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sudoのメイン開発者であるTodd Millerは2月5日,pwfeedbackオプションが有効な場合にバッファオーバーフローを引き起こす可能性のあるバグが2009年のバージョン1.7.1より存在しており,1月31日にリリースした「sudo 1.8.31」においてその修正を含むアップデートを行ったことを明らかにした。
- Buffer overflow when pwfeedback is set in sudoers
この脆弱性は「CVE-2019-18634」として2019年10月にAppleのJoe Vennixにより最初に報告され,以後,追跡が行われてきた。Millerによれば,sudo 1.7.1からsudo 1.8.30までのバージョンがこの脆弱性の影響を受け,とくにsudo 1.26以前のバージョンを使っている場合は注意が必要だが,pwfeedbackオプションを有効にしていなければ影響はない。ただし,Linux Mintやelementary OSなど一部のディストリビューションではsudoersフィルでpwfeedbackがデフォルトで有効にされており,悪用される可能性が高くなっている。
当該のsudoバージョンでpwfeedbackオプションが有効になっていると,攻撃者はsudoパーミッションを要求しなくても,この脆弱性を悪用してパスワード入力時に大きなデータを渡し,バッファオーバーフローを再現することが可能になる。
sudo 1.7.1がリリースされたのは2009年4月であるため,約10年にわたってこの脆弱性が存在していたことになる。
すでに修正済みのバージョンが1.8.31としてリリースされているが,まずはpwfeedbackオプションの有効/無効を確認することが推奨される。