トクヨ先生はもともと文学少女で体が弱かったそうです。国語の教師を目指していましたが、体育を教えることになり、体操が健康につながると身をもって感じたんですね。そこからガラッと思考を変え「子どもを産み育てるために女性も体を動かすことが大切だ」という考えに至ったようです。ですから、主張がきちんとしているんです。
とても男勝りな方ですが、当時、男性と肩を並べて自分の考えを主張しようとすると、どうしても強さが必要だったのではないかと思います。資料を読んでもとてもおもしろい方で、そこに宮藤官九郎さんのセリフがハマって、登場シーンはインパクトのあるものになったと思います。前半戦はどなってばかりでしたが、演じていて爽快でした(笑)。
シマをどう演じていくかのイメージをつかめたのは、三島家での初登場シーンです。私自身の撮影初日でもありました。長回しでの撮影で、どこを撮られているのかわからなかったのですが、天狗倶楽部の「TNG」の動きをマネしたカットが採用されていて、結構わんぱくな人なんだなって(笑)。そこから少しずつシマの人物像をつかみ取ってきた感じです。
ちゃんと人の気持ちを考えられる人なので、相手を思いやるあまり自分のことをおろそかにしてしまうような不器用さがある一方、いい意味でも悪い意味でも、のめり込むとそればっかりになってしまうところもあって…。歯止めが効かなくなるので、急に声を張り上げる場面も(笑)。感情の起伏が激しく、好奇心旺盛な人だなと感じています。