女児写真からわいせつCG 最高裁、児童ポルノと判断

社会・くらし
2020/1/29 17:00

写真を参考にCG(コンピューターグラフィックス)で描いた女児の裸の画像は児童ポルノにあたるのか――。こうした点が争われた刑事裁判の上告審で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は29日までに、実在する児童の写真を素材にしたわいせつなCGは児童ポルノに該当するとの判断を示した。

写真を参考にして女児の裸のCGを作成、販売したとして児童ポルノ禁止法違反の罪に問われたのは、グラフィックデザイナーの高橋証被告(59)。CGが児童ポルノとして摘発された初のケースだった。

同法は実在する18歳未満の児童が描かれた画像などを規制対象としており、裁判ではCGが「実在の女児」を描いたものといえるかが主な争点となった。

2017年1月の二審・東京高裁判決は、起訴された34点のCGのうち一部を無罪とした一方、3点については実在する女児の裸の写真を素材にして作成したものだと認定。この3点は児童ポルノにあたるとして、罰金30万円を言い渡した。第1小法廷も27日付の決定でこの判断を支持し、被告の上告を棄却した。

3点のCGの素材となった写真は1980年代に出版された写真集に掲載されたもので、女児はCG作成時点では既に「児童」ではなくなっていた。弁護側は、描かれた人物が作成時点で18歳未満でなければ児童ポルノに該当しないとも主張したが、同小法廷は描かれた人物がその時点で18歳未満である必要はないとして退けた。

決定は裁判官5人全員一致の意見。山口厚裁判官は補足意見で、実在する児童の性的な姿を記録化することは性的搾取にあたり、そうした姿が他人にさらされればさらなる被害が生じると指摘。そのうえで、「性的搾取の対象とされない利益は描写された本人が児童である間にだけ認められるものではなく、18歳になっても引き続き保護に値する」と述べた。

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