業務の流れを他のメンバーと共有する際、あなたならどうやって相手に伝えますか?口頭で説明したり、手順書を用意したりといった案が挙がるかもしれません。

ただ、口頭での説明だけでは相手自身の記憶力に依存してしまいます。また、業務内容によっては手順書だけでは、業務の構造全体が理解できない可能性もあるでしょう。そのような時に使いたいのが、図形で業務や処理の流れを表す「フローチャート」による業務の図式化です。

今回は、フローチャートの書き方と、フローチャートを作成できる無料ツールを3つご紹介します。フローチャートは業務で行うタスクだけでなく、途中に発生する「判断」までを図に含むことができます。工場での生産工程や事故発生時の緊急対応など、状況に合わせて複数の判断が要求される業務も表記できるのがメリットでしょう。

フローチャートを活用して、同じ業務に関して他のメンバーと共通認識が持てるようになりましょう。

目次

  1. フローチャートとは
  2. 代表的なフローチャート記号
  3. フローチャートをつくる上で気をつけるべきこと
  4. フローチャートが作成できる無料ツール3選
    1. 1.Cacoo
    2. 2.draw.io
    3. 3. Googleスライド
  5. まとめ

フローチャートとは

フローチャート(flowchart)とは、プロセスの流れを箱と矢印を使って表現した図のことです。アルゴリズムやプログラムの動きを表現するときに使われます。

フローチャートを書くことでプログラムの仕組みを理解できるだけでなく、取引先やメンバーといった関係者に対して説明する時の材料にもなります。元はプログラミングの分野で使われていましたが、あらゆる分野で幅広く活用されているのが現状です。

Untitled_Diagram.png

例えば、寿司を握る職人の作業を考えた時、フローチャートでは上記のような図になります。業務中に発生する判断や繰り返しの作業も表現できるので、生産工程や緊急時の対応フローを表現するのにも活用できるでしょう。

参考:
[フローチャートの書き方|富山大学 工学部 知能情報工学科] (http://wwwpat.eng.u-toyama.ac.jp/flowchart/)

代表的なフローチャート記号

ワークフローの記号とその意味.jpg
※会員限定で上記の印刷して使えるシートがダウンロード出来ます。形式:pdf

フローチャートシートのダウンロードはこちら

フローチャートを作りたくても、実際どのように組み立てればいいのかわからないという方もいるかもしれません。そういった方向けに代表的なフローチャートの記号を紹介します。

複雑な判断や流れではない基本的な工程であれば、たくさんの記号を覚える必要はありません。まずは代表的な記号を覚えて、簡単なフローチャートを書けるようになりましょう。

1.端子

スクリーンショット_2017-05-15_17.57.39.png

角の丸い四角形で、業務やプログラムの開始・終了を表す記号です。フローチャートの最初と最後に必要となるので注意してください。

2.線・矢印

スクリーンショット_2017-05-15_18.09.09.png

業務や処理の流れに沿って、線または矢印でボックスをつなぎます。流れの向きを明らかにする時は矢印を使うようにしましょう。

3.処理

スクリーンショット_2017-05-15_18.00.43.png

四角形で、行う処理や作業の種類を表現します。例えば、寿司を握る場合「酢飯を手にとる」「手で一口大に握る」といった行動が処理に該当します。ボックス1つにつき、1つの処理を書き込むようにしてください。複数の処理を1つにまとめてしまうと、わかりづらくなってしまいます。

4.判断

スクリーンショット_2017-05-15_18.05.26.png

複数の選択肢に分かれる判断は菱形で表現します。ボックスの端から選択肢のボックスに線をつなぎます。その際には線の横に、判断基準を併記するようにしましょう。なお、程度によって選択肢を変更する場合は以下のように表記します。

スクリーンショット_2017-05-15_18.22.20.png

5.ループ

スクリーンショット_2017-05-15_18.44.22.png

何度も繰り返しで行う処理を表現する際に使用します。ボックスの中に処理の終了条件を記入し、処理を間に挟みます。

スクリーンショット_2017-05-15_18.50.18.png

参考:ざっくりわかる!プログラミングのためのフローチャートの書き方|エンジニアの入り口
フローチャートの活用|株式会社ティーディーエス

フローチャートをつくる上で気をつけるべきこと

フローチャートを作成する際に気をつけるべきことはいろいろとあります。その中でも重要なのが、範囲を大きく広げないことです。幅広く書いてしまうと、何がなんだかわからないフローチャートになってしまうからです。

また、ボックス内の文言にも注意が必要です。端的な短い文言でまとめるようにしましょう。そうした方が人と共有した際にも理解されやすいからです。

フローチャートが作成できる無料ツール3選

ExcelやPowerPointといったOffice系のソフトの図形を利用する方法もありますが、無料のツールでもフローチャートは作成できます。インストール不要で使いやすい無料ツール3つをご紹介します。

1.Cacoo

Cacoo(カクー)__アイデアを今すぐこのキャンバスに.png
https://cacoo.com/lang/ja/home

「Cacoo」はオンラインで利用できる作図ツールです。用意されている図形や記号をキャンバスに落とし込んでいくだけでフローチャートが作成できます。線または矢印でボックスをつなぐ場合つなぐポイントを選べば自動で線を整えてくれるので、線の歪みを直したり、折り曲げたりといった手間を減らせるでしょう。

共有機能を利用すれば他のメンバーと同時に編集したり、チャットでやりとりをしたりといった操作も可能です。

参照記事:ノンデザイナーでも無料で作れる、イケてる資料作成ツールはCacooがおすすめ!

こちらの記事では、Cacooの具体的な使用方法について解説しています。よかったら参考にしてみてください。

2.draw.io

draw.io.png
https://www.draw.io/

無料の作画ツール「draw.io」でも、フローチャートを作成できます。会員登録やソフトのインストールは不要なので、手軽にフローチャートを作成できるでしょう。

記号も豊富に揃えられているだけでなく、フローチャート用のテンプレートも用意されています。線や矢印を指定しなくても、図形から自動で矢印を伸ばすことができるので、直感的な操作が可能でしょう。作成した図はパソコン本体のほかOneDriveやGoogleドライブなどのオンラインストレージ、GitHubに保存できます。

3.Googleスライド

Google_スライド___オンラインでプレゼンテーションを作成、編集できる無料サービス.png
https://www.google.com/intl/ja_jp/slides/about/

Googleスライドは、プレゼン用の資料作成ツールです。ExcelやPowerPointのように、図形機能を利用すればフローチャートも作成できます。PowerPointに近い機能を持ちながらも、Googleアカウントさえあれば無料で利用できます。

まとめ

フローチャートとは、四角や菱形の図形を用いて、行動の流れを示した図を指します。開発分野においては処理の過程を示し、全体の構造を理解するために利用されています。また、複数の判断が要求される業務内容はフローチャートにまとめることで、業務の見える化を図ることができるでしょう。

今回紹介したツールだけでなく、ExcelやPowerPointといったOffice系のソフトでも、図形機能を用いることで、フローチャートは作成できます。自分自身が業務の流れを確認するだけでなく、他のメンバーと共通の認識を持つためにもフローチャートを活用できるようになりましょう。

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