旅立ちます。
弁護士が介入していて、ほぼ夜逃げのような形で。
でないと、奏くんだけ旦那と旦那実家に奪われてしまうような危機的状況だから…
柊には何も言ってない。
奏くんも学校から帰ってきて、初めて旅立つことをお母さんから知らされる。
柊が、奏くんと仲良くしたことを話してくれた。
無邪気に。
「柊は奏が好きだね」
て話したら、
「好き!それに憧れる」
て屈託なく…
もう会えないのに。
来週、学校で奏くんが転校したことを先生から知らされる。
柊はどれだけショックをうけるか…
私も仕事中、涙がとまらなくて。
奏のママに「奏の手を絶対に離さないで」
て泣きながら手を握ったことを思い出した。
痩せてガリガリになった手。
悩んでなんだね…
1番苦しかったのは、お母さんだよね。
仕事中、隠れて泣いていたら
癒し先生がすごく心配気な面持ちで私の顔を覗き込んでくれた。
旦那じゃなくて、癒し先生にぎゅーてして欲しいて思う私は
弱くてずるいなー…
あざとい。