新型コロナウイルスによる肺炎の問題で、安倍晋三首相は6日、発症した恐れがある人が確認され、8日に沖縄県内への寄港を予定するクルーズ船ウエステルダム号の外国人の入国を、特段の事情がない限り、拒否すると明らかにした。出入国管理法に基づく水際対策の強化措置で、7日午前0時から適用する。
横浜港に停泊中の大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で、20人の感染者が出ていることなどを受け、首相官邸で開いた政府の対策本部で表明した。首相は「同種の事案を認知した場合は、速やかに同様の措置を取る」との方針も示した。「対策にすき間を生じさせてはならない」とも話し、先手先手の対策を講じるよう指示した。政府は6日、国家安全保障会議の緊急事態大臣会合も持ち回り形式で開いた。
船舶の位置情報を公開するサイト「マリントラフィック」のデータによると、ウエステルダム号は、1月中旬以降、シンガポールやタイ、カンボジア、ベトナム、香港に立ち寄り、5日に台湾南部の高雄を出港。国土交通省によると、8日に沖縄の港に入る予定だ。政府関係者によると、「首相の強い思い」で今回の措置を決めた。この船の寄港を拒否した国もあるといい、政府は港に接岸せずに香港に戻るよう求める方針。船には数人の日本人が乗っており、香港での保護を検討するという。
政府は1日から、感染者が多く出ている中国湖北省に2週間以内に滞在歴のある外国人と、同省発行の中国旅券を所持する外国人の入国を、特段の事情がない限り当分の間、拒否する措置を取った。出入国在留管理庁によると、5日までで16人の入国を拒否し、4人が自ら申請を取り下げた。19人が特別の事情を認められ、入国したという。
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