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【社会】

中国人ビザ拒否訴訟 「集会の自由」国の裁量拘束せず

 日本の外務省にビザの発給を拒否され、二〇一五年に東京都内であった安全保障関連法の反対集会に参加できなかった中国人の戦争被害者遺族らが、「集会の自由を侵害するなどしており違法だ」と国に六百六十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は三十日、請求を退けた。原告側は控訴する方針。

 反対集会は「戦争法の廃止を求め 侵略と植民地支配の歴史を直視し アジアに平和をつくる集い」と題し、一五年十一月に開催された。原告の中国人男性三人は集会で発言する予定だったが、ビザが発給されなかったため来日できなかった。

 訴訟で原告側は「国は集会での政治的意見を問題視してビザ発給を拒んだ。集会の自由や表現の自由を侵害し、被害者遺族らとの交流の機会を奪った」と主張していた。

 前沢達朗裁判長は判決理由で「ビザ発給の可否判断は、国の自由な裁量に委ねられている。(発給拒否は)裁量権の逸脱とはいい難い」と述べた。「原告らの表現や集会の自由が制約されたことは明らか」とも言及したが、「表現や集会の自由は、国の裁量を拘束するほどに保障されているとはいえない」と判断した。

 

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