拡大する写真・図版伊藤詩織さん=鬼室黎撮影

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ジャーナリスト 伊藤詩織さんに聞く

 彼女のような立場の人へのインタビューはできれば避けたい。こちらは「おずおず」問うことになるから。でも、聞きたかった。性暴力被害を訴えて最初に会見した3年前も、民事訴訟で勝訴した2カ月前も、あなたの視線はどこか遠くを捉えているようで、ずっと不思議でした。伊藤詩織さん、あなたは何と闘ってきたのですか?

 「すみません、お昼ご飯がまだで、来る途中、屋台でカレー買ってきたんで食べていいですか?」

 ――どうぞどうぞ……しかし、ものすごい量の七味唐辛子と紅ショウガですね。

 「『ご自由にどうぞ』だったので。私、辛いの大っ好きなんですよ。気分が沈んでいる時に食べると元気が出ます」

 ――以前はもっと表情が硬かった印象があります。判決が出て、世間との距離感みたいなものが変わりましたか。

 「自分が変わったという自覚はあまりありません。今でも苦しい時はある。判決によって経験を乗り越えられたり、帳消しになったりすることは絶対にないと思います。ただ、世界中の友達から電話があり『ニュース見たよ!』と喜んでくれた。日本でも、街で声をかけられることが増え、メディアの影響力はやはり大きいと実感しました」

 「ただ、刑事事件としては不起…

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