ほんとにお別れなのね…。
スマートフォンは、全面タッチスクリーンで、キーボードなんてないもの。そういうデザインがスタンダードになってから、まだ15年もたっていません。それ以前は、物理キーボードこそ、スムーズな文字入力の基本で、そのスタンダードにBlackBerryの存在がありました。トラックホイールでカーソルを動かし、いろんなアプリだって使えたBlackBerryに「スマホ」の未来を感じていたのに、どこが問題だったのでしょうかね?
すでにBlackBerryは、自社でハードウェアを製造販売する事業からは撤退し、TCLへとライセンス契約を結ぶ形で細々とBlackBerryの新モデルがリリースしてきました。独自OSではなくAndroidが普通に使える、それでいて往年のキーボードファンを満足させられそうな、れっきとしたBlackBerryのブランドを受け継いだ「KeyOne」「Key2」「Key2 LE」が、TCLから発売されてはきたのですが…。
このほどBBCは、BlackBerryとTCLのライセンス契約が、今年8月で打ち切られることを報じました。その後も2年間は、ハードウェアのサポートが提供されるものの、もはや今後はBlackBerryの新ハードウェア製品が開発されることはないとの方針が明らかにされています。TCLは自社ブランドの低価格な新スマホに力を入れてもいるため、わざわざ高価格帯になりがちなBlackBerryのライセンス商品を、継続して出していく意義が薄れてきたのかもしれません。
BlackBerryの歴史を振り返ると、ただiPhoneやAndroidスマホの台頭に手をこまねいていたわけではありませんでした。トレンドに乗っかって、キーボードを取っ払った、全面タッチスクリーンの「BlackBerry Priv」は、2010年代半ばの画期的なスマートフォンとして、一部のユーザーの心をとらえたこともありました。よりセキュアなAndroidが使えることをウリにして、ソフトウェア戦略で攻勢をかけたりもしています。
しかしながら、Android OSも進化して信頼性が増してきましたし、人類はタッチ操作のソフトウェアキーボードを使いこなすほうがよいとの選択にいたったのやもしれません。サヨナラ、BlackBerry!
Source: BBC