東プレのキーボードRealforce(リアルフォース)の「選び方」と「一覧表」をまとめました。
Realforceは非常に種類が多いので、このページは、どのモデルを選べばいいのか分からなくて困っている人におすすめ。
筆者はRealforce使用歴10年以上。メインで使い続けているので、筋金入りのリアルフォーサーです。
動画に投稿する用途もあってキーボードは70台ほど所有しており、メンブレン・パンタグラフ・メカニカル主要の4軸(赤軸・茶軸・青軸・黒軸)すべて使ったことがあるので、そこらへんの知見も含めて解説できるかと思います。
比較している項目は以下の通り。Realforceの仕様すべてについて、機能を紹介するだけでなく、必要な機能かどうか、どのように判断すればいいのかまで解説していきます。
- Realforceの基本仕様・特徴
- 耐久性(静電容量無接点方式)
- チャタリングが発生しない
- 疲れにくいタクタイルフィーリング
- Nキーロールオーバー
- ワイヤレス版は無い
- 押下圧(変荷重・30g・45g・55g)と選び方
- 静音タイプと通常タイプの比較
- 日本語配列と英語配列の違い
- レーザー印刷・昇華印刷・2色成形の違い
- 色(アイボリー・黒・墨)の違いによる注意点
- テンキーレス or フルキーボード
- DIPスイッチ
- HiPro仕様の注意点
- APC機能
- Realforce R2(第2世代)と初代の違い
- 複数条件で絞込できる一覧表
- Realforce以外の静電容量無接点方式キーボード
※Realforce R2(Realforce第2世代)については、予約開始と共に順次更新しています。
※一覧表はこのページの最後のほうに掲載するので、解説を読まなくても分かる人は、もくじから最後の一覧表に飛んでください。
↓こういう複数条件で検索できる一覧表を用意しています。
「テンキーレスの静音モデルが欲しい!」とか、欲しい機能が決まっているなら便利です。
東プレRealforceの特徴
Realforceと他のキーボードも検討している人のために、Realforceの特徴・メリットなどを簡単に書いておきます。
高級キーボード選びの参考にどうぞ。
「静電容量無接点方式」圧倒的な耐久性
Realforceが採用しているスイッチ「静電容量無接点方式」は、物理的な電気接点が無いため、接触による摩耗や劣化の心配がなく、圧倒的な耐久性があります。
スイッチ機構に静電容量無接点方式を採用しています。電極が接することなく一定レベルに近づけば回路が接続されてキー押下を認識する仕組みのため、物理的な接点が無く、信頼性と耐久性に優れています。
公称値では初代Realforceが3000万回、Realforce R2(第2世代)とRealforce RGBは5000万回の耐久性となっています。
※他のスイッチの耐久性で同じように◯◯◯◯万回と書いてあっても、あてになりません。メンブレンは総じて耐久性が低く、メカニカルはチャタリングの心配がつきまとうので、静電容量無接点方式の安心感が頭一つ抜けています。
最初、2007年に購入したRealforce 108UHは、いまだに故障せず使えます。
値段が高いからなかなか理解してもらえないけど、長く使うなら安物キーボードの買い替えを繰り返すよりもコスパは良くなります。
※ちなみに「静電容量方式」と書かれることもありますが、タッチパネルの用語でもあるので、Realforceに関しては「静電容量無接点方式」で覚えたほうが間違いが少なくなります。また、「静電気接点方式」「静電気無接点方式」というのは完全に間違いです。
チャタリングが発生しない
スイッチが静電容量無接点方式ということに関係してきますが、キー入力がオンになる位置とオフになる位置に差があるので、静電容量無接点方式ではチャタリングが発生しません。
チャタリングが「発生しにくい」じゃなくて「発生する余地がない」です。
スイッチが入る位置と切れる位置に差(ヒステリシス)を設けているため誤動作のひとつであるチャタリングが発生しません。
そのため、入力に対する信頼性が非常に高くなります。重要な入力業務でチャタリングが起きたら大問題なので、この信頼性は非常に大事です。
有名な話として、セブンイレブンにあるATMのボタンは東プレの静電容量無接点方式を採用したキーとなっています。
お金に関する入力でチャタリングが起きると桁が変わってしまうので、静電容量無接点方式が最適ということになります。
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それに対してメカニカルキーボードは突然チャタリングを起こすことがあり、自分が今まで買ったメカニカルでは、5台のうち2台でチャタリングを起こした経験があります。
ネット上にも「メカニカルキーボード チャタリング」で検索すれば、いくつもブログがヒットします。
中古で買うなら保証期間がないので、なおさら気をつけないといけません。メカニカルキーボードの「◯◯◯◯万回耐久」という表記はあてになりません。
指が疲れにくいソフトタクタイルフィーリング
Realforceの打鍵感は「ソフトタクタイルフィーリング」と呼ばれるもので、底打ちまで「カクッ」っとしたスイッチ感がなく、緩やかに荷重が上昇し、徐々に荷重が抜けていくため、打鍵感に慣れると非常に指が疲れにくくなります。
荷重の変化がなだらかで十分なストロークを感じることができます。もちろん入力に底打ちは不要です。
また、上記引用のとおり、4mmあるキーストローク(底打ちまでの深さ)のうち、2mmまで沈めば入力されるので、慣れれば底打ちせずにタイピングして、さらに指への負担を減らせます。
ほとんどのキーボード(メンブレン・パンタグラフ・メカニカル青軸と茶軸)はハッキリしたタクタイル感があり、また、押下圧もRealforceよりも重いことが多いので、疲れにくさがだいぶ違います。
初めてRealforceを使うと、あまりの打ち心地の良さに感動してしまうと思います。ただただ打つのが楽しい、気持ち良い。
こればっかりは使ってみないとわかりません。しかもお店での試打だけじゃなく、家でタイピングしてみないと本当の気持ちよさはわかりません。
この良さが分かってしまうと、もう静電容量無接点方式以外のキーボードに戻れません。
Nキーロールオーバー(全キーロールオーバー)
Realforceでは、どんなにキーを同時押ししても全て入力される「Nキーロールオーバー」という特性があります。
「Nキー」とは、「全てのキー」という意味になります。
なので、「Nキーロールオーバー」=「全キーロールオーバー」と読み替えても大丈夫。
ここから先は文字での説明がちょっとわかりにくいので、下に進んで図解のところを見たほうが理解が早いかもしれません。
USB接続の初代Realforceでは、同時押し7キー以降になると、最初に入力されたキーから離れる判定になっていますが、どんなに同時押ししても入力は全てされているので、入力業務などではまったく支障がありません。
コストの安いキーボードだと3キーロールオーバーしかできないものもあったりするので、「Nキーロールオーバー・6キー同時押し」ができるだけでも十分な性能となっています。
USB接続でも入力は全キー受け付けてくれるので、「7キー以上の同時押し」判定が必要なければ、通常のUSB接続のもので問題ありません。
以下、Realforceのロールオーバーについて仕様の違いです。
- Nキーロールオーバー、6キー同時押し対応
- USB接続・初代Realforce
- Nキーロールオーバー、Nキー同時押し対応
- PS/2接続・初代Realforce
- USB接続・Realforce RGB
- USB接続・Realforce R2
キーボードの「ロールオーバー」と「同時押し」は、同じ意味で使われることがありますが、厳密には違います。
そこらへんは4Gamerの記事がわかりやすいので、きっちり理解したい人は読んでみてください。
参考:「4Gamer Keyboard Checker」公開。キーボードのロールオーバーや同時押し対応をチェックしてみよう – 4Gamer.net
これらを文字で説明しても分かりにくいので、以下をどうぞ。
「Nキーロールオーバー・6キー同時押し」の図解です。
「Nキーロールオーバー・6キー同時押し」では、6キーまでなら同時押ししても全てオンの判定になります。
7キーを同時押ししたら、最初の1キー目は押さえていても離れた判定になります。ただし入力は押した時にされているので、文字入力などには支障は無いし、同時押しで押し続ける必要がなければゲームでも支障がありません。
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「Nキーロールオーバー・Nキー同時押し」についてはこちらをどうぞ。
Realforce RGBとRealforce R2はUSB接続なのに、なぜNキー同時押し対応しているのかは、こちらの「【悲報】Realforce R2はキーボードじゃなかった。 – チラシの裏の走り書き はてなブログ版」という記事がわかりやすいです。注意点として、Realforce R2は普通のUSB接続と違うため、パソコン切替器が使えないことがあるそうです。
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以上のように、7キー以上の同時押しする(押し続ける)必要がある場合、USB接続の初代Realforceは気をつけないといけません。ただ、そんな人はほとんどいないだろうから、普通はUSB接続の初代Realforceでも大丈夫です。
Realforceのワイヤレス版は無い
残念ながらRealforceにワイヤレス版(無線接続)はありません。全て有線接続です。
もし「静電容量無接点方式」かつ「ワイヤレス」が欲しい場合はHHKBのBluetooth版やNiZのBluetooth版になりますが、Bluetoothは通信が不安定で復帰に数秒かかるので、自宅や職場のメインとしてはイマイチなんですよね。
自宅のパソコンに使うなら、ロジクールのUnifyingなど、USBドングルタイプのほうが通信が安定します。
また、そもそもRealforceは重たくてモバイル性が低いので、自宅や仕事場で配線をスッキリさせるくらいしかメリットが思い浮かず、Bluetoothとの相性が悪いと思うんですけどね。HHKBやNiZならサイズや重量がモバイル用途に適しているのでまだ理解できますけど。
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さて、ここから先は、以下の項目について、Realforceのどのモデルを選べば良いのか解説していきます。
- 押下圧(変荷重・45g・30g)
- 静音タイプ
- 日本語配列 or 英語配列
- キートップ印刷方式(レーザー印刷・昇華印刷・2色成形)
- テンキーレス or フルキーボード
- DIPスイッチの有無
- HiPro仕様
- 日本語配列のカナ刻印
結構長いので、購入するにあたって気になっている項目を読んでください。
自分が欲しい機能をメモっておき、最後の一覧表で検索すればすぐに絞り込むことができます。
押下圧(キーの重さ)
個人的にも質問されることが多く、Realforce選びで最も頭を悩ますのが押下圧(キーの重さ・キー荷重)です。
一般的なメンブレンキーボードは押下圧が50~60g程度あり、長時間タイピングすると疲れたり指が痛くなることがありますが、Realforceは主要なモデルが30g~45gとなっていて、しかもソフトタクタイルフィーリングなので、指への負担が少なくなっています。
以下では、Realforceの押下圧はどれを選べば良いのか、それぞれの特徴と、使い方の違いによる最適な押下圧を解説していきます。
- 変荷重(30g・45g・55g)
- 全キー30g
- 全キー45g
- 全キー55g
特に「30gにしようか迷ってる」という相談が多いですね。
↓今まで見聞きした内容。
- 30gを体験したことがないのでどのくらい軽いかわからない
- 試しに打てるお店がない
- ミスタッチが増える不安がある
- いきなりネットで買うには勇気がいる
- 腱鞘炎が解消されることを期待している
自分は押下圧30gのRealforceをメインで使用しているので、割と詳しく解説できると思います。
↓ひとまず変荷重から。
変荷重
変荷重は、小指や薬指のキー荷重が軽いキーボード。主に30gと45gのキーが混在しています。
Realforceの箱に貼られているラベルには「30g、45g、55g」と書かれており、薬指や小指に配置されたキーが30g、Escが55g、その他が45gという構成です。
検索して調べてみると、30gキーの範囲がサイトによって違うので東プレに問い合わせしましたが、どのモデルがどのような配置かは聞くことができませんでした。
基本的には「小指が担当するキーが30g」という回答のみです。「Realforce 変荷重」とかで検索するといろいろなレイアウトが出てくるので、ネット上のキーボード図を鵜呑みにしないように気をつけてください。
↓かなり昔の変荷重 Realforce 106だと、ラバードームの色に違いがあったようです。
ラバードームは複数繋がったもの、1個単独のものなど形状はいろいろで、約40個に分かれてます。
※このように、ラバードームがバラバラになっているはRealforce106の初期のみのようです。
後のモデルでは、変荷重でも一体成型のラバードームになっていたり、基板もガラスエポキシ基板に変更になっていたりします。
↓一方、こちらの変荷重 91UBKだと、ラバードームに色の違いはなく、見た目だけでは押下圧がわからなくなっています。
ラバードームは、昔の106は荷重ごとにパズルのような細切れだったけど、91UBKは荷重が違っても一体成型。
まぁそんな細かいことよりも、弱い指で押さえるキーが軽いということだけ把握すればOKです。
ネット上にも変荷重については抽象的なレビューが多いので実際のところがよく分かりませんが、恐らくホームポジションで文章入力する時に小指の負担が減るので、変荷重は、標準運指に近い人が文章入力するのに向いていると言えます。
逆に、変荷重モデルはPCゲーム用途には向かないと思います。
なぜならWASDをカーソルキーとして使う時、Aキーが30gなので違和感を感じてしまうかもしれないし、ゲーム中に文章を入力するのはチャットくらいなので、変荷重のメリットは生かせないでしょう。
その他、DTMなどで鍵盤楽器として使うなら変荷重より等荷重のほうが良さそうです。
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ということで、文章入力がメインの使い方なら変荷重でも良いでしょう。ホームポジションからの文章入力だったら、弱い指の疲労を軽減しつつ、強い指はしっかりとした打鍵感を得られるはずです。
45g等荷重・30g等荷重どっちが良いか
「等荷重」というのは、全てのキーが同じ押下圧ということです。
よくある質問が、「45g等荷重と30g等荷重、どちらを買えば良いでしょうか?」というものです。
これは今まで個人的に質問されたことが何回もあります。高い買い物だから失敗したくないだろうし、なるべく不安も減らしたいですよね。
できればお店で試打するのが良いと思いますが、そもそもRealforceが置いてなかったり、変荷重だけしか置いてない店もあります。
それに、お店にあったとしても自宅とは環境が違い、45gと30gどちらの荷重が良いのか判断が難しいので、普段の使い方をよく考えて選びましょう。
とくに押下圧30gは想像もつかないほど軽いので、実際に体験しないとわからない良さがあります。
大量にタイピングする人は30g等荷重
まず、1日に数時間・2万打鍵以上くらい、大量のタイピングをする人には30g等荷重がおすすめできます。そこまで打つ人だったら45gと30gで疲労感もだいぶ変わります。
自分自身、45gから30gに変えた時の衝撃は凄まじく、劇的に疲れにくくなりました。(1日5万打鍵なら平気。10万打鍵になるとさすがに疲れるけどなんとか大丈夫。15万打鍵くらい打った日もあります)※打鍵数の計測はタイプ数カウンターを使いました。
普通のメンブレンから45gのRealforceにした時の驚きを「!!!」とするなら、45gから30gにした時の驚きは「!!!!!!!!!!!!」くらい衝撃的です。
さらに、30gだと指の負担が極限まで減るので、頭で思っていることを45gよりもスムーズに、喋るようにタイピングできます。
たぶんタイピングスキルが上達すればするほど30gの良さが分かってくるはず。
タイピングそのものが仕事に直結するような、ブロガー・ライター・データ入力業務なら、押下圧30gのRealforceは非常に相性が良いと思いますよ。
腱鞘炎を予防したいなら30g等荷重
タイピングで指を酷使しすぎると、手首や指の「腱鞘」に炎症が起きる、つまり腱鞘炎になってしまいます。すでに痛みを自覚できる段階だと軽度の腱鞘炎かもしれません。
実際にあった例として、メカニカルキーボードの青軸(押下圧50g)ですぐに手首が痛くなってしまうという相談をいただき、打ち方・パームレストの有無・手首の角度など原因を探ってみたけど分からない、ということがありました。
50gで痛かったら45gもダメかもしれないので、30gにしてみようか、という話になり、その結果、「30g等荷重にしたら長文でも手首が痛くならなくなった!」と報告をいただきました。
手首や指の痛みで腱鞘炎かな?と感じた人は30g等荷重を検討してみてください。
※ただし、今までのキーボードのつもりで強打すると、逆に底打ちによって指にダメージが入るので、30gに合わせた力で打たないといけません。
押さえっぱなしにする人は30g
動画編集やゲーム操作などでキーを押しっぱなしにしたり、ショートカットキーのためにCtrlキーを押さえたまま次々と文字キーを打つような使い方をする人は、押下圧30gにすると劇的に疲れにくくなります。
自分もこのタイプで、むちゃくちゃ楽になりました。
特に左下のCtrlキー・Shiftキーは小指で押下するので、45gと30gで押さえやすさが全然違います。
小指でキーを押さえっぱなしにする人には30gが非常におすすめです。
さらに軽くしたい人は穴あけ改造
これは極端な話なので最後の最後に検討してほしいことですが、30gでも物足りない、もっと軽くしたいという人は、分解してラバードームにポンチで穴を空けるという改造も一応できます。
押下圧を計測する重りを自作して、分解して、ポンチで穴を空けるという作業になるので気軽にはできませんが、押下圧にとことんこだわる人は頑張ってみてください。
現状、30g以下の押下圧は普通には売られておらず、自作キーボードであればメカニカルキーボードで15gあたりまでカスタマイズできるようです。
しかし静電容量無接点方式のスイッチだと、今のところラバードームに穴を空けるくらいしか、さらに軽くする方法がありません。
どちらにせよ、一度は30gを使ってみて、それでも “もっと” と思ってしまった人向けです。
しっかりした打鍵感が欲しければ45g等荷重
30g等荷重のメリットについては先ほど説明しましたが、30g等荷重はあまりにも軽すぎて、強く打つと打鍵感がペチペチするので、人によっては物足りないと思うかもしれません。
30gでもそれに合った強さでタイピングできれば気持ちよさを味わえますが、ほとんどの人は45g以上のキーボードからRealforceに乗り換えることになるので、30gに慣れるまでに多少の時間が必要になります。
そのため、30gは使い込まないと本当の気持ちよさはわかりません。たぶんお店で45gと30gが並んでいたら、45gのほうが打鍵感が良いと思うんじゃないかと思います。
指を痛めやすいなどの問題がなければ、45g等荷重でも大丈夫でしょう。45gでも一般的なメンブレンキーボードより軽い押下圧なので、重たく感じることはないはずです。
参考までに、↓これが押下圧45gのRealforce 108UH。
↓こちらが押下圧30gのRealforce 108US。
打っている見た目はそんなに変わりませんが、30gだと「打ち下ろす」という意識さえ必要なく、「落とす」だけで打鍵できるような感覚です。(個人的に30gのほうが好みなので贔屓目な意見になってしまいますが・・・)
中古のRealforceは押下圧が重たくなっていないか気をつける
自分は30g等荷重のRealforce 108USを6年間ヘビーに使い続けて、少なくとも2000万打鍵以上していました。
ふとしたきっかけで、予備で購入していた新品の同じ機種の押下圧を計測したら、驚くほど中古のRealforceは押下圧が重たくなっていることが判明しました。
参考:キーボードの押下圧を1g単位で計って、新品と中古のRealforceを比較してみた
↓記事から画像引用。なんとなく重たいと感じていたのが数値で表されました。また、押下圧だけでなく、キーの戻りも悪く、ヌメッとした感触になっていました。(新品と比較しないと変化がわからない)
その原因が経年劣化なのかメンテナンス不足なのか掃除のやり方なのかハッキリしていないのでなんともいえませんが、もし中古でRealforceを買おうとしている人は使用履歴などに気をつけてください。
6年物の中古と新品を打ち比べたとき、「こんなにも打ち心地が変わっていたのか!」と驚いたので、値段が高めの中古は意外とリスキーだと思います。
おそらくほとんどの人が「使い込んだ中古」と「新品」を比較したことがないので、中古で初めてRealforceを触った人だと、それが普通だと思って気づかない可能性があります。
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疲れにくいキーボードとして「ハの字」フォームで打てるMicrosoftのエルゴノミクスキーボードが話題になることがありますが、比べ物になりません。結局スイッチがメンブレンかパンタグラフになるので打鍵の負担が大きく違います。
「ハの字」のフォームにして疲労を軽減するという意味ではMiSTEL BAROCCOなどの左右分離型キーボードや、Kinesis Advantage、または自作キーボードなど、メカニカルで押下圧45g以下にしないと意味がありません。
「左右分離」と「静電容量無接点方式」を両方満たす市販のキーボードはμTRON(マイクロトロン)キーボードというのがありましたが、残念ながら販売終了しました。
静電容量無接点方式による自作キーボードは情報が少なく、「静電容量無接点方式の自作キーボードは可能なのか」という記事や、「同人誌「静電容量スイッチで自作キーボードを作る本」が店頭販売中」などがあります。
自作キーボードについては遊舎工房のような実店舗の存在が助かるので、気合がある人はどうぞ。
※それに、そもそも普通のキーボードでも肘を置く位置を広げてハの字にすればこの問題は解決するので、単純にフォームが悪いことが原因になっていないか、今一度確認したほうが良いと思います。(自分は普通の形のキーボードを使っていますが、左右の肘の間は50cmほど離れていてハの字フォームになっているので、窮屈ではありません)
また、キーボードの足(チルトスタンド)を立てると疲れやすくなります。傾斜をつけたほうが打ちやすいと思っている人は、実は逆なので、「キーボード チルトスタンド 意味がない」で検索してみてください。
そして、普通のキーストロークが深いキーボードの場合はパームレストを使って、手首が反らないようにしましょう。
ハの字に関しては左右分離にするだけで解決しますが、チルトスタンドとパームレストについては、必ずしも左右分離キーボードだけで解決できるとは限りません。
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さて、押下圧だけでもこれだけのボリュームになってしまいました。自分の用途・疲れやすさ・今まで使っているキーボードの押下圧などを考慮して決めてみてください。
静音タイプ
Realforceには打鍵音がかなり低減される静音タイプがあります。以下、公式サイトから引用。
人間の聴覚感度が高い周波数成分である2,500~5,000Hz領域帯での刺激振幅が下がるよう改良を行い、聴覚への刺激を極限まで(30%減)下げることに成功。
実際に打鍵音を聴いてみても、音量が小さくなるというよりは音の高さが変わる感じで、甲高い音がだいぶ抑えられています。
通常モデルのRealforceは底打ちの音は小さく、跳ね返りのプラスチックの音が目立ちます。
それと比べてRealforceの静音タイプは押下も跳ね返りも非常に静か。
↓この動画は通常と静音タイプを比較しています。
特にアルファベットとEnterキーの違いがよくわかります。スペースキーは静音タイプでもそこそこ音が聞こえますね。
注意点としては、静音タイプはカチャカチャ感が無くなり、打鍵感が損なわれて気持ち悪いと感じる人もいます。検討している人は、可能であれば試打したほうが無難。
↓こちらの動画では、静音タイプ(Realforce 108UH-S)の打鍵感があまり良くなかったので通常タイプ(Realforce 108UH)を購入した、という内容のところから再生が始まります。
また、静音タイプの有無で数千円ほど値段が高くなります。
なので、家族にタイピング音がうるさいと言われる、子供を起こしたくない、隣の部屋に響いて文句を言われるなど、静かにしなければいけない理由がある人なら静音タイプはおすすめ。
日本語配列と英語配列の違い
Realforceに限らず、キーボードを買う時は日本語配列(JIS配列)と英語配列(US配列)のどちらかを選ぶことになります。
パソコン付属のキーボードなど、ほとんどの人が使っているのは日本語配列です。
ここではそれぞれの違いを説明して、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説していきます。
Realforceは初代とR2で日本語配列のレイアウト(スペースキーの長さ)が違うので、全部で3種類あります。
- 日本語配列(初代)
- 日本語配列(R2)
- 英語配列(初代・R2共通)
※細かいことを言えば初代とR2の英語配列はFnキーとアプリケーションキーの違いがありますが、配列の違いというほどでもないのでまとめています。
↓以下、3種類のサイズを並べました。スペースキーの長さ、Enterキーの大きさ、記号の配置に違いがあります。
↓日本語配列(初代)
↓日本語配列(R2)
↓英語配列
| 日本語(初代) | 日本語(R2) | 英語配列 | |
| スペースキーの長さ | 短い | 中間 | 長い |
| Enterまでの距離 | 遠い | 遠い | 近い |
| カナ刻印の有無 | あり or 無し | あり or 無し | 無し |
| 記号のキー配置 | バラバラ | バラバラ | 直感的 |
| シェア | 多い | 多い | 少ない |
スペースキーの長さ
Realforceのスペースキーの長さを比べると以下のような違いがあります。
↑青い部分がホームポジション、赤い部分がスペースキー。
スペースキーを打鍵する親指の位置によって、英語配列のほうが打ちやすいという人もいるし、日本語配列で[無変換]や[変換]キーをリマップして違うキーを割り当てるほうが便利だという人もいるので、使い方によって変わってきます。
普段自分がスペースキーをどこらへんで打鍵しているのか確認してみましょう。
ホームポジションからEnterキーまでの距離
ホームポジションの小指からEnterまでの距離が近いので、英語配列のほうがタイピングしやすいという意見があるようです。
ただ、これに関しては疑問に感じるんですが、日本語配列のEnterは上に高いので小指を伸ばして打鍵できますが、英語配列のEnterは上に短いので小指を曲げた窮屈な状態で打鍵する場合もあります。
小指を曲げるか伸ばすかだけでも長さが違ってくるので、実は打鍵する時にひねる手首の角度は一緒だったりします。
なので、人によっては日本語配列の大きいEnterのほうが楽に打鍵できるので、ホームポジションからの距離が近いという理由だけで鵜呑みにしないようにしましょう。
カナ刻印の有無
キーボードに印字されている刻印に、ひらがなの仮名があるかどうかの違いです。主にデザイン的な理由でカナ刻印無しを好む人がいるようです。
↓日本語配列・カナ刻印あり
↓英語配列・カナ刻印無し
一目瞭然、英語配列はカナ刻印が無いのでスッキリしています。
ただ、日本語配列でもカナ刻印が無いモデルはあるので、見た目をスッキリさせたいだけなら日本語配列でも選択肢はあります。
(※このページ最後の一覧表の中で「カナ無し」となっているのが、日本語配列でカナ刻印無しのモデルです。)
記号のキー配置が違う
日本語配列と英語配列では、記号の配置がかなり違います。
↓こちらが英語配列で特徴的な記号部分。
- ;(セミコロン)はShiftを押しながらだと:(コロン)
- ‘(シングルクォーテーション)はShiftを押しながらだと“(ダブルクォーテーション)
- プログラミングでよく使う=(イコール)や‘(シングルクォーテーション)がShift不要で入力しやすい
上記のように、英語配列はよく使うキーがShift不要で、対となる記号がShiftキーで打てるので直感的という意見を見かけます。
それと比べたら日本語配列は記号がなんとなくバラバラに配置されているので、英語配列好きの人から見たら好きになれません。
特にプログラミングで多用する‘(シングルクォーテーション)や=(イコール)は英語配列のほうがShiftも必要なくて入力しやすいので、この点は日本語配列から見ても使いやすそうだなと思いますね。
ただ、自分は日本語配列を使っていて、日常的にHTMLやCSSに触れていて、たまに JavaScript(ブックマークレット)の編集もしたりするので、;:‘“{}()あたりは頻繁に使い、=|&#!も時々使います。
で、結局は慣れると日本語配列でもスムーズに打つことができるようになるので、最終的には変わらない、と思ったりします。
IMEのオンオフ
↓日本語配列でIMEのオンオフはおなじみ全角/半角キー単独でできます。
↓それに対して英語配列はAlt+~(チルダ)というふうにキーの組み合わせが必要なので、頻繁に使う人にとっては多少不便になります。
英語配列はシェアが少ない
英語配列は市場に出回っているシェアが圧倒的に少なく、利用者も少ないので、それに伴ったデメリットがあります。
配列の違いうんぬんよりも、実際はシェアが少ない影響のほうが大きいので、自分がどんなふうに使うのかよく考えて決めたほうが良いですね。
- 職場のキーボードが日本語配列しか用意されてないかもしれない(記号の位置が違うので使いにくい)
- 家族共用のパソコンだと煙たがられるかもしれない
- ノートパソコンは英語配列のものが少ない(自分で購入するものだけじゃなく、サポートなどで他人のパソコンを触る時も不便)
以下、職場に英語配列キーボードを導入していたけど断念した貴重な事例です。使う環境によっては想像以上のハードルになることがよく分かります。
↓こちらは職場のパソコンが日本語配列であることが原因のもの。
一年くらい前に新たに職場のキーボードに英語配列のRealforceを導入したのだが、
実は去年の秋くらいから、昔使っていた日本語配列のMajestouch黒軸に戻していた。
理由は、ミーティングスペースでのPC操作の際に、日本語配列の入力ができなくて恥ずかしい思いをしたり、リモートログイン時に日本語配列キーボードで英語配列状態の自分のPCに対する操作が厳しかったから。
それまでは末端社員として自席での作業がほとんどだったのだが、部署異動を機にだんだんそうではなくなってきて、
自分の環境を統一できないなら、英語キーボードにスルのは結構なリスクがあったなと。。引用:最強の日本語RealforceはREALFORCE91UDK-G ( 周辺機器 ) – ━━━<ぱんぴーのぼやき>━━━ – Yahoo!ブログ
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↓こちらは英語配列のラップトップ(ノートパソコン)の選択肢が少ないことが原因のもの。
私の目論見としては、自宅用も含めて自分が使うキーボードはすべてUS配列に統一する、というものでした。ですが、その目論見も去年末に放棄してしまいました。
理由は、デスクトップPC中心の仕事スタイルだったのですが、このラインアップにWindowsラップトップを投入することにしたからです。日本という環境下において、WinラップトップはJIS配列以外に選択肢ありません。いや、もちろんUS配列が選択できるラップトップも市販されてはいます。デザインがスタイリッシュなこともあって私も一時はそちらに食指が動いたのですが、残念ながら電子機器 としての安定性・信頼性にいまひとつ不安の残るブランドだったのであきらめざるを得ませんでした。好みを優先するか、安定性・信頼性に重きを置くかという選択肢ではいえば、それが仕事というフィールドである限り、どちらに軍配が上がるか明らかです。つまりライターとしてのスタンスに立つ限り、リライアビリティファーストで考えれば現状ではJIS配列しか選択肢がないということです。
このように日本では基本的に日本語配列が主流であり、英語配列はさまざまな面でコストが高くつくかもしれないことを考慮して選ぶ必要があります。
キートップ印刷方式の違い
Realforceのキートップ(キーキャップ)刻印の印刷方式にはさまざまな方法がありますが、耐久性が大きく違うので、知らなかった人は気をつけて選ぶようにしてください。
Realforceには主にレーザー印刷と昇華印刷(含浸印刷)が使われていて、ごく一部の製品だけ2色成形が使われます。
特にレーザー印刷は耐久性が低いので注意が必要です。
レーザー印刷
Realforceの場合、レーザー印刷はキー色が黒、印字色がゴールドの組み合わせのみです。
特に気をつけないといけないこととして、レーザー印刷は昇華印刷よりも耐久性が劣ります。
印字が薄くなる・テカる
レーザー印刷は表面をレーザーで焼き付けている印字方式で、また、プラスチックの素材として一般的なABSが使われているため、長期間の使用による摩擦により、印字が薄くなり、表面はテカります。
「Realforce レーザー印刷」で検索してみると、使用頻度の高い人なら1年も経たないうちに印字の薄さに気づくようです。
参考:REALFORCEの営業マンを信じてキーを洗剤で洗ったら汚れが落ちるどころか傷が入った件|SKEGLOG
↓こちらは7年使用。7年でこれなら許容範囲かもしれないので、個人差が大きそう。
参考:Realforce 91UBK を 7年間使いつづけたのでレビュー – nakanishy’s blog
↓こちらは8年。ゲームで多用するWASDのかすれ具合がよくわかる写真なので参考になります。
参考:高級キーボードが欲しい?最初の1枚はRealforceにしよう!
↓こちらは約3年。ゲームで使用しているWASDがかなり薄い。
参考:さすがというべき高級キーボードRealforce – Realforce108UBK SJ08B0のレビュー | ジグソー | レビューメディア
↓こちらは「約半年でかすれて消えてしまいそう」という相談を受けた話。
参考:レーザー印字は消えない? – みねこあ
↓価格コムの掲示板。約8ヶ月・約2ヶ月の人の他にも何人か消えている。
参考:価格.com – 『キートップの文字が消えた。』 東プレ Realforce106UB のクチコミ掲示板
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安いキーボードのシルク印刷と比べたらレーザー印刷のほうがだいぶ耐久性が高いと言われていますが、年単位の使用だと印字が薄くなったりキートップがテカってくるので、それを覚悟の上で買いましょう。
ベタつき
これは感じ方に差があると思いますが、人によってはレーザー印刷のRealforceだと、キーキャップがベタつくと感じる人もいるようです。手汗が多い人は要注意?
↓レーザー印刷のベタつきが気になって昇華印刷のキートップに交換した例
参考:【Realforce】交換用キートップを購入→1ヶ月使用
ただ、手汗が少ない自分はそのように感じることがありません。
個人的に思うのは、「レーザー印刷=ベタベタする」というイコールの関係ではなく、おそらくレーザー印刷ではキーキャップの素材がABS樹脂でツルツルしているため、手汗が多い人ほど引っかかりを感じるような気がします。
それに対して昇華印刷はPBT樹脂が使われていて、表面にわずかに凹凸があってサラサラしているため、ベタつきを感じにくいのではないかと思います。
ABSとPBTの違い
レーザー印刷と昇華印刷でキーキャップの素材が違い、それが耐久性に大きく影響しています。
- レーザー印刷 → ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合合成樹脂)
- 昇華印刷 → PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)
レーザーマーキング方式はレーザー照射部分が細かな凹凸状になりますので、文字の部分がほんの僅かにザラザラしています。
また、キートップの材質にはABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン共重合合成樹脂)が一般的に使われているようですが、昇華印刷で刻印する場合にはその製造工程上、耐熱性を有するPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)などが使用されます。
素材の耐久性が違うので、見た目よりも耐久性を重視するなら昇華印刷のほうがおすすめです。
もちろん印字が剥げたりテカったりしても、内部のスイッチの耐久性は同じなので、レーザー印刷でも使用には問題ありません。
昇華印刷(サプリメーション印刷)
昇華印刷は、樹脂にインクを高熱で染み込ませて印字します。サプリメーション印刷、含浸印刷とも言われます。
文字が染み込んでいるので印字が薄くならず、また、耐熱性・耐摩耗性の高いPBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)が使用されるので、長期間の使用でも表面がテカりません。
つまり、印字・樹脂素材ともに昇華印刷は耐久性が非常に高くなっています。
自分が持っているRealforce 108UHは、メインで使用していた最初の7年間くらいはほぼ毎日数万打鍵くらい使っていましたが、印字は剥げることなく、キートップのテカリもなく、触った感触も変わっていません。
↓ただし黒(墨)の昇華印刷は印字が見にくいので、手元を見てタイピングする人には向きません。
タッチタイピングできない人には昇華印刷の黒(墨)はおすすめできません。見ての通り、ものすごく印字が見えづらいです。
↓それと比べると当然ですが、白は印字が見やすいです。
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以上のように、「レーザー印刷=ABS樹脂」「昇華印刷=PBT樹脂」となっていて、PBT樹脂のほうが材質として耐久性が高いので、「ゴールドの印字がカッコいいからレーザー印刷のほうが良い!」などの理由が特になければ、基本的に昇華印刷のほうがおすすめです。
2色成形
例外として、これは今のところ「Realforce RGB」という機種だけで採用されている方式で、厳密に言うと印刷ではなく色の違うプラスチックを2つ組み合わせているものがあり、印字が薄くなりません。
ただ、印字は絶対に消えませんが、材質がABSだとキートップの表面が摩耗して、テカる可能性はあります。
そもそもRealforceの中で2色成形はこのRealforce RGBだけで、キーが光るゲーミングモデルだから採用されているようなものなので、普通の用途だったら選ぶことはありません。
別売りのキーキャップセット(昇華印刷)
Realforceはキーキャップのみの別売りもあって、昇華印刷・日本語配列108キーのみですが、いくつかカラーバリエーションが展開されています。
こんなの誰が買うんだよと思いそうですが、黒(墨)の昇華印刷モデルを買ったものの、あまりにも印字が見にくくて購入する人がいるようです。
※注意:「Realforce RGB」には適合しません。
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ということでまとめると、耐久性はとりあえず昇華印刷を選んでおけば心配いりません。黒の昇華印刷は印字が見にくいので注意。レーザー印刷は印字が薄くなったりテカる可能性あり。
テンキーレス or フルキーボード
テンキーレスキーボードとは、その名の通りテンキーがない(レス)キーボードです。
↓テンキーレスキーボード
↓フルキーボード
テンキーレスかどうか見分けるのは、
↓初代Realforceなら型番の数字がざっくり100以下ならテンキーレス。100以上ならフルキーボード。
↓第2世代(R2)なら型番に「TL」が含まれていればテンキーレスです。
ゲーム用途ならテンキーレスの人気が高い
テンキーレスキーボードだとマウスと右手の距離が近くなるし、ゲームではテンキーを使わないので、ゲーム用途ならテンキーレスのほうが人気があるようです。
また、
- テンキーレスキーボードの横幅 → 約36cm
- フルキーボードの横幅 → 約46cm
と、だいたい10cmほどテンキーレスのほうが省スペースになるので、マウスの可動範囲が広く取れます。
あと当然ですが、テンキーレスのほうが(同じ仕様なら)若干値段は安くなります。
事務作業ならフルキーボード
Excelを使ったりデータ入力する機会が多いなら、当然、テンキーありのフルキーボードのほうがおすすめです。
それ以外にも、Ctrlキーと数字を組み合わせるショートカットキーが使いやすくなって地味に便利。
例えばWebブラウザで拡大率を元に戻すCtrl+0とか。テンキーの0はマウスからの距離が近くて指をちょっと伸ばすだけで打鍵できます。
カーソルキーとテンキーの距離が短いのも、事務作業にとっては使いやすポイントになります。
左手用デバイスとしてテンキーを使う
もしテンキーレスを買った後でテンキーが欲しいと思ったら、別途テンキーを買って横に置くのも一つの方法です。
Realforceはテンキー単体販売もあります。
でも、テンキーとしてはものすごく値段が高いので、とにかく品質を求めるならどうぞ。
自分は左手用デバイスとしてテンキーを使いたい派ですが、さすがにRealforceテンキーは高すぎるので、「ARCHISS ProgresTouch RETRO Npad」シリーズで、CHERRY MXスピードシルバー軸のメカニカルキーを採用したテンキーを使っています。
リニアタイプの押下圧45gなので軽く、さらに文字が入力されるアクチュエーションポイントが、通常2.0mmのところシルバー軸は1.2mmと非常に浅く、本当に軽く反応するので気に入っています。
左手用デバイスとして使う場合は、HidKeySequenceなどのキー配置変更ソフトを使ってカスタマイズします。
DIPスイッチ
DIPスイッチは、キーの入れ替えや、各種キーの有効/無効を切り替えできます。
↓各DIPスイッチに割り当てられている機能はモデルによってかなり違うので、購入する人はあらかじめ確認しておいたほうが良さそうです。調べてみると、モデルによって結構違いがありました。
| 型番1 | 型番2 | DIP1 | DIP2 | DIP3 | DIP4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 91UDK-G | NG02B0 | 左Ctrl⇔Caps | Win有無 | Esc⇔半角 | AP有無 |
| 108U-A | XE01L0 | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 108U-A | XE31L0 | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 108U-A | XE0100 | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 108U-A | XE3100 | 左Ctrl⇔Caps | Win有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 108UD-A | XE01B0 | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 108UD-A | XE31B0 | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | Esc⇔半角 | 未使用 |
| 87U | SE07T0 | 左Ctrl⇔Caps | Ctrl⇔Alt(左右) | WinとAP有無 | 未使用 |
| 87UB | SE17T0 | 左Ctrl⇔Caps | Ctrl⇔Alt(左右) | WinとAP有無 | 未使用 |
| 87UB | SE170S | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | NumLock有無 | 未使用 |
| 87USW | SE070S | 左Ctrl⇔Caps | WinとAP有無 | NumLock有無 | 未使用 |
| 87U-55 | SE08T0 | 左Ctrl⇔Caps | Ctrl⇔Alt(左右) | WinとAP有無 | 未使用 |
| 87UB-55 | SE18T0 | 左Ctrl⇔Caps | Ctrl⇔Alt(左右) | WinとAP有無 | 未使用 |
※「⇔」はキーの入れ替え。「AP」はアプリケーションキー。Ctrl⇔Alt(左右)は左Ctrl⇔左Alt、右Ctrl⇔右Altの意味です。
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ただ、ぶっちゃけKeySwapなどのキー入れ替えソフトが使えるならDIPスイッチは必要ありません。
関連:KeySwapの使い方
キーボード側で変更したほうが安心感があるならDIPスイッチモデルを選んでも良いとは思いますが。
日本語配列・カナ刻印なし
英語配列はカナ刻印が無いのが当たり前ですが、日本語配列でもカナ刻印が無いものが結構あります。
↓こちらが普通の、カナ刻印がある日本語配列。
↓こちらが日本語配列なのにカナ刻印が無いもの。
カナ刻印が無いほうが見た目がスッキリするので、好みならどうぞ。
このページ最後の一覧表の中では「カナあり」「カナ無し」というふうに違いを記載しています。
HiPro仕様
型番に「HiPro」が含まれているRealforceは「ハイエンド」と紹介されることがありますが、実際は「別物のキーボード」です。
一番高いやつ買っときゃ良いでしょ?と思ってる人は気をつけてください。
「HiPro」だから「プロフェッショナル用途」とか「高品質」ということではありません。
ちょっと見るだけでもかなり普通のRealforceとは違いが多く、癖が強いキーボードとなっています。
- 打鍵音が普通のRealforceと違う(大きめ)
- 最下段がかなり低い
- 上段(数字の行)がかなり高い
- 上段が高いので、ファンクションキーの行が低く感じる
- キートップの形状がお椀型(真ん中に向かって凹んでいる)
- FJのポッチが無い
- キーとキーの隙間が大きい
など、かなりの違いがあります。
レビューとしては以下のページがわかりやすい。
↓実際に試打した感想動画。
↓打鍵音動画。
「値段が高い=良い」とは限らない。ということを理解して買いましょう。別物です。
APC(Actuation Point Changer)機能
スイッチが反応する深さ(アクチュエーションポイント)を変更する機能のことをAPC(Actuation Point Changer)と言います。
普通のRealforceは2mmの深さでキー入力されますが、
APC搭載Realforceは1.5mm・2.2mm・3mmから選択できます。
↓公式サイトの説明はこちら
各キースイッチのオン位置を1.5mm、2.2mm、3mmの3段階のキーストロークの深さから選んで調節できるため、ゲームに応じてキースイッチの反応速度を最適化できます。例えば、素早く入力したいキーは1.5mmの深さに設定し、不意の誤入力を防止したいキーは3mmに設定できます。
引用:製品 : REALFORCE RGB(日本語配列モデル) | REALFORCE | 日本製プレミアムキーボードの最高峰
現行モデルだとRealforce RGBにすでにAPC機能が搭載されています。
スペーサーも販売されていて、底上げしてキーストロークを浅くすることができます。APCを1.5mmに設定した時に使うことになりますね。
ただ、このスペーサーは数が少なくて値段が高いので、この後で紹介するRealforce R2のほうがコスパは良くなると思います。
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第2世代のRealforce R2にもAPC機能付きモデルがあります。第2世代の型番「R2A-JPV-IV」「R2A-JP4-BK」「R2SA-JP3-IV」「R2SA-JP3-BK」のように、R2の後ろに「A」が記載されているものにAPC機能が搭載されています。(ちなみにSは静音)
APC搭載Realforce R2には、標準で大きなスペーサー(キートップ下のシート)が付属しています。
そのため、APCを浅くしてスペーサーを使いたいなら、R2付属のほうがコスパが良くなります。
ちなみにキースペーサーを自作することもできますが、APC機能が無い通常モデルだとアクチュエーションポイントの調整ができないのであまりおすすめしません。
APC機能がついていないモデルでもアクチュエーションポイントを短くしたいならオーリングによる静音化で一応可能ですが、分解して保証も受けられなくなるので完全に自己責任になり、かなりハードルは上がります。
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そしてちょっと話は逸れますが、さらにオン位置が浅いキーボードもいくつかあるので、とにかく浅いキーボードが欲しいという人はRealforce以外のキーボードを選ぶのもあり。どのようなスイッチが浅いのか知っておけば、以下のもの以外も選択肢になります。
●ロジクール Romer-Gスイッチ採用キーボード
押下圧45g・キーストローク3mm、オン位置1.5mm
→底打ちまでの深さ(キーストローク)がかなり浅い。試打した限りだとキビキビと入力できる印象。
●ARCHISS ProgresTouch CHERRYスピードシルバー軸
押下圧45g・キーストローク3.4mm、オン位置1.2mm
→オン位置が非常に浅いCherry製シルバー軸を採用。自分はシルバー軸のテンキーを使用しているが、本当に浅いところで入力されるので、45gよりも軽く感じる。
●Corsair K70 RAPIDFIRE
押下圧45g・キーストローク3.4mm・オン位置1.2mm
→こちらも同様にCherry製のシルバー軸採用。
Realforce R2(第2世代)
東プレは16年ぶりにモデルを刷新することを発表。「Realforce R2」シリーズとして2017年10月から新モデルを順次販売開始しています。
基本的な仕様が初代とR2で大きく違うので、まとめます。
初代とR2のどちらを買えば良いのか迷っている人は参考にしてください。
ちなみにR2の型番の見方は以下のとおりです。型番の中に仕様が全て含まれているので冗長ですが、初見でもわかるようになりました。
| テンキー | 機能 | 配列 | 押下圧 | 種類 | 色 | |
| R2 | JP (日本語) |
V (変荷重) |
IV (アイボリー) |
|||
| TL (テンキーレス) |
S (静音) |
US (英語) |
4 (45g) |
G (RGB) |
BK (ブラック) |
|
| A (APC) |
3 (30g) |
M (Mac) |
WH (ホワイト) |
|||
| SA | 5 (55g) |
- 2017年10月発売(スタンダード)
- R2-JPV-IV
- R2-JP4-BK
- 2017年11月発売(日本語配列静音)
- R2S-JPV-IV
- R2S-JP4-BK
- 2017年12月発売(日本語配列APC機能)
- R2A-JPV-IV
- R2A-JP4-BK
- R2SA-JP3-IV
- R2SA-JP3-BK
- 2018年3月発売(日本語配列テンキーレス)
- R2TL-JPV-IV
- R2TL-JP4-BK
- R2TLS-JPV-IV
- R2TLS-JP4-BK
- R2TLA-JPV-IV
- R2TLA-JP4-BK
- R2TLSA-JP3-IV
- R2TLSA-JP3-BK
- 2018年6月発売(PFU Limited Edition 日本語配列)
- R2TLSA-JP4-IV
- R2TLSA-JP4-BK
- 2018年7月発売(PFU Limited Edition 英語配列)
- R2TLSA-US4-IV
- R2TLSA-US4-BK
- 2018年8月発売予定→11月発売(英語配列テンキーレス)
- R2TL-USV-BK
- R2TL-US3-BK
- R2TL-US5-BK
- R2TL-USV-IV
- R2TL-US3-IV
- R2TL-US5-IV
- R2TLS-USV-BK
- R2TLS-US3-BK
- R2TLS-US5-BK
- R2TLS-USV-IV
- R2TLS-US3-IV
- R2TLS-US5-IV
- R2TLA-USV-BK
- R2TLA-US3-BK
- R2TLA-US5-BK
- R2TLA-USV-IV
- R2TLA-US3-IV
- R2TLA-US5-IV
- 2018年10月発売予定→2019年3月発売(英語配列フルキーボード)
- R2-USV-BK
- R2-US3-BK
- R2-US5-BK
- R2-USV-IV
- R2-US3-IV
- R2-US5-IV
- R2S-USV-BK
- R2S-US3-BK
- R2S-US5-BK
- R2S-USV-IV
- R2S-US3-IV
- R2S-US5-IV
- R2A-USV-BK
- R2A-US3-BK
- R2A-US5-BK
- R2A-USV-IV
- R2A-US3-IV
- R2A-US5-IV
- 2018年12月発売(RGBテンキーレス)
- R2TLA-JP4G-BK
- R2TLA-US4G-BK
- 2019年4月発売(Mac版)
- R2-JPVM-BK
- R2-JPVM-WH
- R2SA-JP3M-BK
- R2SA-JP3M-WH
- 2019年9月発売(RGBフルキーボード)
- R2A-JP4G-BK
- 2019年12月発売(Mac版テンキーレス)
- R2TL-USVM-WH
- R2TL-USVM-BK
- R2TL-JPVM-WH
- R2TL-JPVM-BK
- R2TLSA-US3M-WH
- R2TLSA-US3M-BK
- R2TLSA-JP3M-WH
- R2TLSA-JP3M-BK
※ただし、発売予定日を過ぎても音沙汰がなかったりAmazonのページができてなかったりするので、あまり当てになりません。また、型番で検索しても違うモデルがヒットしたりするので、購入するならよく確認してください。
東プレはAmazonの商品ページをショップまかせにせず、自分たちで管理もしたほうが良いと思います。
今までに2回、商品登録の間違いを発見していて、注文したら違うモデルが届いてしまうような致命的なものだったし、Amazonに登録されていないモデルもあります。(この件については東プレに報告してページが修正されています)
自分ひとりの報告だと簡単に改善されないようなので、Amazonで買いたいユーザーは、要望として問い合わせしてください。
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さて、ここからはRealforce初代とR2の違いについて解説していきます。
本体サイズのスリム化
Realforce R2は、従来のRealforceよりも16%小型化。サイズを比べる限り、奥行がスリムになります。
↓こちらが初代Realforce。
↓こちらがRealforce R2。
| 横幅 | 奥行 | 高さ | |
| 初代 | 455mm | 168.5mm | 39.6mm |
| R2 | 455mm | 142mm | 30mm |
従来モデルは奥が結構飛び出ていて邪魔に感じていた人もいるので、嬉しい変更なんじゃないでしょうか。
スペースキーが長い(日本語配列)
従来の日本語配列ではスペースキー(スペースバー)が短いことで賛否両論ありましたが、Realforce R2ではスペースキーが長くなりました。
以下、各モデルのスペースキーの長さを、
- センチ
- u(キー 1個が1u)
で表します。
↓初代 のスペースキーは
約4.7cm (2.5u)
↓R2 のスペースキーは
約8cm (4.25u)
↓R2の中でも例外の R2 Mac版は
約6.7cm (3.5u)
スペースキーが長くなったことによって、今まで打ちにくかった人は打ちやすくなりますが、両隣の無変換変換キーをカスタマイズ(キーリマップ)して使っていた人にとっては不便になるので意見が分かれそうな変更です。
かくいう自分も無変換変換キーをフル活用するタイプでCtrlとShiftにカスタマイズしているので、R2の長いスペースキーだともはや使うことができません。なのでこれからも初代Realforceを確保し続けるでしょう。
Realforceのスペースキーの長さについてブログを書いている人も何人かいます。スペースキーが長いとどのようなデメリットがあるのか、参考になると思います。
参考:REALFORCEのスペースキーが長くなってしまった喜びも悲しみも – 紙とエンピツ_ブログ版
参考:RealForce R2 スペースキーが長いため無変換 変換が親指で押し辛い | ガンと膵炎を克服したデジタル家電オタクのギター弾き語りSEのブログ
参考:新型が出たのにあえて旧型のRealforceを買いました。東プレ リアルフォース 91UG-S (NG31BS)。ALL30g / 静音 / テンキーレス | 匠屋web
また、親指シフトユーザーにとっては致命的な変更なので、購入候補からは外れてしまうでしょう。
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しかし「キーリマップするユーザー」「親指シフター」いずれも全体のシェアから見ると少ないので、販売に影響するものではないのかもしれません。
R2でスペースキーが長くなった理由については、東プレに実際に問合せしたブロガーさんがいました。
さて、スペースキーが何故長くなったのかという質問に対して、担当者からの返答は、
「旧世代ではスペースキーが短くて、その横にある無変換と変換キーを間違って押してしまうという意見が多くあったため、スペースキーを長くしました」
とのこと。
引用:Realforce 第2世代は何故スペースキーが長くなったのかを東プレに訊いたら…。スペースキーが長くなった弊害も – 世界のことを知りたい
キー配列のカスタマイズはせずに親指はスペースキーだけ使うユーザーにとっては邪魔にしかならない、ということかもしれませんね。
世の中にあるキーボードの中ではRealforceはスペースキーが短いほうなので、慣れていないユーザーのほうが多いという可能性もありそうです。
ただ、R2ではスペースキーを長くしたことによってキーの戻りが悪くなったために、スペースキーにスプリングを入れて押下圧を重くしています。
特に押下圧30gのR2を買った人は気をつけましょう。スプリングを外したほうが快適だ、という意見も見かけます。
All 30g なのにどうしてスペースキーにスプリングが入っていて 30g よりも重くなっているのか不思議です。その返答は、
「スペースキーを旧世代のモデルよりも長くしたため、スペースキーを押した後の戻りが悪くなり、スプリングで戻りを速くしている」
スペースキーが長くなったことでこのような弊害が発生してしまったのです。スプリングが入っていると 30g の荷重を狙って買った人には重すぎます。
引用:Realforce 第2世代は何故スペースキーが長くなったのかを東プレに訊いたら…。スペースキーが長くなった弊害も – 世界のことを知りたい
まぁ特殊な使い方をしない限りスペースキーが長くてもそんなに困らないと思いますが、将来、キーリマップや親指シフトをするかもしれないカスタマイズ好きな人は、R2を買うのか初代を買うのか、よく検討してからにしましょう。
APC(Actuation Point Changer)機能
APCとは、キーの反応位置(深さ)を変更できる機能のことです。
↓APC機能について東プレ公式サイトから引用。
東プレ独自のAPC機能により、通常のメカニカルキースイッチより最大25%高速入力(当社調べ)。
各キースイッチのオン位置を1.5mm、2.2mm、3mmの3段階のキーストロークの深さから選んで調節できるため、ゲームに応じてキースイッチの反応速度を最適化できます。例えば、素早く入力したいキーは1.5mmの深さに設定し、不意の誤入力を防止したいキーは3mmに設定できます。引用:製品 : REALFORCE RGB(日本語配列モデル) | REALFORCE | 日本製プレミアムキーボードの最高峰
Realforce R2シリーズでは、型番「R2A-JPV-IV」「R2A-JP4-BK」「R2SA-JP3-IV」「R2SA-JP3-BK」のように、R2の後ろに「A」が記載されているものは、キーの反応する深さを変更できます。
そしてRealforce R2のAPC搭載モデルには、2mm厚と3mm厚のシートタイプのスペーサーも付属。
引用:東プレ,16年ぶりのREALFORCE第2世代モデルを発表。アクチュエーションポイント変更機能対応モデルや静音モデルなど,バラエティに富む – 4Gamer.net
見たところ、左端からEnterキーまでのメイン部分がスペーサーのカバー範囲のようです。これを敷くことによってキーストロークを浅くできます。
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このAPC機能。やってることはすごいと思いますが、効果を実感できる人はかなり少ないんじゃないかと思います。
仕事で使う程度のタイピングならAPC機能が無くても全然困らないし、競技タイピングやゲームのように反応が要求される使い方でもレベルの高い人じゃないと違いがわからないでしょう。
それでいて値段はAPC機能の有無で1万円前後高くなるので、反応速度を高いレベルで要求されるような人でもない限り、APC機能付きのRealforceはおすすめしません。
※もう一度書きますが、型番「R2A-JPV-IV」「R2A-JP4-BK」「R2SA-JP3-IV」「R2SA-JP3-BK」のように、R2の後ろに「A」が記載されているものだけAPC機能付き・スペーサー付属なので、間違えないように気をつけてください。
Nキーロールオーバー・Nキー同時押し対応
記事の最初のほうにも書きましたが、Realforce R2はUSB接続のキーボードなのに、Nキーロールオーバーだけでなく、Nキー同時押しも対応しています。
USB接続の初代Realforceだと「Nキーロールオーバー・6キー同時押し」なので、7キー以上の同時押し判定が必要な人にとってはRealforce R2が有力な選択肢になりますね。
Realforce R2はUSB接続なのになぜNキー同時押しに対応しているのかは、こちらの「【悲報】Realforce R2はキーボードじゃなかった。 – チラシの裏の走り書き はてなブログ版」を見るとわかります。
スイッチ耐久性の向上
Realforce R2では打鍵の耐久性が3000万回から5000万回に向上とのこと、ですけど、もともと静電容量無接点方式はチャタリングが起きる仕組みではなく、従来モデルでも10年以上使えるほどの圧倒的な耐久性なので、個人的にはどうでもいいと思います。
内部の鉄板に防サビ塗装加工
Realforce R2では、放置したら錆びるキートップ下の鉄板。この内部の鉄板に防サビ加工したとのこと。
湿気の多い日本の環境だったら嬉しいかも。(実は自分の使ってるRealforce 108UHは10年経った今、内部の鉄板が部分的にサビてます。)
Realforce R2のFnキーについて
Realforce R2では、地味なキーですが右下のほうにあったアプリケーションキーが、Fnキーに変更されているようです。(※アプリケーションキーとは、マウスの右クリックやShift+F10に相当するキーです)
↓初代Realforceは右下Ctrlの隣がアプリケーションキーになっていて、
↓Realforce R2ではそのキーがfnキーとなっています。
Fnキーと組み合わせることによって、以下のことができます。
- [Fn]+[右Alt] 従来のアプリケーションキー
- [Fn]+[F1] インターネットブラウザの起動
- [Fn]+[F2] メールソフトの起動
- [Fn]+[F3] 計算機の起動
- [Fn]+[F4] メディアプレイヤーの起動
- [Fn]+[F5] 前のメディアに戻る
- [Fn]+[F6] 再生/一時停止
- [Fn]+[F7] 先のメディアに進む
- [Fn]+[F8] メディアの停止
- [Fn]+[F9] 設定の保存(※LED色/明るさ、Ctrl/CapsLock入替え、キーロック有効/無効、APC設定がキーボードに保存)
- [Fn]+[F10] -(なし)
- [Fn]+[F11] Ctrl/CapsLockキー機能入替え
- [Fn]+[F12] キーロック有効/無効
- [Fn]+[Insert] LED色の変更
- [Fn]+[Delete] LEDの輝度を3段階で調整
機能はいろいろありますが、メディアボタン的な機能は使わない人もいるので、今まで右クリックに相当するアプリケーションキーを多用していた人にとっては不便になる可能性もありそうです。
自由にレイヤーを編集できたら最高だと思うんですけどね。
※「[Fn]+[F12] キーロック有効/無効」については、意図せずロック状態になるかもしれないので注意してください。そこらへんについては「Realforce R2シリーズKey Lkランプの消し方」という記事がわかりやすかったので参考にしてください。
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で、結局どんな人にRealforce R2がおすすめなのかを考えてみると、
まずは本体がスリムに、具体的には奥行がスッキリして角ばったデザインになったので、少しでも机上スペースを有効活用したい人や、今までの丸っぽいデザインが気に入らない人に良いかもしれません。
次に、今までの短いスペースキーが気に入らなかった人にとってはかなり魅力的です。英語配列のスペースバーほど大きくはありませんけど、左右に1キーずつ広がるだけでもかなり大きくなりました。逆に、両隣の無変換・変換キーをカスタマイズしていた人にとっては致命的な変更です。
APC機能はキー反応位置を浅くしたいゲーマーくらいでしょうか。タイピングの高速入力のために浅くして実際に効果を感じれるのはレベルの高い人だけだと思います。そのぶん値段が高くなるので、予算と相談しながら。
スイッチ耐久性の向上、防錆加工は、初代でも元々耐久性が高いので、予算を上げてまで必要か?と聞かれたら微妙だと思います。
ということで、スリム化・スペースキーの長さ・APC機能あたりが、Realforce R2の購入にあたって比較する点になってくるでしょうか。あとは予算との兼ね合いですね。
初代Realforceは生産終了
これからはRealforce R2がメインになるので、初代のRealforceは徐々に入手しづらくなっていきます。
既に生産終了した製品は公式の生産終了品のページで確認できます。
大事なポイントは「スペースキーが短いRealforceが手に入らなくなる」ということで、どうしても初代Realforceじゃないとダメだ、という人は中古だとしても予備を購入しておく必要があります。
自分が愛用しているRealforce 108USもすでに生産終了していて、短いスペースキーは初代だけなので、予備でひとつ購入しました(2018年6月)。約17,300円。
その後はプレミア価格(2019年1月から5万円以上)になって下がる様子がないので、買っておいて良かったとは思いますが、判断が難しいですね。
もしかしたら高級キーボードの定番が新しく誕生するかもしれないし、予備で初代Realforceを何台も購入するのはリスクがありそうです。
R2は「30g日本語配列」が高いのしかない
「押下圧30g・日本語配列」のRealforceが欲しい人にとっては、R2へのモデルチェンジは改悪になってしまいました。
Realforce R2の「押下圧30g・日本語配列」は、静音・APC機能付きしかないため、値段がかなり高いものしかありません。
↓このとおり、最後の一覧表で「30 日本語」で絞り込むと、初代は静音じゃないモデルのほうが多いですが、R2は静音・APC機能付きのものしかありません。
そのため、「30g・日本語配列」はどれも値段が高く、実勢価格でだいたい26,000円以上の価格帯になってしまいます。
最もオーソドックスなR2(R2-JPV-IV)が、この時点で18,000円くらいなので、だいたい8,000円ほど高くなる計算になります。
これ、押下圧45gや変荷重だと静音・APC機能が無いものもあるのに、30gだと高いのしか選べないために、「静音やAPCいらないんだけどなぁ。さすがに値段高すぎ……。」というユーザーは他のメーカーを検討することになりそうです。
実際、他の静電容量無接点方式キーボードの選択肢としてNiZがあるので、そちらに流れているユーザーもいます。
もしNiZの日本語配列が発売されたりしたら一気に移行が進むかもしれないので、できればRealforce R2も30g日本語配列のオーソドックスなモデルがあると良いなと思うんですけどね。
「静音やAPCは必要ないから値段を安くしてくれ」ってユーザーもいるはずです。
もしくは初代Realforceの押下圧30gを中古で探したほうが良いかもしれません。
筐体の塗装がハゲる
残念ながら、Realforce R2のブラックで、筐体(ボディ)の塗装が剥げる事例が、複数あるようです。
(※キーキャップではなく、その周りのフレームの塗装です)
REALFORCE R2 のテンキーレスモデルの塗装が使い始めてから2週間でこんな風に削れてしまった……。初期不良かと思い、交換してもらったけど、交換品も1週間で剥がれてきた。どうもアトピー治療の軟膏と塗装の相性が悪いみたいなので、同じような症状の人は気をつけてー
うちのRealforceR2も方向キー周辺の塗装剥がれが出てきている。
丁寧に扱ってきたつもりで
旧realforceのアイボリーや他のキーボードでも起きたことないのでもしかして塗装弱いのかもな…
REALFORCE R2 、カーソルキーの上のボディに爪が当たるせいか、塗装が剥げてきて悲しい
地のプラスチックの色も黒だからそこまで悲惨な見た目にはなってないけど
RealForceR2黒のフレーム、黒い塗装が剥がれてプラスチック(やっぱり黒)が見えはじめてるんだけど、なにこれ私の手のひら、酸でもでてんの?
それにしても、RealforceR2半年しか使ってないのに本体部分で塗装剥げしちゃうのどうにかならないかなぁ。全部取っちゃえばいいのか?
新型のリアフォ使い始めてから1年近く経つけどフレームの塗装剥げるし何かきしむしキートップはバリ処理甘いしで色々あれなんで旧型持ってる人は大事に使った方が良いですよ。
↓Amazonレビューから。
しかし、問題は塗装。 購入して数日、ぽろぽろと剥げてきました。指にくっつき、洗わないと落ちません。
引用:Amazonレビュー 2018年5月23日 打鍵は問題なし。それ以外がイマイチ。
追記:使用6ヶ月 筐体の塗装が剥げてきました。 爪をたてる方ではないと思いますが、TABキーの左、カーソルキー周りがボロボロと塗装がはがれ落ちています キートップは特に問題なく打鍵感変わりませんが、半年で見た目が汚くなってしまったので評価を下げました。
引用:Amazonレビュー 2018年7月27日 スコスコ気持ちいい(使用半年追記あり)
購入から3ヶ月、ちょっと掃除しようと思いキートップを外して消毒用アルコールで拭いたところ 塗装が剥げてきました。
※リンク先に塗装ハゲの画像あり
引用:Amazonレビュー 2019年5月22日 アルコールで塗装が剥げます
↓2ちゃんねるで塗装について議論されていたページから。
↓価格コムから
唯一の不満点は、塗装がもろく、半年ほど使っていると、写真のように上面の塗装がハゲてくるで、 塗装をもっとしっかりしてほしいな、と思います。
引用:価格.com – 『打鍵感はあいかわらず秀逸、ただし表面塗装に難あり』 東プレ REALFORCE TKL S R2TLS-JP4-BK [ブラック] kiri-kiriさんのレビュー評価・評判
その他「テンキーレスのみ」「初期ロットのみで現在は改善されている」「店頭で剥げていた」などの書き込みがありましたが、2ちゃんねるで信頼性があるかわからないので、気になる人は「Part82」「Part83」あたりを読みに行ってください。
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数日・1週間など、非常に短い使用期間で剥げた事例もあるので改善されていることを願いますが、すでに市場に出回っているものと見分けがつかないため、ブラックの購入は躊躇してしまいそうです。
なお、初代Realforceは剥げについて見聞きしたことはありませんし、検索しても見当たらないので大丈夫だと思います。(そもそも初代は無塗装?)
Realforce for Mac
2019年4月、ついにMac用のRealforceが発売されました。
仕様はだいたいR2をベースにして、for Mac独自の機能がプラスされています。
↓レビュー動画。基本的な仕様についても公式サイトを見ながら説明されています。
↓静音・押下圧30gモデル(R2SA-JP3M-WH)の打鍵音。
↓動画を見ながら、Macならではのレビューだと思った点。
- テンキーの0が小さくなって隣にカンマがある
- 今はサードパーティソフトを使わなくても、Macは標準の設定で修飾キーをカスタマイズできる
- Boot Camp用にWin Modeがある(fn + end)
- 以前(初代の)静音を店頭で触った時は微妙だったが、これは良い気がする
- 質感が少し安っぽい(アルミじゃない・冷たくない)
14:35あたり、右下にあるファンクション切り替えキーを押すと、最上段のファンクションキーを、再生や音量調節などの機能と切り替え。
15:55あたり、fn+endで、Boot CampでWindowsを使う人のためのWin Mode切り替え。
このように、Mac版独自の機能も搭載しているようです。
Realforceの一覧表
さて、いよいよRealforceの検索・並び替え・比較ができる一覧表です。
おそらく購入可能なRealforceが全て網羅できていると思います。
例えば30gの静音タイプを探したい場合は、一覧表の右上の検索窓に「30 静音」というふうに、半角スペースで区切って検索してみてください。
そうしたら複数条件で絞り込みすることができます。
また、表の上の見出しをクリックすると並び替えも出来ます。
注意:情報の正確性には出来る限り気をつけていますが、一応購入前にリンク先が合っているか確認してください。
Realforce以外の静電容量無接点方式キーボード
静電容量無接点方式を採用しているキーボードはRealforce以外にもいくつかあるので、こだわりがある人はいろいろ検討してみてください。
特に、テンキーレスよりもコンパクトな静電容量無接点方式キーボードが欲しいならRealforce以外も有力な選択肢になってきます。
HHKB Pro(Happy Hacking Keyboard Professional)
言わずと知れたHHKB Proです。ざっくりいうと東プレ製静電容量無接点方式スイッチを採用しているコンパクトキーボード。
Realforceを検討している人なら当然のように知っている人も多いだろうし、HHKBだけでも一つの記事になってしまうので割愛。
大きな違いはキー配列が全く違うこと、コンパクト、鉄板が入ってないのでそこそこ軽くて持ち運びしやすい、という点なので、Realforceのスイッチや押下圧について基礎知識があればレビューを見るだけでもいろいろ判断できます。
2019年12月にモデルを一新した際、HYBRIDタイプが発売開始され、以前のBTモデルよりも格段に機能が向上して好評を得ました。
接続先に登録できる台数が1台から4台になり、以前は無線しか使えなかったのが、有線と無線どちらも使えるようになりました。
ただ、次で紹介するNiZでは何年も前からできていたことなので、メーカーとして動きが遅いとずっと言われ続けていたし、価格もいくらなんでも高いという評価が多いので、この先の展開が心配ではあります。
とくに、もし海外勢が日本語配列を発売するなんてことになると、価格差がありすぎるので、ブランドイメージだけでは現状を維持できなくなりそうです。
PLUM NiZ keyboard
RealforceやHHKBを脅かすキーボードです。
- 静電容量無接点方式(東プレ製ではない)
- 押下圧35g・45g(付属のバネで押下圧調節可能)
- 静音
- Bluetooth対応モデルあり
- プログラマブル機能搭載でキーカスタマイズの自由度が高い
- キーキャップがCherry軸互換
- トリガー距離調節機能(APC機能的なもの)
- キー数のバリエーションが豊富(66/75/84/87/108など)
- 値段がRealforceやHHKBよりも安い
という、全部詰め込んだと言わんばかりの製品です。
残念ながらまだ英語配列しかありませんが、もし日本語配列が発売されるようなことになったら、ますます驚異になりそう。
Realforce R2は押下圧が軽いものが欲しかったら「日本語配列・押下圧30g」が静音APC機能付きしかないため25,000円以上になってしまいます。NiZは2万円以下で押下圧35gなので、魅力的に見えるでしょう。
RealforceやHHKBの経験者からは「筐体やキーキャップの品質が安っぽい」というレビューがあるので質感までこだわる人は注意が必要ですが、コンパクト・Bluetoothなど、Realforceで叶えられない点に納得して購入しているユーザーがいるようです。
LEOPOLD
こちらは東プレ製の静電容量無接点方式スイッチを採用しているキーボード。
押下圧45g、昇華印刷、英語配列のみという選択肢しかありませんが、キー配列が非常に特徴的で他には無いので、省スペースとキー配置にこだわりたい人はチェックしてみてください。
↓こちらはコンパクトタイプ。テンキーレス(36.9cm)よりも約4cm幅が短い(32.8cm)です。
↓こちらはテンキーレスとほぼ同じサイズなのにテンキー付きという、「コンパクトフルキーボード」というコンセプトの意欲的なキー配置。普通のキーボードでカーソルキーの上にあるキー群を排除して、Fnキーとの組み合わせにしています。FC980Cは幅38.7cmで、フルキーボード(45.5cm)よりも6.8cm小さく、テンキーレス(36.9cm)よりも1.8cm大きいだけ、というサイズ感になっています。
ややこしいので、横幅の寸法を表にまとめておきます。
| 種類 | 横幅 |
| フルキーボード | 45.5cm |
| FC980C | 38.7cm |
| テンキーレス | 36.9cm |
| FC660C | 32.8cm |
静電容量無接点方式のキーボードはどれも一般的な高さのため、パームレストも合わせてどうぞ。
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関連:Realforceのラバードームに穴を空けて押下圧を30g以下にする改造
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関連:キーボードの掃除方法







広告系ライターです。ときどきキーボードに関する評価をあちこち検索し、読んでみるのですが、最新のモデルまで含んでここまでRealforceいついてきめ細かくレポートした記事は初めて読んだという感じです。Realforceについて語りながらキーボードの在り方全般についても目配りがきいているので、とても参考になりました。
現在、職場ではHappy HackingのUS配列、自宅ではRealforceのJIS配列 91Uを使用。かつては憧れもあってUS配列に統一しようと思っていたのですが、結局、デスクトップからラップトップまでシチュエーションによって使い分けている自分の環境を考えると、JIS配列で揃えていった方がタイピング時に無理しないで済むという判断に傾きつつあります。ラップトップはレッツノートに決めており、このモデルのオプションにUS配列は用意されていないし、やはりここ日本でライターとして仕事するにはJIS配列の方に軍配が上がるかな、という判断です。また、基本、Happy Hacking的な多少重めのキータッチが好みなのですが、こちらを拝読して30gも良いかなあ、と思い始めているところです。今度トライしてみます。