近鉄や大リーグのドジャースなどで活躍した野茂英雄さん(51)が3日、中日の北谷キャンプで代名詞のフォークを藤嶋健人(21)と木下雄介(26)の両投手に指導した。最初に教わったのは藤嶋。ブルペンでの投球練習中、投げていた後ろで見守っていた与田監督が、捕手の後ろで見ていた野茂さんに指導を依頼すると、野茂さんから握り方などを教わって、フォークを投げ込んだ。
藤嶋は「フォークの握りを見せて、ちょっと直してもらった。縫い目にかけるとき、今までは人さし指に意識を置き、親指はボールの真ん中に置いていたけど、中指に意識して、親指はボールの外側に添えるような握りを教わったら、ちょっと逃げて落ちるような軌道になった」と説明。思うような軌道で行った時には、野茂さんもそばで笑顔を見せながらうなずいていた。抑え候補としても期待される藤嶋は「選択肢が広がると思う」と、これまで投げていたフォークに加える考えを示した。
木下雄は阿波野投手コーチに連れられて野茂さんのところへ行き、自分から聞きにいった。プロ4年目で1軍経験は少ないが、150キロを超えるスピードがあり、初の1軍キャンプに抜てきされた期待の右腕は、「野茂さんに教えてもらったのは、自分が投げるものよりも、より広く挟んで指を広げる。独立リーグの時から広げて投げようとしたが、なかなか制御できなかたった。教わったように投げたら意外と捕れる範囲で収まった。練習していったらモノにできるのではと思う」と目を輝かせた。