守護神の声がピッチ上にこだました。J1広島のU-23日本代表GK大迫敬介(20)が5日、宮崎市内でFCソウル(韓国)との練習試合(45分×3)に出場。主力組とみられる1本目で45分間プレーし、ソウルの強力攻撃陣を完封した。
「まずは失点しないこと。チームの連携も深まり、一体感を持ってやれている」。大迫の泰然とした“神の声”がチームに安定感を与えていた。
守備だけでなく、目を見張るべきはフィード力だった。丁寧なビルドアップで攻撃を構築するチームスタイルの下で「しっかりトライできた」と大迫。相手の圧力をかわそうと、大迫を起点に何度もパスをつなぎ、前後左右に揺さぶった。相手がしつこく食らい付いてきた瞬間、今度は飛び道具がうなりを上げた。
190センチのレアンドロペレイラ、189センチのドウグラス・ビエイラを目がけた一直線のロングキックで好機を演出。大迫は「相手を引き込んで後ろを裸にする。意図的なプレーでいい印象だった」と自画自賛した。
押しも押されもせぬ五輪代表のGK1番手。U-23アジア選手権では1次リーグ敗退に終わっただけに、大迫は「結果により一層こだわってやっていきたい気持ちが強い」。柔和な表情を浮かべつつ、その眼光は鋭かった。