第1回「夜明け前」
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最後にテロップで「この物語は史実を基にしたフィクションです」と出ますが、まさに講談のことです。ただただ面白い。大ヒットするでしょう。気に入らないところがひとつだけ。それは講談師の私が、ナレーションではないこと。代わりに語り手として登場する古今亭志ん生師匠を演じるビートたけしさんも森山未來さんもすばらしい。ああ悔しい。
第2回「坊っちゃん」
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東京オリムピック「噺」とあるように、要所要所に出てくる寄席の雰囲気がたまりません。登場人物たちも、まるで落語に出てくるようなキャラクターで。四三も、その家族も、弱さもウソもあるけれど、精いっぱい生きている姿はおかしくもあり、たくましくもある。そして、待ってました! 中村勘九郎さん。主役のまっすぐなオーラ、コメディーセンス、時折かいま見せる狂気、鍛え上げた肉体。これから物語はどんどん面白くなってゆく予感! スッスッハッハッ!
第3回「冒険世界」
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個人的な話で恐縮ですが、私の曽祖父も四三と同時期に佐賀から東京へ進学しました。同郷の曽祖母が後を追って上京し、ふたりは結婚するのですが。四三が乗った汽車を自転車で追いかけるスヤさんが、曽祖母に重なってまぶしかったです。尊敬する活動写真弁士の坂本頼光先生が、活動写真弁士役で出演されているのもまぶしかったです。さて、四三はマラソンと出会い、いよいよ物語はとつけむにゃあ面白くなってゆく予感! T・N・G!
第4回「小便小僧」
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物語が少しずつ、第1回に近づいてきました。今回気になったのは、ただのマッスルバカボンではなさそうな三島天狗こと弥彦のちょっとシリアスな一面。都会で時代の最先端をゆく弥彦と、熊本から出てきたばかりの純朴な四三が、これからどういうふうに関わり合いながらオリンピックを目指すのか。そしていかにも職人というたたずまいの播磨屋さんに、ますます物語は面白くなってゆく予感! あっそ。
第5回「雨ニモマケズ」
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ついに嘉納先生に抱っこばしてもろうた四三(涙)、円喬に弟子入りした孝蔵(待ってました!)、三冠王・弥彦(それを既読スルーする三島家の闇…)、スヤさん嫁入りするってよ(って、えぇー!?)。思わせぶりすぎるアンチ体育会系の美川(全髪クネ男)とデブにゃんこ。高座で寝てしまった志ん生や「円喬の鰍沢」など、演芸界のレジェンドエピソードも惜しみなく盛られながら、ぐっと物語は面白くなってゆく予感! 世界を意識して──?
第6回「お江戸日本橋」
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『慶安太平記』という講談に、東京・芝から京都まで約500キロメートルを5日で行く、という描写があります。私は実際に、朝5時頃から昼すぎまで歩いて移動する旅をしてみたのですが、30キロメートルがやっとで、5日目には膝を壊しました。そこで初めて、1日100キロメートルがいかに常人離れしているかを体感しました。松尾スズキさんは正しい。そうそう、本ドラマもうひとりの主役、阿部サダヲさん(圓生派)も登場しましたね。よい知らせは以上です。もうありません。
第7回「おかしな二人」
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Forty threeとヤヒコ・ミシマ。住む世界の違うふたりが嘉納先生の部屋で相撲をとれるのも、スポーツで、オリンピックで結びついているから。それにしてもお金持ちで家柄もよくスポーツもピアノもキャメラも嗜み、少し天邪鬼だけど憎めないお調子者かつ細やかな気配りもできる母の愛に飢えた生田斗真さんなんて、恋に落ちるなというほうが無理じゃないですか? 中村獅童さんが上京して、来週も物語は面白くなってゆく予感! え、乃木さん!?
第8回「敵は幾万」
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重い…この渡航費は重すぎる…兄の、学友たちの、オーダーメイド足袋と日の丸ユニフォームの重すぎる想いを背負い、スヤさんへの断ち切り難い想いを抱えて、いざ、スト…スト…ストリップ? へ出立! の、前に、美川クネ男が安定のウザさを発揮。小梅太夫も熊本さ。三島家がようやくひとつになった傍らでホームに取り残された嘉納先生の運命はいかに!? 物語はこれからが面白くなってゆく予感! ぎゃん行ってぎゃん!
第9回「さらばシベリア鉄道」
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私も師匠・神田松鯉から「松之丞」という名前をつけていただいたときは、飛び跳ねんばかりにうれしく、芸人として生きていくのだ! と身の引き締まる思いだったのを、昨日のことのように思い出しました。そして、大先輩であり、本作の落語監修を務めておられる古今亭菊之丞師匠と、キャラ全然違うのに名前かぶってるなあ、と思いました。さて、四三と弥彦が倦怠期カップル化して、物語はさらに面白くなってゆく予感! ヤマモト魂!
第10回「真夏の夜の夢」
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ヒーローと嘉納先生は遅れてやってくる。弥彦は天狗の鼻をポキリと折られて闇落ちし、重病人ヒョウ・大森監督に長距離走のノウハウがないことがいまさら発覚するなか、孤軍奮闘する四三に立ちはだかる白夜と三叉路のフラグ…円喬師匠の「俺様の垂乳根ドヤァ!」に癒やされます。みなさんも西洋人との体格差に絶望したらぜひ寄席へ。さて、国境を越えるカーペンター・シューズの反響を追い風に、物語は来週も面白くなってゆく予感!
第11回「百年の孤独」
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母さん…弥彦が…メンタルどん底からのV字回復、見事に黎明の鐘となりましたよ…! 国内無双の冠が、ストツクホルムで砕け散ってなお、「日本人に、短距離は無理です」という現実から逃げなかった結果としての敗北は、なんという美しさ。しかし、その後も幾多の弥彦たちが短距離で世界に挑み続け、ついに96年後、北京オリンピックで銀メダル獲ったのかと思うと目から汗が止まらないです。さあ、来週は四三の番たい!
第12回「太陽がいっぱい」
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「あのとき、こうしていれば」という後悔。運命の三叉路。あのとき、いや、あのとき、とさかのぼってゆけば、子どものころの、あのウソに辿り着く。でも、そのすべての「間違い」を「正しく」直してゆけば、オリンピックに出場していなかったかもしれないわけで…家族の、故郷の人びとの、学友たちの、日本中の期待を一身に背負い、気温30度で午後一時にスタートした地獄レースの反省会は、なんとなんと来週に。大森監督、謝ってください!
第13回「復活」
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ストツクホルム篇の最終話は、予想以上の鬱展開…文字通り「死のレース」だったとは…ラザロォ…そして大森監督ゥ…先週、「謝れ!」とか言ってごめんなさい!! しかし「死は易く、生は難し」(超名言!)生きている者たちは、それでも生きていかねばならんのだから、4年後にベルリンでボクと握手! …て、1916年のオリンピックをうっかりWikiったらアレじゃないですか…鬱…次回予告の空気感が明るかったのだけが救い!
第14回「新世界」
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明治から大正へ。平成から令和へ。「美濃部くん」から朝太へ。「いだてん」も新章に突入し、登場人物たちとスポーツの関わり方が少しずつ変わってゆきます。新キャラ・寺島しのぶさんの登場により、肋木が勢力拡大。四三が輸入した槍と砲丸が、新たなオリンピアンを生む予感がする一方、天狗は人間宣言し、弥彦はアメリカで銀行マンに。時代の空気が変わってゆく。ついでにスヤさんの苗字も変わってる。…て、ばばばばば!?
第15回「あゝ結婚」
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♪高砂や〜 四三とスヤさんが、めでたく(雑に)別居婚! 嫁姑関係先行型って、斬新。永井先生が実はテニスボーイだったくらい、斬新。孝蔵たちのドサ回り(旅巡業)のワイワイガヤガヤも楽しい。私も前座のころ、寄席で大ネタをかけて先輩に注意されたことを思い出しました。そんなことより、孝蔵とちいちゃんの空気感! 思わずおりんさんも登場しちゃう。浜名湖河童の「まーちゃん」って、あれ、もしかして??
第16回「ベルリンの壁」
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さーて、今週の「ばっ!?」をプレイバック!
① ベルリンオリンピック…
② 円喬師匠…(意外と若かった)
③ 河童のまーちゃん、やっぱり田畑政治
④ シマさん、キャラチェン?
⑤ …ハリマヤさん…?
⑥ 牢名主(落語の神様?)により孝蔵が芸に開眼!
⑦『文七元結』百両なの原作に忠実すぎ(現在は五十両が主流)
⑧ 永井先生のロングハグは…
⑨ 四三の世界記録更新さくっとスルー
⑩ 四三、スヤさんの上京をさくっとスルー
神田松之丞
1983年、東京生まれ。2007年11月、三代目神田松鯉(しょうり)に入門。12年6月、二ツ目昇進。20年2月、真打昇進。数々の賞を受賞。古典と新作の両方を演じ、持ちネタの数は10年で130を超える。独演会のチケットは即日完売するなど、講談普及の先頭に立つ活躍をしている。趣味は落語を聴くこと。