批判の理由は、人体実験をおこなう悪役キャラクターが、歴史的な人体実験の被害者の隠語と同じネーミングをしていたこと。
今週発売のジャンプで登場した志賀丸太という名前について、歴史的な出来事を想起させるというご意見を多くいただいています。命名にあたり、そのような意図を込めたつもりはありませんでした。ご指摘のお声を重く受け止め、今後は名前を差し替えさせていただきます。
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公式が繊細な話題ということを認識して、正面から批判を受け止めたのは良いとしても、少し驚いたのが意図しないネーミングだったという釈明。
731部隊の非人道的な人体実験については、2017年に放映された『NHKスペシャル』でも全国区でとりあげられて、話題となったばかり。
731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~ | NスペPlus
囚人は頭を丸坊主に刈られ、「マルタ」と呼ばれていたという。
「杭を打ってね、ずーっと杭を打って、そこにマルタをつないどくんです。実験の計画に沿って憲兵が連れて行って、“何番の杭に誰を縛る”とかって、“つなぐ”とかっていう、やるわけね」
偶然にしてはできすぎていて*1、最初に漫画の情報を見かけた時は、あえて歴史的な事実をネーミングに引用して、その安易さが批判されたパターンなのかと思った。
たとえば女性を凌辱する殺人鬼に、あえて女性的な側面を設定することはホラー映画などでよくある。加害者に実は被害者的な側面があるという伏線だったり、被害者の尊厳をも加害者が奪う象徴的な描写であったりと、位置づけは作品ごとに異なる。
それを考慮すれば、単純なさしかえをするよりも、批判を受け止めつつ作品内に問題意識を刻む方向性が、私の好みではある。もちろん今回の漫画家と編集部の判断も尊重されて良いと思うが。
*1:もっとも、ディズニーの公式アカウントが「なんでもない日おめでとう。」と自社作品から恒例の引用ツイートをした時、それが偶然に8月9日だったため、批判をあびて削除したこともある。ディズニー公式、8月9日に「なんでもない日おめでとう」と投稿し物議 - ねとらぼ