妻が夫と別居したところ、夫から「悪意の遺棄」にあたるとして離婚訴訟が提起された事例
1 事案の概要
依頼人は、結婚30年程度の夫婦の妻です。成人した子どもが3人います。
妻は、夫が結婚当初から理由もなく突然怒り出すことが日常的にあり、心理的ストレス等による体調不良に陥り、薬を服用するなど一進一退の状態が長期間続いたため別居しました。
これに対して夫は、妻の主張を否認し、突然別居したことが裁判上の離婚原因である「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)に当たると主張して調停や裁判を起こしてきました。
尚、夫名義の建物がありましたが、その敷地である土地は妻がその実父から相続していたため、妻がこの建物の取得を希望しました。
2 行った手続
依頼人である妻が離婚調停を申し立て、財産分与、慰謝料等の支払を併せて請求しました。しかし、調停は不成立となり、夫の離婚請求及び損害賠償請求に対して、妻が同様の請求を反訴請求しました。
3 結果
裁判上の和解による離婚が成立し、夫が妻に対して夫名義の建物を譲渡する代わりに、妻は解決金として50万円程度の支払うことになりました。
4 解決までの期間
約2年
5 費用
弁護士費用:総額90万円程度
司法書士費用:総額20万円程度
6 コメント
反訴とは、訴訟の係属中に被告が本訴に併合して原告を相手として提起する訴えをいいます。
本件でいうと、訴えられている妻(被告)が、訴えている夫(原告)に対し、同じ訴訟手続内で、訴訟を提起することです。
離婚訴訟では、被告も離婚を求めて慰謝料を請求するときには、夫婦関係破綻の原因が相手にあると主張して、離婚請求の反訴を提起する必要があります。
また、この事案は結果的に夫から妻へ家屋の譲渡がなされましたが、司法書士が介在することでその名義変更の手続をスムーズに進めることができました。