青柳俊彦JR九州社長の発言訂正・補足要旨

 JR九州の青柳俊彦社長が九州新幹線長崎ルートを巡る自身の発言をことごとく撤回した28日の記者会見を受け、佐賀県幹部は「最初の発言が社長の本音であることは明らか」と冷ややかに受け止めた。

 山口祥義知事は今月10日、県内10市の市長との懇談会で、青柳社長のインタビュー記事を痛烈に批判していた。「1駅飛ばせば3分短縮できて(博多-長崎が)40分台も可能ということは(佐賀県内の)どこにも止まらないつもりか」「(佐賀に駅ビルを造りたいとは思わないというのは)めちゃくちゃ失礼な話」「リレー方式はやめたいというが佐世保方面ならいいのか。何か不思議だ」。夜の県幹部と県議らの懇親会でも知事はインタビュー記事のコピーを見せて回った。

 国土交通省もインタビューには敏感に反応した。県との協議入りに向け、慎重に調整を進めているさなかの発言で「冷や水が入った」と幹部の一人は受け止めた。「国の説明と違うところもあり、JR九州には『この記事はどういうことか。丁寧にやりましょう』と伝えた」と振り返る。

 これまでJR九州は、在来線の取り扱いや運行ダイヤに関し「開業直前にならないと分からない」と強調してきた。県幹部は「青柳社長の発言は問題が多すぎて、JRとしてもそのままにはできなかったのだろう」と推測する。

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