落ち着ける環境

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私の能書きコラムを期待している物好きな方もいらっしゃるので、時々掲載していきたいと思います。お付き合い下さい!^^
 
先日、書棚を整理していた際に保管してあった古い海水魚図鑑を引っ張り出して、久しぶりに目を通したんですが、「ヤリカタギ」の記載内容に「餌付かないチョウチョウウオで餌付けが難しい。」と記されていて「???」と思いました。
ヤリカタギはポリプ専食ではあるものの、どちらかといえばトノサマやスミツキのように雑食傾向も強く、餌付けは比較的簡単な種類です。反って雑食性のナミやチョウハンの方が、餌付けに失敗するヒトが多い(餌付け方法によっても結果が左右してしまう)のではないかと思います。
他の餌付けが難しいと言われているチョウチョウウオの餌付けにおける注意点で「落ち着ける環境を維持する」と簡単に記されていましたが、これは餌付けの根幹となる非常に重要な大前提の部分になりますが、この「落ち着ける環境維持」が確立されていないケースが多い様に感じます。
簡単に分かり易く説明すると、単層水槽で複数匹を餌付けさせては生存率を維持させるのは難しく、必ず弱者から落ちてしまいます。逆に言えば、その状態で生き残った固体は「偶々生き残っただけ。」と解釈するのが適切でしょう。
また、飼育水槽に「隔離ケース」をぶら下げて餌付けをおこなっている場面を見掛けますが、これも「落ち着ける環境」にはなりません。隔離ケースでの餌付けは、そもそも狭いスペース且つ、先住者が食べ散らかした残餌を求め隔離ケースに群がるなど、新着魚は落ち着くことができず、これを理解している熟練者の殆どは隔離ケースの使用をおこなっていません。
「隔離ケース」に頼ってしまうのも、住宅事情や設置費用の面から生じる水槽設置スペース未確保の状態での飼育許容量を超過した持帰りが原因と思われますが、生存率を維持できる確実な飼育をおこなっている飼育者は、状況に応じて区分けのできる専用水槽など、余裕をもった飼育スペースを常に確保しています。
この改善策として、餌付けや緊急時非難の為に小型水槽を設置し、エアレーションのみや外掛け式濾過などで応急処置を施したいといった相談事例が今までにも多くありましたが、このような小型水槽ではエアレーションの勢いが強すぎたり、外掛け式の水流が強すぎる為、新着魚は落ち着くことができず、反ってストレス増大となり拒食など寿命を縮めてしまう原因にもなります。
固体が弱ったり、イジメなどが生じ隔離が必要になった際には、生存率を維持させる為にも常設での静養&餌付けスペースの設置を心掛けていきたいものです。