リングフィットアドベンチャーの効果をプロトレーナーが徹底レビュー
Contents [hide]
宮崎 隆一
はじめに
リングフィットアドベンチャーは任天堂がNintendo SWITCHで発売したフィットネスRPG?です。専用のリングを使ってスクワット等をしながら冒険を進めていきます。
この手の「手軽にフィットネス」という商品のほとんどは大した効果も無いものばかりです。
しかし結論から言うと、このリングフィットアドベンチャーは超おすすめです!
- 運動不足を解消したい
- ダイエットをしたい
- 少し筋肉を付けたい
という目的が達成できる商品です。これまで運動が続かなかった人でも楽しく遊べるでしょうし、効果の出ない健康器具を買うくらいなら効果の期待できるこれを買うべきです。
本当に珍しくいい商品なのではないでしょうか。私自身もヒイヒイ言いながら汗だくになってプレイしました。
先日、Youtube LIVEの生放送で視聴者からの質問などに答えながらプレイしました。
- シナリオモード
- ミニゲーム
- 目的別トレーニング
- チャレンジ
など、色々なモードを一通りプレイしてみました。
リングフィットアドベンチャーはどうやって遊ぶのか
移動は足踏みか屈伸
脚についているセンサーを使い、その場で走ることで移動することができます。しかし、これではマンションなどでは下への音が響くため難しい為、代わりの方法として、屈伸運動があります。
浅いスクワットを何度もやるのですが、結構なペースで行うのでかなり疲れます。有酸素運動として非常に効果が高いように思いました。筋トレをしていない人であれば、太ももやお尻が筋肉痛になるくらいは屈伸します。
操作や要所要所ではリングの押し込み
基本的な決定などはリングを押し込むことでボタン代わりにしています。
また、ステージでのオブジェを壊したりドアを開けるための動作も押し込みによる空気砲で行います。ステージ上は色んなものを打つことでコインが手に入るので、常に細かい屈伸とリングの押し込みをしながら進んで行く感じです。
リングの押し込みは肩の三角筋前部や胸の大胸筋を使います。上半身のトレーニングですね。
戦闘はスクワットやニートゥチェストなど
戦闘は様々な運動を行うことで敵にダメージを与えクリアしていきます。最初は4種類だったのですが、40種類あるとなっていたので後々増えるのでしょうか?いずれにしても別のモードでは様々な運動が収録されていました。
特定の部位に偏り過ぎず、下半身や腹筋や肩など、ローテーションさせながら鍛えられます。
結果も出ます
このように、毎回のステージごとに運動時間や消費カロリーが表示されます。純粋な運動時間として30分やろうとか、200キロカロリーは消費しようとかの目標が立てられますね。
もちろん、1日のまとめも表示されます。こうやって数値化されて管理できるとモチベーションの維持にも役立ちますね。
運動不足でも大丈夫です
でもつらいんでしょ?という意見も出そうですが、リングフィットアドベンチャーはこのように、どのくらいの運動を希望しているかを聞いてくれて、それに合わせて調整されます。
- 性別
- 体重
- 年齢
等の情報も入れますね。また、実際に日々取り組みながら調整もしてくれるようです。私なんかはシナリオモードでは心拍数が100前後までだったので、軽い運動という風に表示されてしまいました。まだ余裕あると思われていますね。
最初は「ガチンコ」モードにしたら、戦闘でのスクワットが30回でした。これは自重でもかなりきついです(後述しますが下で止めなきゃいけないので)
その後、「そこそこ」モードにしたら戦闘でのスクワットが12回まで減りました。1回の時間も短くなったはずです。これでも楽楽というほどではなく、少しきついと感じるくらいの運動でした。
リングフィットアドベンチャーのトレーニングの効果はどうなの?
トレーナー目線でリングフィットアドベンチャーを分析しました。実際にどのような点が効果的なのかを解説いたします。
運動強度は十分効果的なレベル
トレーニングはある程度きついくらいでないと効果が出ません。楽々という方法で効果的な方法はないんですよね。一昔前に流行った加圧トレーニングだって、時間が短くて楽そう、女性向きとかのイメージはありましたが、ちゃんとやるとかなりきついトレーニングです。
リングフィットアドベンチャーの場合、リングでしか負荷を掛けられないという制限があるのですが、逆に自重でも負荷を掛けやすい下半身はかなりきつく行うことができます。
スクワットのキープがきつい
例えばこのスクワットなんかは、フルスクワットに近い位置まで下げることを要求されます。
普段、スクワットやってますという人の多くはもっと浅いスクワットで、ここまでしっかりやるスクワットは、トレーナーが教えないとなかなかやらないものです。それだけキツイということでもあります。
そしてこの「キープ」というのがきついモードだと5秒くらい止めさせられます。スクワットの一番下で5秒止めるというのは、トレーニングをやっている人ならひっくり返ってしまうくらい辛いトレーニングです。
下でキープする効果
- 筋肉の緊張時間を長くすることで代謝物を貯め筋肉の発達を促す効果
- ターゲットの筋肉を効かせやすくする効果
- 低負荷で怪我をしにくい
キープすることで上記の2つの効果が主に得られます。
5秒下で止めるスクワットを30回もやらされるので、概ね二分半くらいはスクワットするでしょうか。これは通常の筋トレからすると長すぎるくらいです。
通常、筋トレで使うような「解糖系」というエネルギー産生システムは1分以内くらいのエネルギーを作り出します。400メートル走など、短い時間で強い力を出せるエネルギーシステムです。
筋トレも重い重さを扱うのが重要なので1分以内くらいで終了するのが普通です。MAXの80%の重量で8回とかですね。しかし当然ながらそんな負荷はリングフィットアドベンチャーでは用意できないので、別の方法で負荷を上げています。
それがこの2分以上もネチネチとスクワットさせる方法なんですね。通常はMAXの65%以上の重さがかからないと発達しないと言われているのですが、近年では軽い負荷でも限界まで反復することで高重量並みの筋発達が見られることが分かってきました。
しかし、通常はこの方法ではメンタル的な辛さからか、途中でやめてしまうのが普通ですが、これは「もっと深く!」「キープ!」「あと何回!」とひたすら煽って応援してくれます。
ゲームである点と、ネチネチ持久系のトレーニングというのが相性良さそうです。自重などの軽い負荷の場合、このようにネチネチ反復させたりキープさせたりしないと筋肉への刺激は不十分です。
キープはターゲットの筋肉を効かせやすくする
多分このゲームを買ってやっている人はそれほど運動が得意では無かったり、もちろんジムでトレーニングをしている、トレーナーに教えて貰ったことがあるという人は少ないと思われます。
その時に一番心配になるのが、フォームが正しいのか、ちゃんと効かせられているのかという点ですよね。
「キープ」というテクニックは古くからボディビル等でも使われているもので、「対象の筋肉で負荷を捉える」というような作用があります。素早く動かすと、得意な部分を使ったり、反動を使ったり、フォームを崩したりということに繋がるんですよね。
最初の段階でまずキープによって対象の筋肉で負荷を捉える感覚を身に付けさせるというのは理にかなっていると思いました。全体的に動きがゆっくりなのも効かせやすいです。
しかし、筋肉を増やすという点においては、本来は爆発的な挙上というのが多くのモーターユニットを使うということから勧められるので、あくまでも初心者が確実に効かせられるようにするという目的の為の方法と言えます。ダメというわけでもなく、そもそもリングフィットアドベンチャーで健康の為に運動をしたいという人向けの負荷としては最適ともいえるでしょう。
低負荷で怪我をしにくい
前述の通り、「重さが軽め」「動きがゆっくり」という2点は怪我の防止にも役立ちます。
まずフォームが崩れにくいことで余計な負荷がかかりにくくなっています。また、単純にかかっている重さ自体は軽いので、関節や筋肉への負荷も軽くなります。その分、反復回数が多かったり、キープを入れることで緊張時間は長いのですが、ケガに関して言えば普通の筋トレやランニングと比べてもはるかに少なくなりそうです。
全身鍛えるのは少し難しいかも……
じゃあこれ1つで全身まんべんなく鍛えられるね!と思いたいところですが、リングと言う形態の為、得意な部位と苦手な部位が出てしまいそうです。
リングフィットアドベンチャーで鍛えやすい部位
- 脚
- お尻
- 肩
- 腹筋
この4つはかなり鍛えられると思います。脚なんかはそもそもスクワット系だと自重でも体重がかなりかかるのできついんですよね。フォームをしっかりやれば尚更です。お尻も同様ですね。
肩はリングを押し込んだり引っ張ったりする種目が胸や背中に分類されていますが、かなり肩に効きやすいフォームになっています。胸に関しては効かせることもできなくはないのですがちょっと難しいかなという印象です。トレーナー付けば効かせられるようになるかもしれません。
腹筋は別に自重で多くの回数やっても結構発達します。リングでお腹に押し込む種目がありますが、そこまで無理してリング使わなくてもいいかなとは思います。
リングフィットアドベンチャーで鍛えにくい部位
- 胸
- 背中
- 下背部
- 腕
この辺りの部位は効かせにくいですね。胸や背中に関しては、肩に効きやすいのと、胸や背中の大きな筋肉に十分な負荷をかけるには難しいのかもしれません。
下背部の種目はアイソメトリクスに負荷をかけるものがありましたが、あまり効かなさそうです。床で普通にバックエクステンションなどをやった方がいいと思います。
腕は押し込むときに少し使いますが、あまりメインで使うような場面はありませんでした。上手くリングを使うトレーニングがあればいいのですが。
リングフィットアドベンチャーのデメリット
めちゃくちゃおすすめのリングフィットアドベンチャーですが、欠点はいくつかあります
- 鍛えられる部位が限られる
- 本格的なボディメイクには向かない
- 怪我のリスク
1に関しては先ほど書いた通りです。
2に関して、どこまでの体づくりが可能かというのが難しいところです。あまりスポーツ選手のような体まではいかないでしょう。健康的で、少し引き締まった体になるというくらいで、これをやる事で普通体型の人がスポーツマン体型になるというイメージだと難しいかなと思います。
3の怪我のリスクはあります。特に膝や腰が気になります。よく設計されているのですが、それでも最初から膝に爆弾を抱えている人で、トレーニングのフォームも悪かったりしたら、膝を痛めてしまうことは十分考えられるくらいにはキツイゲームです。
例えばスクワットの際に腿の裏が固くて股関節が曲がりにくく、膝が前に出過ぎてしまうなど、そういうケースは防ぎようがありません。怪我のリスクは一定あると思われます。
リングフィットアドベンチャーまとめ
リングフィットアドベンチャーは非常によくできたゲームです。
続けられるかどうかは本人次第というところもありますが、自分でやるよりは続けられるという人は多そうです。
最初にも書きましたが、少し辛いくらいの負荷でないと効果はありません。結構辛いというクチコミも見ましたが、辛いからこそ体の為になると思って頑張ってみてください。
日々の積み重ねが健康的な身体を作ってくれるでしょう。
もしリングフィットアドベンチャーで物足りないという人が居れば、弊社のパーソナルトレーニングジム「ミヤザキジム」(渋谷、新宿、池袋、武蔵小杉)までお越しください。リングフィットアドベンチャーは教えませんが、正しいスクワットやダイエット方法などをお教えいたします。
この記事へのコメントはありません。