以前、知合いの地主さんから相談を受けた時の内容を記します。
その地主さんが保有する土地を借地している借地人から代理弁護人を通じ、借地契約解除の申入れと同時に「既存建物の買取り請求」を受け、その地主さんは困惑され私に相談に来られたことがありました。
当時締結した借地契約書には明け渡し若しくは契約期間満了後、借地人が建造した建物は解体のうえ「更地渡し」が条件になっているものの、旧借地借家法では判例上において借地人が不利益に繋がる行為は無効とされ、借地人の「買取り請求権は認められている」のが実情です。
簡単に合意解約に持ち込むのであれば、「古い建物を買取る」ことが円満解決且つ、早期決着の近道ではありましたが、相談があった際に「その建物を買取って地主さんの費用負担で解体する考えはありますか?それとも、一銭も出したくありませんか?」の問い掛けに対し、「出来れば費用負担はしたくない。」との回答でした。
その相談事項に応じる為、相手方の代理人弁護士を調べてみると、「東京大学法学部卒」の弁護士としては優秀な相手であり、年齢的にも法律家のベテランの域に達しています。
相手方がその様な法律のプロでありながらも、一般的にこの事案内容では通常「0:100」で借地人側の要求が全て通ってしまう勝ち目のない内容でした。
当の私は弁護士でもなければ、法律の専門家でもありませんが、ただ一点だけ此方が有利に取れる材料があったことと、今まで培ってきた交渉能力をある程度保有していましたので、私は地主さんが要望する「一銭も捻出したくない」ことを前提に交渉へ当たりました。正確に云えば、法の下に於いて私は地主さんの代理人にはなれないので、回答書の他、交渉シナリオを全て作成し、立会いでの折衝時には同席のうえ助言をおこないました。(助言と言っても相手方の弁護士と折衝したのは全て私でしたが。。。^^)
結果を申し上げると、「借地人に於いて建物解体費用を全額負担のうえ更地渡し」による地主さんの費用負担は一切無い「100:0」にて、借地の明け渡しに成功しました。
この一件にて、民事は法律論も然ることながら、交渉力が大切であると、改めて実感しました。
そろそろ、次の準備でも始めるかな。^^