北陸鉄道小松線

198499日訪問

 

 

 

狭い地下道を抜けて辿りついた先に現れたのは、およそ似つかわしくない程の立派な駅舎でした。出札口で行き先を告げ、時代を感じさせる厳つい木造ラッチを抜けると、薄暗い旅客ホームのその先に、如何にも地方私鉄らしい塗り分けの、小さな電車が止まっていました。

宮下氏の地鉄電車を髣髴とさせる佇まいです。逆ですか!?小松線の小松駅にインスパイアされたのが地鉄電車の岩倉町でしょうか?北陸鉄道小松線へ足を向けたのは、確か廃止の声が聞こえてきた頃だったと思います。どーも個人的に北陸鉄道の車両は好みではなかったので、旧型車が現役だった頃に訪れたのは、この小松線と浅野川線だけでした。時期的には石川総線の金名線(ちょうど第1次休止明けの時期)には間に合っている世代なのですけど、寄らなかったですねぇ(汗)。

さて、改めて駅名の看板を見ると「北陸電車」と書いてあります。う~ん“如何にも”なシュチュエーションです。

 


 

北鉄の小松駅

小松製作所の直ぐ脇に駅がありました。駐車場の自家用車に時代を感じます(笑)。広大な駐車場でしたけど、その昔は何か倉庫や工場があったのでしょうか?このまま左手へ視線を振ると尾小屋鉄道の小松駅でしたが、既に何も残っていなかったと思います。ここに見える4両の他に、運用についている1両を合わせて総勢5両の路線でした。『鉄道ピクトリアル』No.461 中京・北陸地方のローカル私鉄 特集に拠れば、小松~鵜川遊泉寺5.9kmのうち、小松~加賀八幡・加賀八幡~鵜川遊泉寺の2閉塞で、ラッシュ時には2連が走ったそうです。

架線がまるで路面電車のようです。

 

駅本屋の全景

 


 

鵜川遊泉寺

 

鵜川遊泉寺は「集落の隅にポツンとある駅」としか表現できないような何も特徴が無い場所でした。小松方面から来た線路が川を渡ると終点の鵜川遊泉寺駅です。踏切の先の看板は“湧泉寺”温泉と書いてあります。

 

 

駅本屋をホーム側から見たところ。

 

 

確か変電所だと思います。鵜川遊泉寺駅と鉄橋の間にありました。

 

 

 

この日は昼過ぎに訪問しましたので、モハ3004が行ったり来たりしているだけでした。途中駅で降りて撮影するとか、夕方のラッシュ時まで待つとか、そんな事は一切考えずに、単に小松~鵜川遊泉寺~小松と乗り鉄をしただけで帰ってしまいましたので、こうして記録として残すには中途半端な感が否めません(苦笑)。小松線はこの訪問の1年半後の198661日に廃止になりました。

2011423日 記

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