-久しぶりに『スカーレット』の撮影に参加されたご感想をお願いします。
「喜美ちゃん(戸田恵梨香さん)が、『私、今日朝から涙もろいんです、うるうるします』って言うのよ。『へえ、なんで?』って聞いたら、『みなさんに久しぶりに会ったから。これが"朝ドラ"なんですね』って言うてね。春から収録が始まって、戸田恵梨香さんの中に喜美ちゃんという存在がずっと積み重なってきてるんですね。それを実感したって言ってました。私は一回終わったつもりでいましたから、『懐かしいね』ぐらいの感じやったんですけど、ずっとここにいてた人は、私らが感じるよりもっと深いものがあるんやなと思いました。そういう思いを彼女の口から聞いたというのがとても新鮮でしたね。
せっかく大阪の人らがそろったんやから、羽野(晶紀)さんにも(溝端)淳平にもおってほしかったな、と言いながらみんなで撮った写真を送ったら『ええー!!』みたいな返信が来ました(笑)」
-31歳になった喜美子を演じる戸田さんの印象を教えてください。
「今が一番自然やなと思います。実年齢に近いしね。『これから年を取っていくので、どうしたらいいですかね。』と戸田さんが言っていたので、『そんなん自然でいいんちゃう?変に年寄りにしようと思ったら学芸会みたいになるからやめとき』と言いました(笑)。
『火まつり』のシーンでね、喜美ちゃんが手ぬぐいを頭に巻いて出てきた時、すごくきれいでかっこいいなと思ったんですよ。それで今回、戸田さんに『あんた前髪いつあげんの?はよあげや、絶対前髪ない方がかっこええで』って言ったんですよ。そしたら、『考えときます』って言うてはりました(笑)」
-大阪編以降で、荒木荘での教えが生かされているなと思われたシーンや、印象に残ったシーンがあれば教えてください。
「毎日はらはらしながら見てるんですけど、そうですね、お給仕したり、お茶運んだり、そういうところがちゃんとしているように見えるので、大久保の教えが生かされてるんかなとも思いますけど、もともと喜美ちゃんの家もちゃんとしてはるからねえ。どこまでが大阪での学びなんかと聞かれたら分かりませんけど。それにしても信楽の子たちはみんなちゃんとしてますねえ。もうちょっとちゃんとしてない子がおってもええんちゃう?と思うくらいです(笑)
喜美ちゃんのお父さん(北村一輝)はちょっとおかしいとこあるけど(笑)、見方によってはかっこいいお父ちゃんかもしれんしね。『やりたいことを仕事にしてる人間がどれだけおると思てるねん』っていうシーンはええシーンでしたね。泣きそうになりました。そう思っている人はいっぱいおるでしょうし、その人たちの気持ちを代弁しましたね。あのシーンで、北村さんは男性のファンが増えたんちゃいますか(笑)」
-最後に視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
「メッセージ、なんやろねえ。みなさん、どんなことを求めてはるんやろ(笑)。うちの事務所はアナログなんでよう分かりませんが、SNS?とかで大久保が人気があるってみなさん言うてくれるでしょ。さっきも木本(武宏)さんとも言うてたんですけど、今、自分がウケようとか、カメラをこっちに向けさせようとか、そういう番組が多いから、普通に何にもせえへん大久保みたいな人がよかったんかなあ、みたいな話をしてたんですよ。大久保なんか言うたら"ちょい役"ですからね。でもそれが視聴者のみなさんの心に残るっていうのは何かあるんでしょうねえ。今、だんだんと怒れない世の中になってきていて、何かあっても見て見ぬふりをする人が増えてますからねえ。大久保みたいにパンパンものを言うて叱るっていうのが、逆に見てて気持ちええんでしょうか。
怒ると叱るは違いますからね。愛がなかったら叱れない。自分の思い通りにならへんからと言って『何回言うたら分かるのよ!』というのは自分が怒ってるだけ。どうしたらこの子がよくなるかという視点が抜けてるんですよ。お母さんたちに限らず、今の世の中の人たちには『怒るのと叱るのは違うから、怒らんでもええから叱りなさい』と言うてあげたいです」