ソウル=稲田清英
「国内で2019年に生まれる日本人の子どもは86万4千人で、統計を始めた1899年以降で最も少なくなる――」。そんなニュースが昨年末の話題となったが、いま、その日本以上に少子化が急速に進んでいるのがお隣の韓国だ。政府がいくら「出産奨励」の旗を振ってみても出生率はむしろ下がっており、とうとう1を割った。
ソウル都心部の駅から乗った地下鉄が、巨大都市を南北に分かつ漢江(ハンガン)を渡っていく。車窓からマンション群を眺めていると、まもなく列車はホームへと滑り込んだ。
鷺梁津(ノリャンジン)駅。周辺には公務員試験向けの予備校が集まり、若者が多く行き交っている。韓国の若い世代は、急速な少子化をどうとらえているのか。駅の近くに暮らす30歳の男性に話を聞いた。
男性はいま、ゲーム制作会社で正社員として働いている。月に300万ウォン(約28万円)ほどの収入があり、少なくとも当面の生活には困っていない。結婚も、いずれはしたいと考えている。それでも、その先の子育てなども含めて将来を考えると、不安がぬぐえず、踏み切れないでいるのだという。
「正社員といっても、韓国では(リストラなどの可能性で)50歳を過ぎると保証は何もない。それが現実ですよ。少子化が進むのも当然なのかな、という気がしますね」
私は2000年代末から韓国で…
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