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Apple Watchの勢い止まらず。2019年出荷台数がスイス製時計の合計を上回るとの予測レポ

SwatchのOne more thing訴訟が思い出されます

Kiyoshi Tane
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swatch
スマートウォッチ市場が急成長しているなかで、Apple Watchはその半分以上のシェアを占めていると推定されています(2019年11月時点)。

そうした勢いはスマートウォッチ内に留まらず、時計市場全体で見ても注目すべきもののようです。そうした証左の一端となるような、2019年内のApple Watch出荷台数がスイスの時計業界全体を上回ったと推定するレポートが発表されました。大手リサーチ会社Strategy Analytics(SA)の最新レポートによると、Apple Watchの出荷台数は2018年の推定2250万台から36%増加し、2019年内には3070万台を出荷したと推定されるとのことです。なお「推定」が付いているのは、アップルが自社製品の販売台数を非公表としているからです。

それに対してスイスの時計産業(スイスの全時計ブランドを含む)の2019年出荷台数は2110万台であり、2018年の2420万台から13%もの減少となっています。この1年間で、上下が入れ替わって逆転したかっこうです。


sa Apple Watch Report


SAによれば、Apple Watchはユーザーフレンドリーな技術やアプリ、魅力的なデザインのおかげで、北米、西欧やアジアで「大人気」とのこと。かたやアナログ時計は依然として年配の顧客に人気があるものの、若い消費者はスマートウォッチやコンピュータ化されたリストウェア(腕に付けるデジタル機器一般)を好むとされています。

さらにSAのアナリストいわく「Apple Watchは、より行き届いた販路を通じてより良い製品を提供し、ますますデジタルリストウェアを求める若い消費者にアピールしています。スイスの時計ブランドがスマートウォッチに影響を与えるための窓は閉ざされつつあります。Swatch、Tissot、TAG Heuerなどに残された時間は短いかもしれません」とのことです。

つまりアナログ時計の老舗は高齢ユーザーから根強く支持されているとはいえ、若い新規ユーザーへの代替わりもなく、歳月の経過と共に市場も先細りになるということでしょう。

Apple Watchは2017年のホリデーシーズン(年末商戦期)にもスイスの時計業界全体を出荷量で上回ったと分析されていましたが、1年を通じての完勝は今回が初めてのことです。

ところでレポートに挙げられた中の一社であるSwatchといえば、スティーブ・ジョブズ氏の愛用したフレーズ「One more thing」の商標登録をオーストラリアで申請し、アップルの異議申し立てを退けて認められた件が話題となったこともあります。スイスの時計業界側にも、Apple Watchに代表されるスマートウォッチの大攻勢に対する焦りがあるのかもしれません。

 

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