「100年前の日本」が今と驚くほど似ている事情

現代日本の問題を大正時代から考察してみた

現在社会が抱える問題は、実は100年前にも議論されていた(写真:ABC/PIXTA)

メリハリのない仕事ぶり、教師や役人の長時間労働、政治家の質低下、教師の体罰、新聞への批判、なりすまし詐欺、若者の読書離れ──。いずれもここ数年メディアで取り上げられている社会問題だが、大正期、すでに指摘され、朝野を挙げて議論されていたものもある。100年前の視座から何が見えてくるのか。『100年前から見た21世紀の日本: 大正人からのメッセージ』を書いたライターの大倉幸宏氏に聞いた。

大正と平成の「類似性」

──その類似性に驚きますが、どうやって気づいたのですか。

もともと昔の新聞なんかを読むのが好きで、よくいわれる「昔はよかった」と事実とのギャップを感じていました。戦前のマナー、モラルをテーマにした本を書く際、最初は分野を定めずに幅広く資料を集めたところ、現在と同じような議論があるとわかりました。

例えば、1915(大正4)年に東京の小学校で教員が3年生の児童に体罰を振るい負傷させました。親が告訴し裁判で争われましたが、並行して、現場の教師、元文部官僚から歌人の与謝野晶子まで、さまざまな人が体罰肯定、否定の意見を述べるといった具合です。

──なぜ大正期なのでしょう。

大震災の発生やバブル景気後の長期不況など個々の事象が似ているというより、歴史の流れに類似性があると思います。幕末維新の「混乱期」、明治の「発展期」を過ごして大正は「安定期」。昭和以降は、太平洋戦争と戦後しばらくが混乱期、高度成長が発展期で、平成が安定期です。

混乱期、発展期は社会的な大目標があるので、ささいな事象は問題視されない。が、安定期になるとそうした事象が気になってきて、改善への動きが起きる。同時に、混乱期、発展期を経験した世代は安定期を享受する世代にふがいなさなどを覚えます。

──「今どきの若い者は」(笑)。いつの時代も同じですね。

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  • 名無しdc17334f3540
    歴史は繰り返します。

    そのうち100年前のことが、
    1000年前になったりして。

    up2
    down4
    2020/2/2 18:23
  • M&K5d103f2167b8
    まぁ、僭越ですが、まぁ、過去も現在も似たような部分はありますよ(笑)
    安倍政権になって、道徳教育を復活させましたが、まぁ、どうですかね(笑)
    大半は、原始の本能として、働き、子供はいなくとも、結婚すると思いますね(笑)
    しかし、安倍さんとか、和魂洋才とかの意味分かってるんですかね(笑)
    日本固有の精神と欧米の知識、学問ですが、日本固有の精神って、神道とか儒教だとしたら、清明心だから、安倍さんとかまずもって、駄目でしょうね(笑)
    清明心の精神と欧米のインターネットを結びつければ、不正での無駄な税や人件費などの公費も浮き、欧米以上の削減が見込めると思いますがね(笑)
    多分、安倍さんの頭脳じゃ、内税から、本体価格や、税の値をだすことすら、できないんじゃないかとか思いますよ(笑)
    その程度の頭脳で、憲法改正とか、片腹が痛いよ(笑)
    up10
    down48
    2020/2/2 16:56
  • Noname13bf7da736bf4
    こんなに頭おかしい奴だらけなのも昔から同じでしょうか?
    我慢弱い人が増えすぎだと思います。許容範囲の狭すぎる人、すぐにキレる人、目先のことばかりとらわれる人…
    こんなのは昔は少なかったと思います。せいぜい頑固親父くらいで、頑固親父すらそれなりの人間性というか人情味はあったはずです。それが、今や若い男でも頑固なのが多いし、頑固でなくても、言葉遣いもマナーもモラルも悪い子連れおばさんなど、とにかく、現代は常識や人間性を疑いたくなるような人のオンパレードで、若い男はちょっとのことで相手にキレるとか我慢ならない子供のようなのが多いし、子連れおばさんは上記に加え、しとやかさがない人が多い。それぞれ、自分の立場や年齢相応の振る舞いをすべきだし、そういうのを仕方なく黙って見てはいるけど、関わりたくはなく、随分子供っぽい国に成り下がってしまったんだなぁと思います。
    up9
    down49
    2020/2/2 17:24
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