。
冷静な対応が一番大事だと思います。
最後に、お願いです。
もしも新型コロナウイルスで200人の感染者を超えても死亡者が出なかったらちょっとだけでもいいので日本の医療を誇りに思ってください。
2009/10新型インフルエンザでも日本だけが驚異的な致死率、死亡率の低さを誇り、世界中で妊婦が死亡していた中で、日本では妊婦死亡ゼロで重症例もゼロでした。
そんな状況ですら日本医療は「対応が遅れている」「不十分」だと、現場では叩かれたのでした。すべてが終わったあとで、日本医療が世界一だったのがわかったのですが、新型インフルエンザが終わったあとは専門家以外はだれももう見向きもしませんでした。
毎回なにかあるたびに、日本国民からは「日本医療はダメだ、ダメだ」と言われ信頼されていませんが、実は世界最上位の医療を提供しています。日本の医療関係者も自衛隊の方々同様、身を粉にして日本の健康を守っている自負があります。少しでもその奮闘を認めてもらえれば、これ以上の喜びはありません。
ご参考になりましたら幸いです。
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