ナザリック日和   作:あんなところに!

5 / 7
『凶暴エイリアン』パロディです。
もしも原作あのシーンでもうちょっと余裕と幸運があったら。


凶暴シャルティアン

~2138年ナザリック近郊~

 

仕事帰りに飲み会すると親睦が深まることを思い出したアインズの指示で、ナザリック外で暗躍していた守護者一堂が帰り際に待ち合わせをしていた。しかし……

 

シャルティア

「なんてこと、すごいキモいババアが襲って来たでありんす!!」

 

ババア

「KUAAAAAA!!」

 

デミウルゴス

「まずい、精神耐性を貫通している!?

早く逃げなさいシャルティア、何立ち止まってるんですか!」

 

シャルティア

「んん~、なんか洗脳されてきたでありんす。

ま~足止めにはなるし、みんなわたしには構わず行くでありんす」

 

デミウルゴス

「貴方が敵に回ったら誰も勝てないから構わずにはいられないんですよ!!」

 

アウラ

「この寝ぼけてるバカ、アイテムの効果範囲外から鞭でムリヤリ引っこ抜くわ!!」

 

シャルティア

「あだだ痛い痛い!!」

 

 

~アウラちゃんのセーフハウスにて~

 

 

マーレ

「ど、どうしよう。転移でまっすぐ帰れば安全だと思うけど」

 

デミウルゴス

「そうしたいところですが追跡を封じないとナザリックの位置が漏洩してしまいます。そもそも我々を感知した手法を特定できねば常に奇襲される危険が残ります」

 

アウラ

「相手は原住民だし、あたし達が消しそびれた痕跡を発見したのかも」

 

マーレ

「アイテムで精神耐性を貫通してたし、も、もしかしたら未知の探索魔法や技術があるのかも……」

 

アウラ

「狙われたアンタの行動振り返ってみれば何かヒントがあるんじゃない?」

 

シャルティア

「え、えー? 偶然じゃありんせん? ……言わなきゃダメ?」

 

 シャルティア(回想)

 『こいつら弱ーいつまんなーい』

 『鬼ごっこの次はかくれんぼぉぉぉぉ? って逃げられたぁぁぁ??』

 『女冒険者、デザートけってぇぇぇぇいぃぃっ』

 『なんでこいつアインズ様からポーションもらってるの!? 

  やばいやばいこれってアインズ様の手駒減らして怒られる流れ!?

  そうだ、帰りに合流したらタイミングを見てデミウルゴスに相談してみるでありんす!』

 

守護者一同

「……」

 

シャルティア

「さあ皆、ピンチを切り抜けるべく知恵を絞るでありんす!」

 

デミウルゴス

「そうしようとした矢先に貴方の失態が浮かび上がってきたんですがねえ?」

 

マーレ

「め、目立たないよう命じられているのに思いっきり暴れてるし」

 

アウラ

「大体なんで最初から眷属召喚しとかなかったのよ、索敵とか人除けとかできるでしょーが! 失敗した時だって近くに留まって言葉が喋れる面子に伝令させればいいし!!」

 

シャルティア

「守護者同士でいがみ合うのは良くないでありんす! 皆の心を一つにするでありんす!!」

 

デミウルゴス

「貴方への不満で心が一つになったんですが」

 

シャルティア

「そんなことで一つにならなくていいでありんす!! 一度にそんな言われると何か傷つくでありんす!!」

「でもとりあえず謝っとくでありんす。ごめんね……って、うぎゃーババア再びでありんすー!!」

 

ババアーン!!

「KIEEEAAAA!!」

 

守護者一同

「シャルティアー!?」

 

シャルティア

「わたしに構わずここは行くでありんす! 今度は部下っぽいのがいるしわたしが食い止めるでありんすー!!」

 

逃げウルゴス

「…………全滅したらそれこそ収拾がつかなくなります。撤退して後から状況をリカバーするしかありません」

「距離もとれましたし最低限の対策をして転移を!!」

 

マーレ

「待って、転移できる人がいないよ!」

 

アウラ

「何言ってるのいつも守護者で転移してた奴いたじゃな……ってシャルティアだー!?

ますますダメじゃん! アイツ洗脳されたらあたし達が走って帰る前に先回りされてやばいんじゃないの!?」

 

デミウルゴス

「転移がダメならメッセージの魔法かスクロールで情報だけでもアルベドに先に届けねば」

 

マーレ

「スクロールないよ! 急に決まった待ち合わせの連絡で予備分まで使いきっちゃってるよ!!」

 

デミウルゴス

「こうなったら敵を倒すかシャルティアをもう一度連れ出すしかありません!!」

 

~セーフハウス付近再び~

 

シャルティア

「ぐぎゃあぁぁぁたとえ体は思い通りになっても心は……ってあれ~何してるでありんすか?」

 

アウラ

「いやアンタいないと転移できないから。……って、取り巻き減ってる!?」

 

シャルティア

「あ、自前で転移できる分使わなかったスクロールあげるでありんす。あとババアに攻撃するとアイテムの狙いがどこ飛んでいくかわからないから危ないでありんす。ちなみに取り巻きはなんか攻撃したらいけたでありんす」

 

アウラ

「なんでアンタそんな余裕なの!?」

 

シャルティア

「うぎゃぁぁぁ余裕無くて洗脳されて悪堕ちヒロインになっちゃうでありんすぅぅぅ!」

 

アウラ

「嘘こけコラ!」

 

 取り巻き達

 「ぐわあああ召還獣が謀反を!?」

 「ダークエルフが口をすぼめたら状態異常になったぞ!! 吹き矢か!?」

 「「「俺は今状態異常『ロリコン』だああ!!」」」

 「あの悪魔の爪かっこいい!」

 『自害したまえ』

 「「「「うぎゃあああ!?」」」」

 

デミウルゴス

「手傷を負わせて足を鈍らせましたし退きますよ」

 

アウラ

「ねえあいつまだ助かる可能性相当あるんじゃないの!? なんかすんごい余裕あるように見えるんだけど!!」

 

デミウルゴス

「シャルティアの完全耐性を貫通している時点で状況は未知数、希望的観測は危険です。

友人が気がかりなのはわかりますがのけぞり白目状態ではもう無理でしょう。行きますよ!」

 

シャルティア(ムクッ)

「えーとそれから、絶対アイテムなんかに屈しないでありんすぅぅぅ!! あとくっ殺ぉぉぉ!!」

 

アウラ

「ほらピンピンしてるー!?」

 

マーレ

「いいから行くよお姉ちゃん!!」

 

 

~一ヵ月後、王都~

 

 

マーレ

「あれから1ヶ月かぁ。よく助かったよね、僕達」

 

アウラ

「うんうん。たまたま《遠隔視の鏡》を磨いていたエントマの手が触れて誤作動した時に夜闇に目立つエフェクト光を発見して」

 

マーレ

「即座にアインズ様に符術で連絡」

 

セバス

「アインズ様のご対応も迅速で、ワールドアイテムによるものと即座に看破」

 

デミウルゴス

「アルベドと共にワールドアイテム装備で効果を相殺しつつ一瞬で敵を殲滅。アイテムユーザーがいなくなったところでシャルティアにワールドアイテムを装備させて残留効果を払拭。慎重派のアインズ様があそこまで大胆に行動なされるとは……」

「そして守護者の失態を清算していただいたのにもかかわらず、第一に口になされたのは私どもへの無事を喜ぶお言葉。申し訳ない気持ちと共に、アインズ様のような御方に使えることができて本当に嬉しく思います」

 

シャルティア

「あれ、どうしたでありんすか皆そろって」

 

デミウルゴス

「どうしたって、何を言っているんですかシャルティア? 今度王都で行う大規模作戦で集まろうと……」

 

シャルティア

「え、聞いてないでありんすが」

 

守護者達

「誰かが連絡しているものかと」

「あ、あたしも」

「僕も」

「あー、すまないシャルティア」

 

シャルティア

「別に呼ばれなくたってわたしそーゆーの血の狂乱で途中からハメ外しちゃうし」

「別に平気だし守護者で一番強いって前アインズ様に褒められたし」

「別に寂しくないし遊び相手なら眷属がいるし……」

「別にいいしこの前の失敗で成長したし……」

「別にいいし寂しくないし……」

「別にいいし……」

「別に……」

「……」

 

 




しゃるてぃあ は まんしん が なくなった!
しゃるてぃあ は ぎゃぐほせい を おぼえた!
しゃるてぃあ の れべるのようなもの が あがった!
ぶれいん の かちめ が なくなった!

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。