新型肺炎から回復した武漢の人々〔PHOTO〕Gettyimages

新型コロナ騒動のさなか、中国人が日本の友情に感動してるワケ

「武漢加油!」は届いている

新型コロナウイルスが大きな被害を出しているが、その一方で、日中間の友情があたためられている場所もある。『中国人は見ている。』(日経プレミアシリーズ)などの著作があるジャーナリストの中島恵氏がレポートする。

「日本の皆さんに心から感謝しています」

武漢市出身で、東京に住んで30年以上になる呉小玲さんは、今回の新型コロナウイルスに関する一連の騒動のなかで、「日本人の友情」を強く感じ、その友情に感謝している一人だ。

「中国や私のことを気にかけてくださって、本当にありがたいです。それだけでなく、一度も面識のない日本人からも、何かお手伝いしたいという申し出を間接的にたくさんいただきました」

呉さんは企業経営の傍ら、「日本湖北総商会」という団体の執行会長を務めている。日本に住む湖北省出身経営者などの集まりだ。中国人の仲間たちとともに、1月末から中国にマスクや医療用品などを送付しているが、新型肺炎の報道が始まって以降、呉さんが武漢出身だと知っている日本人の友人たちから、たくさんの激励メールや電話を受け取ったという。

湖北省への支援物資(写真提供:呉小玲氏)
 

「友人の友人である日本人の方は、N95のマスクが50枚だけあるので渡したいといってくださって、私の友人に預け、その友人が私の日本の自宅近くの駅まで届けてくれたこともありました。

実際に支援くださったかどうかとか、その数量とか、そんなことはまったく関係なく、とにかくそういう気持ちを持ってくれているんだ、ということがうれしくて、日本人の皆さんに心から感謝しています」