「ジブリパーク」内の「ジブリの大倉庫エリア」のイメージ((C)Studio Ghibli)=共同
愛知県は4日、愛・地球博記念公園内(長久手市)で2022年秋の開業を目指す「ジブリパーク」の概算事業費が約340億円に上ると発表した。全5エリア開業時に年間約180万人の来場があるとみている。レジャー施設の目玉に乏しいとされる愛知にとって、待望の新施設の開業となりそうだ。
「ジブリパーク」内の「ジブリの大倉庫エリア」のイメージ((C)Studio Ghibli)=共同
県は展示室や売店などが入る「ジブリの大倉庫エリア」やサツキとメイの家がある「どんどこ森エリア」など5つのエリアを整備する。22年秋に3エリアを先行開業し、23年に全5エリアを全面開業する予定だ。
県によると、5エリアの建築工事、外構を含む造園工事、展示・演示工事費で約310億円、設計、企画・デザイン監修費などに約30億円かかる。県財政の負担が膨らむが、この日記者会見した大村秀章知事は「国からの交付金や償還時に交付税措置のある起債を活用し、県費以外の財源確保に努める」とした。
スタジオジブリのテーマパークが造られる愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)
県によると、18年度の愛・地球博記念公園の来園者数は約156万人(18年度で廃止した温水プール入場者数を除く)だった。ジブリパークの3エリア開業時に来園者が約200万人(うちジブリパークが約100万人)、5エリア開業で約280万人(同約180万人)へ増えるとみている。
県はこの日、ジブリパーク開業による経済波及効果の試算も発表した。整備による建設投資に関連して約840億円、開業によって飲食、グッズ販売、宿泊、交通などの消費が創出され、年約480億円の波及効果があるとした。
県内では年間200万人超が訪れる名古屋城とほぼ肩を並べる施設が誕生することになる。大村知事は「想定は堅くみている。予想を上回るのでは」と期待感を示した。
県はジブリパーク整備について、設計段階から建設会社の知見などを反映する「ECI方式」と呼ぶ手法を導入している。鹿島中部支店と設計段階から協力する業務契約を結び、7月にも本体工事を行う方針だ。県は20年度当初予算案に先行開業する3エリアの工事費など関連費用として27億5千万円を盛り込み、開業準備を本格化させる。
(小野沢健一)