富士山登山鉄道構想検討会の第4回理事会(理事長・山東昭子参院議長)が30日、東京・永田町の参院議員会館内で開かれた。景観や環境、技術面などから、山梨側の麓と5合目とを結ぶ有料道路「富士スバルライン」上に、次世代型路面電車(LRT)を敷設するのが最も優位性があるとする骨子の素案が了承された。2月6日に開く総会に諮り、年度内に中間報告をとりまとめる。
中間報告をもとに地元と対話を進め、2020年度は事業費や採算性などについても議論し、20年中に基本構想を示す。
路面電車のLRTは軌道上に車両を走らせることが可能で、緊急時に大型バスを併用して観光客を効率的に避難させることができる。また既存の道路を活用できるため、新たな森林伐採が不要で、現状の改変を最小限に抑えて富士山の文化的価値を維持できるという。
理事からは、素案を支持したうえで、「中間報告に富士山の文化的価値を維持することを明記すべきだ」との意見や「事業の採算性は検討の中にしっかり入れておくべきだ」との意見が出た。また、4~5合目で雨や急激な気温上昇で大量の水を含んだ雪が流れ出す「スラッシュ雪崩」が発生しやすいために必要な防災対策については「鉄道を敷設するしないに関係なく安全対策を講じるべきだ」との指摘があった。