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 ソフトバンク子会社のSBドライブと茨城県境町は27日、自動運転バスを4月をめどに町内で実用化すると発表した。同社によると自治体が自動運転バスを公道で定期運行するのは国内で初めてという。人口減少と高齢化が進む地方で拡大をめざす。

 乗客は9人まで乗れて、運賃は無料。1台で走らせ始め、夏ごろに2台に増やす。SBドライブは自動運転に必要なソフトなどを提供する。全地球測位システム(GPS)で走行位置を測り、センサーで障害物を検知する。

 基本的に自動運転だが、運転手ら2人が乗り込む。必要な場合には手動で運転したりドアの開け閉めをしたりする。病院や銀行、小学校などを結ぶ5キロのルートを1日4往復する。

 茨城県西部にある境町は町内に鉄道の駅がない。一方のバスには運転手不足の課題がある。SBドライブの佐治友基社長は「地域の交通の課題をITで解決したい」と話した。

 町は今回の取り組みに5年間で合計で約5億円をあてる。橋本正裕町長は「誰もが生活の足に困らない町にしたい」と話している。(井上亮)