いだてん

IDATEN倶楽部

2019年828

特撮技術で創る「いだてん」の世界

「いだてん」の世界を創り出すためには欠かせない、特撮技術。ストックホルムオリンピックのスタジアムや日本橋や浅草の町並みなど、時代と共に移りゆく風景を実写とVFXの合わせ技でリアルに再現しています。これまでドラマに登場したさまざまな風景の制作秘話やみどころなどを、「いだてん」のVFXスーパーバイザーであり、映画『シン・ゴジラ』を手がけたことでも知られる特撮監督の尾上克郎さんにうかがいました。

ミニチュア × VFX

「いだてん」の舞台となる明治から昭和にかけての風景をVFXで制作することになり、どのような世界観を創り出そうかと井上 剛監督と打ち合わせを重ねました。そんななかで「のっぺりとしたCG映像だけで表現するのではなく、どこか手作り感が出せないか」と監督から注文がありました。そこでフィルムの時代から特撮の仕事をしてきた経験から、VFXをミニチュアと組み合わせる方法が使えるのではないかと挑戦することにしました。ミニチュアの街並みに、CGの通行人や動く車、ホコリなどを組み合わせることで、よりリアリティーが増すようにしています。
ミニチュア制作のポイントは、大きさと太陽光
怪獣映画などでは1/25スケールのミニチュアを使うことが多いのですが、「いだてん」では、どうしても描ききれない部分もあり1/18スケールで制作しています。ミニチュアは大きければ大きいほどリアル感が出しやすいので、クオリティーの高い映像を作るためにも不可欠なサイズだったと思います。
また、CGで作った映像は線がすべて真っすぐなのに対し、ミニチュアは人の手で作られているので、味がある。そしてもうひとつ、ミニチュアを撮影する際に大切なのが太陽光の下で撮ること。合成したとき、外で撮影された実写の部分とのマッチングもいいですしね。
日本橋を移りゆく時代の軸として
明治・大正・昭和と、関東大震災や第二次世界大戦をはさみ、大きく姿を変えた東京が舞台の「いだてん」で印象的に描かれるのが、第1回の冒頭シーンにも登場した日本橋です。いろいろと調べるなかで分かったのですが、日本橋は東京で明治時代の姿をそのまま残している数少ない場所のひとつでした。橋は姿を変えていませんが、周囲の風景は時代ごとに変わっているため、四三が上京したばかりのころ、関東大震災の直後、首都高速工事中のころなど、ドラマで描かれる時代にあわせて全部で9パターンのミニチュアを制作。橋は当時の設計図をもとに、資料写真や映像に基づいて制作したうえで、ご覧になる方に時代ごとの情報が伝わりやすいよう、適度にデフォルメしています。

こんなところにも!
VFXが使われたシーンの数々

▼浅草のシンボル・凌雲閣
▼四三と弥彦がストックホルムへと旅立った新橋
▼傷心の四三がさまよったアントワープ
日本橋のほかにも、四三と弥彦が出場したストックホルムオリンピックのスタジアムや、田畑が総監督として乗り込んだロサンゼルスオリンピックのプール。今後、物語の重要な鍵を握る神宮競技場など、さまざまなシーンで特殊技術が「いだてん」の世界を創り出しています。

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