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「5G」に決定的に乗り遅れた日本、挽回のために今からできること

「6G」とか言ってる場合じゃない

今年の4月から、国内でも本格的な5G(第5世代移動通信方式)の商用サービスがスタートする。日本は5Gの整備で出遅れたとの指摘があり、実際、アジア地域では、中国主導で5Gのインフラ整備が急ピッチで進んでいる。だが、通信インフラというのは、ただ整備すればよいわけではなく、どのようなサービスを展開できるのかがむしろ重要である。

中国に対抗するため、さらに次の規格であるポスト5G(6G)の開発を強化すべきとの意見もあるようだが、日本が注力すべきなのは6Gの基盤整備ではなく、まずは5Gにおいて画期的なサービスを開発することである。

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スマホ利用者のメリットはそれほど多くないが…

5Gは、現在主流となっている4G(もしくはLTE)に続く次世代モバイル通信規格のことである。LTEと4Gは厳密には異なる規格だが、業界内ではLTEも4Gに含めるとの合意ができているので、これも4Gとみなしてよいだろう。今、携帯電話を持っている人の大半は、LTEか4Gなので、5Gが本格的に普及することになれば、10年ぶりに通信規格が抜本的に変化することになる。

5Gの最大の特徴は圧倒的な通信速度である。5Gにおける最大通信速度は毎秒20ギガビットとなっており、毎秒200メガビットから1ギガビット程度だった4Gと比較すると、20倍から100倍の速さになる。これはピーク時の通信速度なので、実際はその半分くらいに速度が落ちると思われるが、それでも現状と比較して劇的に速いのは間違いなく、電波の状況がよければ、大容量の動画もほぼ一瞬でダウンロードできるはずだ。