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(ラジオ・ポン太)「話題の曲『さいなら』。歌うのは この人」。
(雄太郎)どうも こんばんは。信楽太郎です。
それは かつての荒木荘の住人雄太郎さんでした。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~(ラジオ「さいなら」)
(ラジオ・信楽太郎)♪「誰もおらん部屋窓の外は ネオンと笑い声」
♪「一人ぼっちは ほんま僕だけや柄にもなく呟く」
♪「君の温もりが 心に残ったまま」
♪「ああ今頃 君は遠い街で何をしてるんやろ」
♪「戻られへんから」
♪「笑った顔だけ忘れんように記憶のノートに描いとくわ」
♪「泣いて泣いて」
♪「切なくて泣いて初めて口づけした夜思い出 さいなら」
♪~(間奏)
♪「これでよかったと言い聞かせたら今日で最後にしよう」
♪「何もなくても ほんま楽しかった言葉はいらんかった」
♪「二人で 夜更けごと 語り合った夢も」
♪「他愛のない仕草さえアホらしいほど 好きやったな」
♪「戻られへんから」
♪「笑った顔だけ忘れんように記憶のノートに描いとくわ」
♪「泣いて泣いて」
♪「切なくて泣いて心はまだ君のカケラばっかりや しゃあないな」
♪「それでもさいなら」
(喜美子)武志 ちゃんとみんなの後 ついていかんかったらな迷子になるからな? この子まだ遊園地 行ったことないんです。
(栄子)おもろいで。 別世界やでえ。
一緒に乗り物 乗ろな?(武志)おう。
(まみ子)ほな 行くで。
(子どもたち)は~い!
(ちや子)元気に行っといで。気ぃ付けてな。
すんません お世話になります。ありがとうございます。
いっぱい遊んどいで。行ってらっしゃ~い。
お茶漬け作りましょか。気絶するかも… うれしいほんまに?はい。(笑い声)
う~ん!
おいしかった~ ごちそうさまでした。
ゆうべ 遅かったんですね。
うち 先 寝てしもて すいませんでした。ううん! ありがとう。
はあ…。今も どこかの出版社でやってはるんですか?
ううん どこにも所属してへん。フリーランスいうねん 一人でやってる。
一人で… お一人なんですか?うん?
その… ちや子さん…。
あっ! そういう あれか。うん 一人や。
仕事してたらそういう あれは なかなかないわあ。
誰も?その… 好きになったりいうのんは…。
ああ あるでえ そら あるでえ。
あるけどな…うち いっつもズボンやん?
スカートはいたら こう…取材対象に いざという時にわあっと立ち向こていかれへん。
色恋は スカートみたいなもんやうちにとって。
分かります。 うちもいっつもズボンなんで 分かります。
ほんま?はい。(笑い声)
ゆうべ ラジオ聴きました。
びっくりしたやろ。びっくりしましたあ。
知らんかった?知りませんでした。
映画俳優から歌い手に変わったいうとこまでは聞いてましたけど。
1年くらい前かな荒木荘の取り壊しが決まった頃になこれまでとは打って変わった曲を書いてん。
ええ曲でした。
誰でも一生に一度はすばらしい曲 書くいうやん 奇跡の曲や。
荒木荘に 猫おったん覚えてる?ああ あの三毛猫。
あの猫な 死んでしもてん。えっ。
雄太郎さんが 一番かわいがっててん…。あ~。
それで出来た曲や。心にしみました。
ほんま?はい。
(雄太郎)ほんま?
喜美ちゃ~ん!雄太郎さん!
あっ 信楽太郎さん!♪「喜美ちゃ~ん」
やめぇ やめぇ やめぇ やめぇせんでええ せんでええ。
(大久保)久しぶりやな。
大久保さん…!
ご無沙汰してます!びっくりさしたろ思て。
ハハハッ もう 丸見えでした!
ちや子さんから 来てるさかいいうて聞いたから。
何 持ってきてくれはったんです?何も持ってへんで。
何!フフフッ。これ…。
漬物やあ!
(大久保)おおきに。頂きます。
はい どうぞ。頂きます。
はあ~。(大久保)うん。
うん。
皆さん そんなに変わってはりませんね。
そうか?いくつなりました? 大久保さん。
知らん。ハハッ。えっ 荒木荘おった頃 60…?
60過ぎたら70も 80も 90も 120も一緒やん。
ハハッ。ほな 120歳で。
ハハハハッ。 よっしゃ 大久保 120歳や。(笑い声)
まあ 僕も ええ年なったわあ。ようやっと 約束果たせるわ。
ん?喜美ちゃんのお父さんにオート三輪 山のように買うたる言うてた。
ほんまや! 妹にテレビジョンも。売れたら買うたる 言うた。
そや! ほな お願いしますぅ。
はい。えっ…。
うん。 いやオート三輪 山ほどには足らんけどテレビジョンの足しくらいには。
ええっ お金やん!
こんなん もらえません こんなん!
おかしいやん!いや おかしないわ。
半年 家賃ためたことあったやん。
え…。追い出されてもしゃあないのに内職のお金で助けてくれて…おいしいごはんも作ってくれて…。
ほんでも あれは…。
利息 払てへん。
もろときなはれ。 雄太郎の恩返しや。
名付け親や。信楽太郎になって恩返しや。
いや… ほやけど こんなん もらえませんこんなん。
ええから ええから。ちゃっちゃと しもうときなはれ。
ああ もろとき もろとき。 はい。あ~ 気持ちええわ。
やっと 人様にお金渡せる身分になった。ハハハ…。
うちも お金貸してたよな 確か100万ほど。借りてない 借りてない。
フフフフ…。ええんですか? ほんまに…。
ええネタにすんのやろ。ああ。 ラジオで話さしてもらうで。フフッ 下積み時代のお涙頂戴話や。受け取ってくれんとネタにできへんがな頼んます。
ありがとうございます。
そや 喜美ちゃん 久々に あれ頼むわ。
あれ…?あれ。あっ。 ああ。
あれや。ほな 皆さん…。
大久保さん 初参加や。ハハハハッ。
雄太郎さんが… あっ 信楽太郎さんがもっと売れますように!
(3人)もっと売れますように!
草間流柔道…。(一同)とやあ~!
(笑い声)(雄太郎)よしっ!
(大久保)「働く母親たちが立ち上がる!」。
署名運動されてるんです。何や よう分かれへんけど頑張ったはるいうのは よう分かる。あんたもな。
陶芸いうの? やってんねやろ?はい。
女性陶芸家 川原喜美子やな。
いや まだ そんなんや…。
まだ そんなんやないねやったらそんなんになるまで 気張んなはれ。
言うたらなんやけどな家の中の仕事ができる女は 何でもできる。
家の仕事いうのは生きるための基本やさかいな。
はい。
(ドアが開く音)あっ 来はった。
喫茶 さえずりのマスターです。
荒木荘の辺りは 大きなビルに変わり喫茶 さえずりも 今はありません。
(マスター)やっと売れたなあ。アハハッ おめでとう!
あ~ よかった よかった~。 アハハ~ッ。
あ~! 喜美ちゃん!はい。
老けたなあ。もう みそじも過ぎましたから。
おばばやん。いや~ ひどい!
(笑い声)失礼やわ マスター。 はい 元マスター。
おおきに。ご無沙汰してます マスター。
いつものやってえ。ええっ。いつもの あれやってえ。
(雄太郎)来て早々に?(マスター)やってえ…!
(雄太郎)え~ ちや子さん ごめん。
♪~
・(武志)ただいま!
(マツ)あ…!ただいま~。
お帰り。ただいま。
ただいま。お帰り。
♪~
ただいま…。
♪~
「ちや子さんどうなるか分からん道を歩きだすのはえらい勇気がいりました。勇気を出したあの時の自分に見せてやりたいです。ええ色が出ました」。
うちは陶芸家になります。な~んちゃって。