キャラクター&ストーリー
SPB01 ストーリー
ファースト・リユニオン
突然の轟音―
―同時に、人々の悲鳴がこだまする。 そこは休日の繁華街。さきほどまでは人々の明るい声が響き渡っていた。 が、景色は一変。建物は崩れ去り、次々と爆発と火の手が上がる。
「逃げてください!!! 逃げて!!!」
たまたま居合わせた玉姫は、なりふり構わず叫んだ。 (こんな時に使者が襲来してくるなんて……) 最悪の状況だった。今、彼女のそばに合体できる盟約者はいない。 おまけに今は機密品の輸送任務中。 研究施設からALCA本部へと運ぶ途中だった。 玉姫は険しい顔でケースをギュッと抱きしめるように抱えた。 (これを何としても守らなきゃ……) その時、玉姫の耳に子どもの泣き声が聞こえた。 ハッとして見ると、逃げ遅れた男の子が母親とはぐれて泣いていた。
「もう大丈夫よ。怖かったね」
玉姫は優しく男の子を撫でると、一緒に逃げようと手を引いた。
「!」
2人に巨大な黒影が落ちる。 使者だ。 玉姫は固唾を呑んで、顔を上げた。 玉姫たちを見下ろしていたのは、全身が毛で覆われた巨人。 血走った一つ目でギロリと玉姫を睨みつけながら、気味の悪い唸り声を上げていた。 「お姉ちゃんにしっかりつかまって!」 玉姫が叫ぶと同時に、巨人は拳を振り下ろしてきた。 玉姫は右腕に男の子を抱え、左手にはしっかりとケースを握り締め、 拳を避けて飛びのいた。 衝撃音とともに巻き上がる砂埃。
『!?』
巨人は玉姫たちを見失いキョロキョロと辺りを見回す。 その頃、玉姫たちは瓦礫の陰に隠れていた。 今にも泣き出しそうな男の子の口を押え、玉姫は息を殺している。 今は巨人が探すのを諦めて去っていくのを待つしかない。 その時、携えていたケースから淡い光が漏れてきた。 中身は、試作テスト中の機密品 ――とだけ聞いていた。 (一体なんなの……?) 玉姫が戸惑っていると、突然声が聞こえた。
『わらわを呼ぶのじゃ、玉姫!!』
懐かしい声だ。幼さを残しつつも、凛とした張りのある声―― まさかと、衝動的にケースを開ける。そこにあったのは1枚のカード。 (ゲートカード?) 確かめようと、玉姫がカードに触れた次の瞬間、カードから眩い光が一気に放たれた。 そして、空中に現れた小さなゲート。 そこから現れたのは、かつて盟約者・竜媛皇珠 小玲だった。
「小玲!」
思わず声を上げる玉姫。
『久しいのう玉姫』
小玲も微笑んだ。 玉姫は今起こっていることが信じられず目頭が熱くなる。 もう会えない。もう二度と話すこともないと思っていた小玲が目の前にいるのだ。
「一体どうして――」
そう言いかけたその時、ズシーンと大きな地響きが聞こえた。 巨人が気づいて近づいてきているのだ。
「ごめん小玲! もっと色々話したいけど今は――」 『わかっておる。わらわも世間話をしに戻って来たわけではない。 聞こえたのじゃ。助けを求める玉姫の声が――』
小玲はすっと右手を差し出した。
『――合体じゃろ?』
玉姫は力強く頷き、小玲の小さな手に掌を重ねた。 2人は眩い光に包まれ、再び1つになった。 雅な竜族のドレスに身を包まれた玉姫。頭には角が生え、龍玉が周囲を飛び回る。 前に立ちはだかり異様な雰囲気を醸し出す玉姫に、巨人は一瞬怯んだ表情を見せる。 (巨人も感じているのね……私もビックリだもの。小玲、前と全然違う……) 玉姫は全身に漲る力を感じていた。 小玲も驚く玉姫の心を感じてた。
『わらわの力はどうじゃ? わらわは向こうの世界で遊んで暮らしていたわけではないぞ』 「小玲……強くなったね」
玉姫は微笑んで、杖を両手で握り締めた。
「『ロジックドライブ! 怒竜雷撃陣!』」
叫ぶと同時に、雷の柱が辺りに降りそそぐ。 以前は自分にも雷が当たりかねない自爆スレスレの危険な技だったが、今は違う。 雷は玉姫を避け、敵を中心に落ち続けた。
『ギャアアアアアアッ!!』
その凄まじい攻撃力を前に巨人はなすすべなく敗れ去った。 だが、戦いは終わったわけではない。 玉姫がすぐさま本部にいるオルガに状況を確認すると、 使者たちは同時多発的に現れ、街のあちこちで混乱が続いているようだ。
「すぐに皆を助けなきゃ……」 『そうじゃな。他にもそのカードを必要とする者がおるじゃろ……』
男の子の手を引いて現場を去りながら玉姫は、 新たなる可能性を秘めたゲートカードを手に取って見つめた。
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