今回は、カメラマンとして起業した、現在大学4年生の小林健太さんにインタビューをしてきました!
小林健太(こばけん)
中央大学4年生。
学生時代はミスコン運営・フリーペーパー発行「学生団体RP」に所属。
2015年11月にPhotreamを起業。フリーランスカメラマンとしても広告・WEB素材撮影を中心に活動中。
就職しないという選択。
カメラマンとして起業するという選択。
こばけんさんの胸中をお聞きしてきました。
Photream
こちらがこばけんさんのサービスのphotream。
コンセプトは”何十年後に見せたい記録を”。
子供の成長記録を、カメラマンと共に追いかけるサービスです。
成長段階に合わせて、同じ場所、同じカメラマンがお子さんを3回撮影。
おすすめは、生まれる前(マタニティ)・半年記念日(ハーフバースデー)・1歳の誕生日。
HPを閲覧すると、心が暖かくなる写真が見れます。
是非見てみてください。
カメラとの出会いはじゃんけん
ーー現在カメラマンとして活躍中ですが、カメラとの出会いはいつだったのですか?
出会いは大学2年生の時に、じゃんけんで負けたことがきっかけです。笑
ーーじゃんけんですか?!
はい。
僕は大学1年生の頃から、RPという発足2年目のミスコンを運営する学生団体に所属していていました。
2年生の時、活動の一環でミスコン候補者の写真を撮ろう!となったのですが、
デジカメより一眼レフの方がかっこいい写真撮れるよね、と実に安直な考えから、じゃんけんで負けた人が一眼レフカメラを買うことになったんです。
ーー負けてしまったのですね・・。笑 そこからなぜカメラマンの道に進むことになったのですか?
まず、カメラを買う時に、僕ともう1人の人が一緒に買ったんです。
それから2人で試行錯誤しながら写真を撮っていくうちに、周りから「なんか、こばの写真いいよね」と褒められることが増えていきました。
褒められて嬉しくなって、どんどんはまっていったんですよね。単純ですよね。笑
ーー褒められると嬉しいですもんね!そこから写真を撮る機会が増えていったのですか?
そうですね。
RPの活動で、ミスコン候補者をメディアに掲載したりする際に、カメラマン募集しているメディアが結構あって。
そういうところでアルバイトやボランティアとして写真撮るようになっていって、カメラで食べて行きたいなと漠然と思うようになりました。
カメラマン業界の現状を変えたい
ーーどのような想いがきっかけとなってPhotreamを作ることにしたのですか?
大きく分けると2つあります。
1つ目は、プロカメラマンになりたいと考えた時に、プロに弟子入りするのが一番いいと聞いて、実際に第一線で活躍されている方に話を聞きに行ったんです。
その際に「200人くらい応募くるけど採るのは1人くらい」という話を聞いて衝撃が走って。「他の199人はカメラで食べていけないのか」と思いました。
その199人がカメラで働ける場所を作りたい、と思ったことがきっかけです。
不思議とその1人になりたいとは思いませんでした。
2つ目は、そんなことを思ってた矢先に、たまたま実家に帰省した際に、自分の幼少期の写真が少なかったことに気づきました。寂しいというか切ないというか、なんともいえない思いになりましたね。
こういう思いをしてる人ってどれくらいいるんだろう、これから生まれてくる子たちには同じ思いをしてほしくないなと思ったことですね。
ーーカメラマンで食べていくのは厳しい世界なのですね・・。今後、Photreamをどのような存在にしていきたいとお考えですか?
最終的なゴールは、カメラマンとして食べていきたい人にとっての、働き口の一つになりたいです。
その第一歩として、いまは全力で子供たちの成長を追いかけていきたいなと思います。
Photreamは子供が好きなカメラマンにとっては、撮りたい写真が撮れて仕事になる最高の場所だと思いますし、やはり好きなものを撮ると気持ちの乗った写真になりますからね。
そういう機会を増やしていきたいですね。
もちろんカメラマンの技術や人柄は譲れないところはありますが、想いを大切にしていきたいです。
ーーこれまでにPhotreamで撮影した写真で、想い出深い写真などはありますか?
やはり初めて撮影したママさんの写真ですね。
このママさんがマタニティの時から3回撮影したのですが、この子の成長を追いかけた時に、自分が親になったような疑似体験ができて。
すごく温度感のあるサービスだなと感じたんです。
また、Photreamで働くカメラマンが、もしかしたらこの家族の専属カメラマンとして、運動会の写真等をお願いしてもらえるかもしれない。
この家族が増えればカメラマンとして生活できる人が増えるかもしれない、このサービスの可能性が見えた気がしたんです。
後悔のない人生を
ーー起業ではなく、ご自身がフリーでプロカメラマンとして活躍する、という選択肢はなかったのですか?
自分がプレイヤーとして上を目指す、というのも考えました。
実際に現在もフリー活動し依頼をしていただける企業様の期待に応えれるような写真を撮る事は忘れていません。むしろ、フリーの活動からカメラを教えられるような知識と経験は積ませていただいています。
道は厳しいですが、一線で活躍できるカメラマンになった方が確かに稼げるとは思います。
でも、仮に僕が上に登りつめることができても、カメラマン業界全体の雇用状況は変わらないな、と思って。
カメラマン業界の文化を変えたいと思ったんです。
ーーご自身でサービスを創っていく、というのはとても大変だと思うのですが、何が原動力となっているのですか?
純粋に赤ちゃんたちを撮影するのが楽しいからですね。
撮影したママさんは定期的に写メを送ってくださる方が多いのですが、びっくりするくらい成長が早くて。見るたびにはやく撮影したいなと思います。笑
それから文化が変わった後の世界を見てみたいな、と思うんです。
カメラに限らず、日本でクリエイターが食べていくのはまだまだ厳しいのが現実ですが、カメラマンが好きな写真を撮って生活ができる世の中ができたらいいなと思っています。
こんなことをいったらすごい起業家の方に怒られそうですが、お金稼ぎ第一ではない薄利な道の先に、見える世界もあるのかなと。
ーー就職しない、という選択はすぐに決意できたのですか?
いえ、3年生の11月から2月くらいまではIT系のベンチャーを見て就活していました。
ただその時、Photreamの企画書を持って「これを新規事業でやらせてください」と就活をしていたのですが、面接官の方から「じゃあ、自分でやっちゃいなよ!」と言ってくださることが多かったです。
それで、「今やるべきなのかもしれない」と思ったんです。
もちろん、自信もなかったし、不安だらけでしたが。笑
ーーご両親には反対はされなかったのですか?
されなかったですね。父が建築士で母が美容師なのでどちらも自営業で、就職しない大変さは痛いほど知っていると思うのですが、
「後悔のないようにね」とだけ言われました。
とても有難いし、重い言葉でした。
広さを知って、自分を知る
ーー進路に迷っている、といった悩みを抱える学生に伝えたいことはありますか?
すごく偉そうなんですが、自分自身をよく知った方がいいと思います。
就活時期って周りの目をすごく気にする時期だとは思うんですが、自問自答を忘れずにをしていくこと、自分を見失わないことが大切かなと思います。
ーーやりたいことが見つからない、という人に何かアドバイスはありますか?
僕の経験としては、興味がないことでも、やってみたら案外楽しかったってことは結構ありますね。とりあえずやってみたらいいと思います。
カメラも最初は興味なかったですし。笑
あとは、ヒッチハイクなど旅をして、自分の今いる環境の小ささを知るのもいいかなと思います。
僕も大学三年のクリスマスにサンタの格好をして東京→福岡をヒッチハイクしました。こどもたちには大人気でしたね。笑
世の中には、自分の好きなことをして楽しそうに暮らしている人がたくさんいることを教えてもらいました。
そういった人たちの存在を知っていって、そのあとに自分を振り返ってみたら何か見つかることがあるのかな、とは思います。
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こばけんさん、ありがとうございました!
こばけんさんの人柄を物語るような、暖かいサービス、Photream。
たくさんのカメラマンさんとご家族の出会いが生まれていきますように。
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