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【社会】

滋賀の呼吸器 無罪確実 検察、有罪立証せず 再審初公判

大津地裁前で横断幕を掲げる西山美香さん(右)ら=3日

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 滋賀県東近江市の湖東記念病院で二〇〇三年、男性患者の呼吸器を外し殺害したとして、殺人罪で懲役十二年が確定、服役した元看護助手西山美香さん(40)=同県彦根市=の再審初公判が三日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。罪状認否で西山さんは「(患者を)殺していません」と改めて無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で「有罪の新たな立証をせず、確定審や再審での証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」と主張。事実上の立証断念で、西山さんの無罪は確実となった。

 弁護側は冒頭陳述で「人工呼吸器のチューブを外した事実はなく、患者の死因は自然死だ」と主張。殺害を認めたとする自白については、めまぐるしく変遷している点を指摘し「取り調べ担当の刑事に対する西山さんの恋愛感情を利用し、誘導した」として、信用性はないと訴えた。

 西山さんは弁護側の被告人質問で、うその自白をしたことについて、男性刑事に強い恋心を抱き「関心を引こうと思った」と説明。一方で、死亡した患者の写真を見せられるなどの脅迫を受け、「怖くなって」自白したと述べた。検察側は被告人質問を行わなかった。

 閉廷後に西山さんは会見し、検察側の姿勢について「拍子抜けした。特別抗告してきた意味は何だったんだ」などと批判した。

 再審公判は十日に弁護側の最終弁論や検察側の論告求刑を経て結審し、判決は三月三十一日の予定。

 

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