前代未聞4人フライング失格 なぜ? 憤る選手も「こんなのレースになってねえよ」
「陸上・日本室内選手権」(1日、大阪城ホール)
男子60メートル障害決勝で前代未聞の大珍事が起こった。1回目のスタートで5レーンの泉谷駿介(順大)、6レーンの金井大旺(ミズノ)、7レーンの和戸達哉(麗沢瑞浪AC)がフライングにより失格。どよめきが収まらない中、直後の2回目のスタートでも4レーンの野本周成(愛媛陸協)がフライング失格となり、合計4人が失格に。3レーンから8レーンの間がポッカリと空いたまま、3回目のスタートでようやく成立し、石川周平(富士通)が7秒69で制したが、後味の悪いレースとなった。
今大会は不正スタート判定装置が使われており、スターティングブロックに掛かる圧力の変化によって判断される。審判団によると、最初の3人のリアクションタイムは1人が0秒087、残り2人は0秒099。0秒100未満は不正とみなされるため、フライングと判定された。レース後、失格となった選手の陣営が抗議をおこなったが、認められず。審判員は「隣の選手が動いたのにつられて出たという主張もあったが、これは日本のトップの大会。誘発は認められない。また、静止してなかったという主張もあったが、スターターもリコーラーも静止を確認している」と、話した。
日本陸連の山崎一彦強化委員ディレクターは「3人(同時失格)は記憶にない」と、話した。昨年の世界選手権で高山峻野(ゼンリン)が決勝まであと一歩に迫るセミファイナリストとなり、ハードル界に大きな波がきている中、各選手今大会で得られる世界ランキングポイント獲得に向け、気合十分で臨んでいた。特に金井や泉谷は東京五輪に向けて、優勝者に与えられる100ポイントが欲しいところだっただけに、痛恨の事態となった。
0秒1以内でフライングというのは、ピストルの音を聞いて、筋肉が反応するまでには0秒1掛かるという医学的根拠から成り立っている。ただ、昨年の日本選手権男子110メートルでも金井が0秒099でフライング失格となっている。スタート技術が進化する中でこの医学的根拠を超えてくる選手が今後出てくる可能性がある。
レースから1時間半後に表彰式が行われた。優勝した石川は「複雑ですね。勝負しにきていたので、冷めてしまった部分はある」と話し、走りきったある選手も、レース後「こんなのレースになってねえよ」と吐き捨てていた。
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