Photo by iStock

【必見】今年の4月と7月に「相続のルール」が激変するのをご存知ですか

今のうちに確認しておくべき52項目

新制度に飛びついて失敗

「『遺言書は無効だ!自分にも財産を渡せ』と、弟から言われたショックは忘れられません。

父は、詳細な遺言書を書いていました。にもかかわらず、'19年夏にいざ父が亡くなった後、せっかく書いてくれた遺言書が、『争続』の原因となってしまいました」

こう語るのは、都内在住の土井力さん(仮名・51歳)だ。相続財産は、1200万円の自宅と、預貯金400万円だった。長男の力さんが実家を継ぐ予定だったが、家は2つに分けられない以上、次男と財産を平等に分けることはできない。

だからこそ、次男が文句を言えないよう、遺言書を用意することが重要だった。父親は『長男に自宅を、預貯金は次男に相続させる』という遺言書を書いていた。だが、詰めが甘かった。

「父が遺言書を書いたのは'18年の12月でした。相続法改正で、パソコンで作成した財産目録も認められるようになることも父は知っており、さっそく実践していました」

Photo by iStock

相続のルール変更に敏感に反応した土井さんの父親だったが、実はこれがトラブルの原因となった。税理士の山本和義氏が解説する。

「この制度の開始は、'19年1月13日からでした。それ以前に作成された遺言書にパソコンで作成した財産目録をつけても、それは無効になってしまう。制度開始のタイミングを理解せず、同様の失敗で相談に来る人が、続出しています」

 

土井さんの弟は遺言書の無効を訴え、裁判所で争うと言ってきた。

「結局、和解金として300万円を弟に渡しましたが、関係はもはや修復不可能です」(土井さん)