いだてん

IDATEN倶楽部

2019年621

『昭和元禄落語心中』作者、雲田はるこさん編 第2弾

『昭和元禄落語心中』の作者、雲田はるこさんが語る “いだてん愛” 第2弾。今回も、愛にあふれるイラストとコメントをいただきました!

もっと描きたい人がいます。まさに“全員主役”!

「いだてん」回を追うごとに愛が深まり、もはやOP映像だけで泣けます、漫画家の雲田です。落語漫画を描いたご縁で寄稿させていただいてます。愛の深まりは絵のボリュームの肥大化に現れていますネ。これだけ所狭しと描いても、もっと描きたい人がいます。まさに“全員主役”。今回は特に落語パートに力を入れて描かせていただきました。落語ファンとしては第19回「箱根駅伝」にて、森山未來さんの志ん生・馬生・志ん朝演じ分けの名演技。もだえるほど楽しかったです。名優さんは、落語もすぐにこなせる説への思いをまた深めました。名人志ん生の人生も着々と描かれています。こんな鯔背いなせな根なし草が、晩年はちんまり可愛かわいいおじいちゃんになるだなんて、この世の奇跡ですネ。志ん生がお披露目のときに紋付を質に入れてしまうエピソード、私も落語漫画を描くときに参考にさせてもらいました。これから満州にも行くのかな。戦争やだな。孝蔵とおりんの幸せな新婚生活になる暇もなく、大正の関東大震災。被災した浅草の街の描写があまりに迫真で、胸を打たれました。豪華絢爛けんらん、華やかな浅草の街を、あそこまでリアルに美術セットで再現してくれたからこそ、失われる悲しさもひとしお。夢の浅草十二階の実物大を、ドラマの中でも体験できたこと、感謝してもしきれません。いだてん、ありがとうーッ! 金栗四三篇が終わっちゃうだなんて、もう絶対に嫌。悲しい。シャン足のパパ。出てくる人みんな好き。けれど四三さんたちの成し遂げたこと、残したもの、つないだものを感じながら見る昭和のオリンピック噺、今後も深い思い入れいっぱいで見られることでしょう。第二部が始まるし、イッチョ見てみよかな?と見始める方は、今までの分をご覧になってから入ってね。メッチャみると思います。第二部も毎週欠かさず見ます。言いたいことがありすぎて、改行もできなかった雲田より。いだてん、大好き。


雲田はるこ

雲田はるこ
栃木県出身。
2008年、短篇『窓辺の君』(東京漫画社)にてデビュー。
『昭和元禄落語心中』(講談社)が2013年に第17回文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞、2017年第21回手塚治虫文化賞新生賞に選ばれるなど、数々の賞を受賞。二度のアニメ化を経て、2018年にNHKにてテレビドラマ化。

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