凡人の「才能」をみるみる開花させる4つの心得

「天才」と呼ばれる人はいったい何が違うのか

アインシュタインは上司フレクスナーに絶大な信頼を寄せていました。フレクスナーが見いだした天才の特徴、人の生かし方とは? (写真:Bettmann/Getty Images)
アインシュタインが絶大な信頼を寄せた上司、エイブラハム・フレクスナー。彼が見いだした天才の特徴とは何か。『アインシュタインズ・ボス 「天才部下」を率いて、最強チームをつくる10のルール』の著者ロバート・フロマス氏によると、「厳密さを求めるが自由な心を持ち、複雑な問題をわかりやすく解きほぐし、人々を新たな世界の探求にいざなえる能力」だという。イノベーション時代に必須のこの力を凡人が磨くにはどうすればいいのか。才能を開花させるための4つの心構えを、氏の著書から抜粋して紹介する。

1、“心の喜び”を大切にする

フレクスナーは、天才の知性が輝くには適切な教育と刺激的な環境が必要であると見抜いた。社会学者の多くも同意するこの特徴を体現していたのが、アインシュタインだ。

アインシュタインは高校の数学で落第し、大学にぎりぎりの成績で合格したとされる。20代後半にベルンで理論物理学の研究を始め、打ち込めるものを見つけたとき、彼本来の途方もない知性が目覚めたのである。

フロリダ州立大学の心理学者アンダース・エリクソンは、天才になるための「10年ルール」を提唱している。「生まれながらの才能だと思われていた資質の多くは、実のところ、最低10年かけて十分練習すれば身に付けられる」というのだ。

エリクソンによれば、長期間集中して熟達に励むことで、長期記憶への自動的・無意識的なアクセスが可能になり、並外れた創造性を発揮しやすくなるという。

私の専門分野の天才たちと話していても、大きな発見を遂げるのに「苦労した」という言葉は出てこない。代わりに聞くのは、それがどんなに「楽しかった」かだ。文芸批評家のジョージ・シアラバが、アインシュタインの言葉として挙げた(実際はアインシュタインの言葉ではなかったのだが)こんな格言がある。「創造性とは、楽しんでいる知性のことだ」。

私の周りの天才たちは、明らかに仕事を楽しんでいる。そこから私はこんなふうに考えた。「生まれつき有能で勤勉な人は、さらに“心の喜び”があって、初めて天才になるのかもしれない」。

心が喜ぶから、天才は、平均して1万時間もひとつのことに集中できる。その喜びは、楽しみや興奮や感動と読み替えてもいい。私が出会った天才は皆、そうした内側から湧き出るような輝きを放っていた。

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  • cicero513b5170a733
    趣旨は悪くないけどちょっと違和感。
    天才と言う言葉を、ラスコーリニコフは既存のルールに縛られず新しいルールを作るもの、と言い、御手洗潔は、神に選ばれたもの、と言っていて、僕はこれらに概ね賛同する。
    科学の分野で言うなら、世界中に散らばる、それを出来る能力を持つ多くの予備軍のなかで、それを成し遂げる時間と場所に恵まれた一人に与えられる称号、だと思っている。
    つまり、その一人の名は、代名詞だと思う。
    ニュートンとマクスウェルの深刻な矛盾を弁証法的に統合したのが相対性理論。時代がそれを必要としたし、もしアインシュタインがやらなければ他の誰かがやったろう。
    ニュートンも、まあ、同じような話。
    もちろん、彼らはその分野で最も優秀な人間の一人であったし、思考方云々は称賛すべきなのかもしれないが、その業績をただ、彼らの個人的資質に帰すのは、浅い英雄礼賛に陥るだけだとおもう。
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    2020/1/30 07:29
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