JR九州の古宮洋二本部長(右)に要望書を手渡した江里口秀次小城市長(中央)=福岡市博多区の本社

 佐賀県内のJR九州長崎線や唐津線などの沿線自治体でつくる二つの団体が3日、列車の運行や施設整備に関する要望書をJRに提出した。佐賀市など一部地域にとどまるICカード乗車券の利用可能エリアの拡大や観光列車の定期的な運行などを求めた。

 県鉄道建設整備促進期成会(会長・山口祥義県知事)と唐津線利活用・電化促進期成会(会長・江里口秀次小城市長)の関係者が福岡市のJR九州本社を訪れ、要望した。ダイヤ改正の際に地域の声を聞いたり利用状況を把握したりした上で利便性の向上を図ることや、九州新幹線長崎ルートの暫定開業後の在来線維持なども盛り込んだ。

 JRの古宮洋二鉄道事業本部長に要望書を手渡した江里口市長は「公共交通機関が担っている重要な役割に鑑み、要望の実現へ特段の配慮をお願いしたい」などと述べた。非公開の会合後、江里口市長はJRが県内の複数の駅を無人化する方針を自治体に伝えたことに関し「自治体は地域活性化のために駅を利活用していることも理解してほしい」と話した。