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有本嘉代子さんが死去 拉致被害者・恵子さんの母

社会・くらし
2020/2/6 12:24

北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(失踪当時23)の母親、有本嘉代子(ありもと・かよこ)さんが2月3日午後3時23分、うっ血性心不全のため神戸市内の病院で死去した。94歳だった。告別式は近親者で行った。喪主は夫、明弘氏。

有本恵子さんの写真を手に拉致問題について話す母の嘉代子さん(右)と父の明弘さん(2017年10月、神戸市長田区)

恵子さんは神戸市外国語大生として英ロンドンに語学留学中だった1983年、デンマークのコペンハーゲン経由で北朝鮮に拉致されたとされる。88年には拉致被害者の石岡亨さん(同22)の実家に、石岡さんの手紙とともに恵子さんの写真や直筆の書類が届き、北朝鮮にいることが判明した。

嘉代子さんは明弘さんとともに拉致被害者家族会で活動。全国各地で講演や署名活動に取り組んだほか、2004年には手記「恵子は必ず生きています」を出版するなど、被害者の早期帰還への協力を呼びかけてきた。最近は体調を崩し、入院していた。

明弘さんは6日、支援団体の「救う会兵庫」を通じて「北朝鮮に拉致された恵子を取り戻すために嘉代子と二人三脚で頑張ってきましたが、妻は力尽きてしまい今は全く気持ちの整理もつかない状態です」とのコメントを出した。

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