ときめきました、ひと目見て。
富士フイルムの高級コンデジ、「X100V」が発表されましたね。3桁機ということで、お察しの通りスナップシューターとして評価の高い「X100F」の後継機。レンズ交換もなく、気ままに撮ることを体現した一台です。
100シリーズの5台目にあたるX100Vが目指したのは、Only One Design。シリーズ初となるアルミ製トップカバーや、プレス成形だけでなく切削加工も含んだ28にもおよぶ工程を経て、今までの100シリーズにはない鋭利なエッジと新たな質感を生み出しました。マグネシウムと違って塗装ではなくアルマイト処理で仕上げているので、手触りも金属本来のもの。X100Fから大きく変わっていないように見えますが、実物は別人のように生まれ変わっています。
レンズは新設計の23mmF2.0、6群8枚構成で2枚が非球面レンズ、最短焦点距離10cm。パっと見はX100Fと同じように見えますが、積んでるエンジンはX-Trans 4センサーとX-Processor 4。すなわち「X-Pro3」と同じなわけで、それら最新エンジンに耐えうる解像力を備えています。X100Fとの解像比較も見ましたが、圧倒的じゃあないか…!
ほら、この差はパない。

そして、スナップ機にして珍しくLCDモニターはチルト式に。本来はチルト構造にするだけで何十gと重くなるんですが、X100Fからおよそ9gの増加に留めました。でありながらシーリング箇所は増やして、別途アクセサリーを使うことで防滴防塵を実現。
このチルト部分はデザイナーさんがとてもこだわったらしく、チルトっぽく見えないチルトにしたとのこと。モニターの各辺や底面がすごくフラットで、チルトと気付かないレベルですもん。トップカバーもフラットですし、デザインの一貫性が見て取れますね。ホットシューの出っ張りすら廃したとか。
EVFも兼ねるファインダーは、X-Pro3と同スペック。覗いて気持ち良いクリア感と歪みのなさです。
100シリーズとしては初めて、4K30pのノンクロップ動画撮影にも対応。23mmでどこまで撮るのかってのはありますけど、コンバージョンレンズを使えば色んな画角が楽しめるし、なんならX-Pro3にはないHDMI外出しでの4:2:2 10bit記録もできるんですよね。
フジ機の魅力であるフィルムシミュレーションも、X-Pro3で追加された「クラシックネガ」までを網羅しています。フジの3桁機は入門機の皮を被った隠れエースだと思っていましたが、ここまで出し惜しみが無いと清々しいというか、若干申し訳ないというか。もうこれ、ちっちゃいX-Pro3なのでは?
クラネガが撮れてポケットに入る2610万画素、しかも新設計レンズの恩恵で得た-5EV位相差AF、X-Pro3にはないものも持っていたりする。フラットさが強まった輪郭はどことなくライカみもあったりして、クラシックなカメラファンを喜ばせに来てますねぇ。GR IIIを使ってる僕も「それとこれは別だから」という、極めて論理的な熟考の結果、すぐに欲しくなりました。
「X100V」は情報と実物でかなり印象が変わるカメラだと感じたので、ぜひともお店で触ってみて下さい。100シリーズのアクセサリーはすべて使えるので、X100F持ちであってもぜひ。ぜひ。