年明けの1月8日、沖縄県で豚コレラが発生しました。1月28日現在、約9000頭が殺処分されています。
これまで、岐阜県や愛知県、埼玉県等、中部・関東の1府8県で感染が拡がり、10月からの予防ワクチン接種によりやっと流行が収まったように見えていたのですが、いきなり沖縄県に飛び火しました。
ところが、東京の新聞紙面を見ていると、どうも扱いが小さいのです。
人の新型肺炎に隠れ、ワクチンもあるし本土の流行も収まってきたし、沖縄もじきに収まる、という感覚なのでしょうか。しかし、養豚関係者、それに農水省の畜産関係者は今、背筋が凍る思いを味わっているはずです。
それはなぜか? 離島沖縄での発生は、病原体が海を越えて侵入してくるのを防ぐための “防疫”体制の不備を示しています。もう一つの豚の病気、もっとうんとリスクの高い病気であるアフリカ豚コレラの海外からの侵入を、日本はこのままでは阻止できないのではないか? そんな危機感が関係者の間では高まっているのです。
アフリカ豚コレラがもし、日本に入ってきたら、壊滅的な被害をもたらす恐れがあり、最悪の場合、豚肉が食べられなくなるかもしれません。オリンピックイヤーは、海外から多くの人やものが入って来るため、アフリカ豚コレラの侵入リスクも高まります。
侵入を防ぐには、養豚農家だけでなく一般旅行者、市民の努力も必要。あなたは、アフリカ豚コレラ対策を自分のこととして考えていますか? 解説します。