パンデミックならぬ「インフォデミック」に気をつけて――。新型肺炎を巡り、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)がそんな注意喚起をしている。インフォデミックとは、デマや誤った情報が急激に拡散する状況。公式サイトで具体的な事例を挙げ、説明している。
説明は、中国からの手紙や小包を受け取っても安全▽うがい薬を使ったうがいでは感染を防げない▽生理食塩水で鼻の中を洗う「鼻うがい」も感染を防げない▽抗生物質は予防や治療に効果がない▽ニンニクを食べても感染を予防できない、など10項目。
WHOの感染症対策の専門家シルビー・ブリアン氏によると、黄熱病が流行した際には「ワクチン接種をすると1週間ビールが飲めない」とのうわさが流れ、接種をする人が減ったという。ブリアン氏は記者会見で「(インフォデミックが)効果的な対策の実行を妨げる」と述べ、新型肺炎にも冷静に対応するよう強調した。
また、WHOのテドロス・アダノム事務局長は4日、渡航・貿易の制限について「(感染症への対応を定めた)国際保健規則に合致しない形での制限をしないでほしい」と述べた。この時点で22カ国が航空便の期間運休やビザの発給制限などを実施しているとし、こうした措置は「公衆衛生上の効果は少ししかない一方、恐怖や不当なレッテル貼りを増幅させる」と懸念を示した。
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