聞き手・真野啓太
拡大する紅白歌合戦に登場した「AI美空ひばり」=2019年12月31日、林敏行撮影
30年前に亡くなった国民的歌手、美空ひばりさんを人工知能(AI)で現代によみがえらせた「AI美空ひばり」が物議を醸している。NHKの番組企画でうまれ、紅白歌合戦にも歌手として出場した。それから1カ月がたつが、シンガー・ソングライターの山下達郎さんはラジオで「冒瀆(ぼうとく)です」と言及するなど、感情的な言葉で非難する人もいる一方で、感動したとの声も少なくなかった。私たちの心を揺さぶるのは何なのか。元AI学会長で、亡くなった作家の「新作」をAIで生み出す研究に携わってきた松原仁(ひとし)・公立はこだて未来大教授に聞いた。
――NHKが番組の企画で美空ひばりさんをCGとデジタル音声でよみがえらせた「AI美空ひばり」に賛否の声があがっています。率直にどう受け止めていますか。
AI業界でも話題になっています。実は今、AIを使って手塚治虫の「新作」を生み出すプロジェクトに携わっています。似たような反発が出るのではないかと、恐々としています。
新しい技術が出てきたときに拒絶感があるのは当然なので、人の命に関わらない分野で議論できるのは、いいことだと思っています。今回のAI美空ひばりの歌だって、気持ち悪ければ聞かなければいいだけですから。
――松原さんはかつて、SF短編で知られる星新一さんの「新作」をAIで作る研究をされていました。ひばりさんの息子の許可を得て進めたAI美空ひばりと同様、星さんの遺族の了解を得て進められたと聞きましたが、当時はこのようなネガティブな反応はあったのでしょうか。
ありませんでした。海外ではほ…
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