
日本初のオリンピック予選が行われた羽田。今は空港となっているこの地はさまざまな変遷をたどってきた場所でもあります。
江戸時代、湿地帯だったこの土地を改良する際、堤防に穴があかないようにと稲荷(いなり)を祭りました。金栗も走った穴守(あなもり)神社は、明治の中頃に大いに人気を博し、多くの参拝客が訪れるようになったそうです。
1909年、京浜電気鉄道が行楽地としての開発を進め、野球場やテニスコート、遊園地などが建設されていきます。
大田区郷土博物館 学芸員・築地貴久さん
海べりですので海水浴場ができました。また、遠浅で水が引いてしまうと海にならなくなるので、中にプールを作ったりしました。
嘉納治五郎たちは、人気の場所を予選会場にすれば注目を浴びると考えたのです。
日本のいだてんを世界へ送る予選を行った羽田は、今も日本と世界をつなぐ玄関口です。
演出 山崎エマ/西口友人プロデュース 橋本佳子