今回はマンガ専門学校伝説 ハリケーン準 のパロディです。
若ガゼフ
「今日から王国に仕えるわけだし、頑張らねば」
?
「んぎゃーやられたー」
若ガゼフ
「一体何が起こったんだ?」
偉そうな男
「俺がエラソーナ男爵家三男のオーレ様だァ。跪け愚民どもォ!」
若ガゼフ
「男爵家の三男ってそんな偉かっただろうか?」
???
「この王国のことを何も知らないようね。この王国は権力で全てが決まる序列社会。ここでは権力のない奴は権力のある奴に服従するしかないのよ」
若ガゼフ
「平民の出世する余地がないぞそれ!?」
~平民立身出世伝説ガゼフ・ストロノーフ~
オーレ様
「お前はたしかワキヤーク男爵家のアクヤーク令嬢だったか。いいだろうここで格の違いを見せつけてやる。……見ろぉぉコレが俺の(パパの)力だァ!!」
アクヤーク令嬢
「ぐああああ! ……フッ、やるわね」
オーレ様
「何ぃ土下座しないだとぉ!?」
アクヤーク令嬢
「今度は私の番よ、食らえノーフォーク農法!」
オーレ様
「ぐあああああ!」
若ガゼフ
「ああ、オーレ様すごいダメージ。同じ男爵家出身者なのになぜだ?」
アクヤーク令嬢
「添削先生のコメントを読んでごらんなさい」
アクヤークの評価
新しい技術で検証が必要だが将来的な発展の可能性を感じる。
初めて聞いたはずの技術なのにどこかで聞いたことがあるような気がするのが残念。
オーレの評価
小麦の価格変動に対処するのはいいですが流通経路を構築する商人の活動想定が画一的すぎる。
地域毎に組織力学的にローカルルールが異なるので、人間相手に判で捺したような指示はやめま
しょう。
レエブン公
若ガゼフ
「おお、ほめられている! だから勝てたのか。
そうか、同じ立場でも働きで評価が変わるなら功績を挙げまくれば平民出身でもいいところまでいけるかもしれない」
オーレ様
「だが俺を倒したくらいでいい気になってたら甘いぜ。
この王国のトップには六大貴族という恐るべき権力の持ち主達がいる。
得意な部門に限って言えば王の力をも上回りかねない奴らだ。
……ここからが……本当の地獄だぜ」
若ガゼフ
「(大丈夫かこの国?)」
~ちょっと時間がたって色々成長したぜ!~
ボウロロープ公
「フッ。女子供が政治の世界に首など突っ込まずに楽しく舞踏会で踊っていればいいものを。
魅せてあげましょう私の権力を! 御覧なさい我が鉄剣兵団を!
我が領地は鉄鉱山とその麓の平野部。鉱山の鉄と平地の食料からなる大兵力こそ我が力の源!
単純なパワーこそ最強、シンプル・イズ・ベスト!」
アクヤーク令嬢
「食らえ新概念・植林!」
ボウロロープ公
「ぐわー製鉄燃料確保と土砂災害の防止を同時にだと!? こやつできる!
しかもなぜか短時間で植物が土に適合しなぜか短時間で結果が出てなぜか必要量を達成するだとぉ!? そして都合よく我が領に対し相性が抜群。
くそうここは私の負けだ! 味方になってやる」
ガゼフ
「これはすごい(ボロ ロープとか後見人になった相手の命綱にならずにそのまま死なせてしまいそうな名前だな)」
ウロヴァーナ伯
「ふぉっふぉっふぉ。ボウロロープ公を倒してたようだがワシはそうはいかぬぞ。
見ぃよ! ワシの領地は完全自給自足を実現化したブロック経済。
まさに付け入る隙のない鉄壁の防御力。
この守りをおぬし程度の攻撃力で崩すことはできまい」
ガゼフ
「攻撃力?」
アクヤーク令嬢
「ならば目の前ですべてが流れゆくのを指をくわえたまま見ているがいいですわ!!
3連コンボ・紡績産業+都市労働者増大+工場制手工業!!
あなたの領地システムは累代単位で固着化している以上、成長の余地がない。
ならば新しい技術、新しい流通、時代の流れに取り残されるのみ!!」
ウロヴァーナ伯
「ぐわーワシの領地だけが旧時代に封印(取り残)されただと!?」
ガゼフ
「デジャブの無い政策言い出したけど、先例が無い分余計にわからん」
ブルムラシュー候
「どいつもこいつも情けない。俺は今までの奴らとは違うぜ。俺は一人であって一人じゃねえ。
たとえ目の前の俺を倒してもすぐさま片割れのバックアップで再生するぜ!!」
アクヤーク令嬢
「1人じゃない!? もしや他国と内通している!? 偽装情報を食らいなさい!! ダメージに反応して動きのあったところが急所よ、そこよ!!」
ブルムラシュー候
「ぐわあああ国内のスパイにも見つからなかった陰謀をお前ごときが何故気付いたああ!?」
ガゼフ
「諜報戦とか素人が見てもよくわからんけど、なんか凄そうだ」
「でも素人がパッと見てわかるレベルでボロ出してるのに令嬢が指摘するまでノータッチって、それ泳がせてたか隠密裏に済まそうとしてたかだったのでは……」
ぺスペア公
「ははは俺は生粋の血統主義者。おまえ程度の血の力では俺様は歯牙にもかけな……」
アクヤーク令嬢
「実は私はさる高貴な血を引くことがたった今判明したぞぉぉ!!」
ペスペア公
「ぐわあぁぁぁ!」
ガゼフ
「貴族って家系図保管してるんじゃないのか?」
こうして激しい戦いが終わってしばしの平和が訪れた。しかしそれは次なる戦いという嵐の前の静けさにすぎないのだった……。そしてしばしの月日が流れた……。
ガゼフ
「身分が低いなりに大活躍したアクヤーク令嬢も領地に帰って内政に専念するらしい。貴族とは王城でダンスパーティしてばかりだと思っていたが案外そういうものでもないようだ」
そうこうしているうちにパーティ会場で懐かしい顔にあった。
ガゼフ
「あ、お久しぶりです、アクヤーク令嬢、今はどうされているのですか?」
アクヤーク
「ガゼフ戦士長? 覚えてくれていたんですか?
私は、家の都合で売られ、ゲフン。嫁ぎまして、ただの妻やってます」
ガゼフ
「(嫁いで数年、子供もできて夫婦仲はそれなり、愛着も出て放り出せなくなってしまったとのことだが、今は家の外にはもう出ていないらしい。かつての彼女と随分遠いところにきてしまった様子を見ると、私は何も言えなかった)」
レエブン公
「出世したんだから少しはやる気を出そうかガーゼフくーん?」
ガゼフ
「紙面でしか見たことのない土地のアレコレについて詳しい者同士で熱くなられても、自宅の敷地ぐらいしか縁のない人間には実感が湧きようがないんだ」