日革委 脱退文 (2018.08)

(注:某ネット上団体を抜ける際に投げたやつ)



本委員会を抜けるにあたって私の所感を述べさせて頂きます。
第一に、この委員会は何を目的として結成され、何故活動をするかということを見失っていること。この委員会の結成は、私が見た限りでは或る人が当初半分ネタのつもりで発言した内容を、真に受けた人が後戻り出来ない状況を生み出すことでやむ無く結党せざるを得なくしたことで作られたものにしか見えませんでした。直後の反応からも、若干消極的だった中枢もいたようです。口ではなんとでも否定することは出来ますが、今一度自らの行動について自省する機会を用意してみてはいかがでしょうか。
そして、結成当初からとても凝った内容の綱領とスローガンを考え出し、諸君の本委員会に対する強い熱意は確かに感じ取ることが出来ました。ただ、ここで忘れてはならないのは、前衛党として本当に団結し前進したかったのであれば、無闇にラディカルな路線ばかりを追い求めて「革命」という曖昧なものを夢想するのでなく、地道に市民活動や労組活動に連帯する、現実的な問題提起から解決策を論じる、などの重要性を見失うことのないようにせねばならないということです。諸君は誰よりも過去の新左翼党派や世界中に産まれた共産党とそれに準じた機構、労働者と学生の為の思想などについて詳しいのだから、勿論それらの退潮についてもよく知っているはずです。それらの栄光ある時期だけをピックアップして取り込むのではなく、包括的に噛み砕いて吸収しない限り、それ以上の進展を遂げることは不可能です。
もし本当にこの崩壊しつつある資本主義と格差社会の矛盾点を暴き解消し、真に理想的な社会を築きたければ、自ずから現在のこの活動は乖離していると気づくでしょう。あくまでもこれは趣味者によるゴッコ遊びだ、パロディ的ジョーク団体だと申すなら、それまでのことです。


第二に、問題が起きた際、また運営していく際に於いて、対応が不徹底で粗が多過ぎること。年端のいかない者にこのことを追及しても仕方ないことだとは思いますが、枠組みと対外的に威勢よく見せる面だけを肥大化させて柔軟性のない組織を築いたところで、すぐに瓦解し灰燼に帰すことは明白です。現に、今回の騒動でもたった一人に荒らされただけで悉く態勢はダメージを受け、党外アンチを増やし、党内での不信を生みました。如何に組織を運営、維持することが難しいかということが身にしみて分かったことだと思います。騒動直前に、気を許して数多くの入党希望者をホイホイと迎え入れ、警戒を緩くした結果がこれに繋がったと言えます。
ある程度の人員が集まったところで思想的統一を図り、強固かつ靭やかなシステムを確立し、そして先程述べたとおり現実的な目標を見据えて舵を切ることが必要です。このまま自身の理想論を評価し合うだけの集まりを維持するのも、それはそれで悪くないなとは思いますが。


第三に、あらゆる方向に敵を作るだけでは同志からの評価はおろか、大衆からの支持も得られないということ。例えばネトウヨ釣りアカウントもそう。あんな事がしたくてこの委員会を立ち上げたのでしょうか。反応を見て楽しむ、馬鹿だと言って笑う、そんな事もたしかにモチベーションにはなったかもしれません。しかしながら、あれはとんでもない意見の人を揶揄するだけの一種の馴れ合いで、自分たちの目的とは逸脱した行いであることは言うまでもありません。あんな極一部のネトウヨの意見を引き出すだけのことが諜報に繋がっているとも考えづらいです。
また、「古典的共産趣味者」や「ノンポリ共産趣味者」などと呼称して自分たちと差別化を図り、敵対する姿勢も同じです。確かに彼らは、思い入れ型の趣味者にとって目障りな存在かもしれないし、どうして自分たちの趣味へのスタンスに共感出来ないんだと感じるのかもしれないと思います。ただ、それは過剰に反応しヘイトを撒き散らす口実には当てはまらず、むしろ融和路線へと切り替えていくべきであったと言えるでしょう。そもそも共産趣味というアングラにして反社会的だとも思われかねないジャンルに、多種多様な向かい方があるのは当然です。それに対して敵だと排斥するのではなく、幅広く意見を取り入れる材料とし、自省をするきっかけとしてみても悪くないと思います。少なくとも、このまま同じ姿勢で向き合い続けていても自他共に不愉快な思いをするだけで、また本委員会の拡大とイメージアップには良い影響を与えないということは判然としています。


さて、ここまで長々と私の取るに足りない提言をさせて頂きましたが、これが数日間委員会を内部から観察した率直な感想です。陶酔的だ、高圧的だ、全くの詭弁だ、様々な意見があって然るべきだと思います。
正直に申し上げますと、私が本委員会結成当初から快く思っておらず、そして警戒して見ていたのは事実です。痛い奴らが騒ぎを起こそうとしているな、何考えてるんだこいつらは、と思って参加させて頂いたのが実態です。あわよくば一網打尽にして吊し上げてやろうか、なんて画策していたということが内実です。これが何を意味するかは、聡い貴方たちなら容易に想像がつくでしょう。
しかし、表面的とはいえ交流を踏んだことで決して悪者でも、悪意があってやっているのでもないということはよく承知しました。純粋に自分たちのコミュニティを穢され愚弄されるのは堪えきれないという思いがあり、またそれを昇華させて仲間と楽しく過ごしたいという望みがあり、この欺瞞と悪意に満ちた社会を覆したいという気持ちがあったのでしょう。それを否定するつもりは毛頭ないし、共感出来る部分さえもあります。
私は貴方たちに趣味や考え方について、重ねて深く考えてもらえたら嬉しいなと思っています。その上でより健全に自身の趣味の活動へと向き合うことが出来るならば、私としてはこの上ない幸いです。


一介のしょうもないオタクの長文に、ここまで付き合って頂いてありがとうございました。