機械学習でサッカー賭博。試合結果を高精度予測!(AI×スポーツ)【論文】

注目されるサッカーベッティング

サッカーは老若男女を問わず、世界中の幅広い年人々から注目を集めているスポーツだ。そうした中、試合の勝敗を予測して賭けを行う「サッカーベッティング(サッカー賭博)」も盛り上がりを見せている。個人の好みのチームにベッティングする人もいれば、ランダムにベッティングする人もいるなど、チームの選び方は人それぞれだ。

ドイツのエルランゲンニュルンベルク大学のヨハネス・シュテビンガーら研究者は、サッカーベッティングにおける予測精度を向上して、金銭的なリターンを増やすということに着目し、機械学習アルゴリズムの組み合わせを用いて予測を試みた。結果、1試合あたり1.58%の金銭的リターンを得られることが、統計的に有意に示された。

機械学習で試合結果を予測、金銭的リターンが増加

シュテビンガーらの研究のポイントは以下の通りだ。

✔️ミッション
サッカーの試合結果を予測し、適切なベッティングを通して金銭的リターンを増加させる。

✔️解決手法
異なる機械学習アルゴリズムを組み合わせた。

✔️結果
1試合あたり1.58%の金銭的リターンが得られることが、統計的に有意に示された。

研究の詳細を以下で述べる。

ベッティングで稼ぐことはできるか?

ベッティングでリターンを得るには、サッカーの試合結果を正確に予測する必要がある。過去には、フィボナッチ数列に基づくベッティング戦略や最小二乗ベッティングで、アメリカンフットボールとバスケットボール等の他のスポーツイベントの結果を予測した事例がある。こうした研究においては、予測精度を向上させるために、試合やプレーヤーの特性等のデータが収集されている。

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シーズンごとに報告された、チームごとの合計および平均のプレーヤーの特徴量。

試合や選手のデータを活用し、機械学習の組合せで予測

シュテビンガーらは、機械学習を使用して、試合や選手の属性に基づいてサッカーの試合の結果を予測した。2006年から2018年までの欧州最大の5つのフットボールリーグと2番目のリーグのすべての試合を含むシミュレーション研究を行った。使用したアルゴリズムは、ランダムフォレスト、ブースティング、サポートベクターマシン、線形回帰の4つであった。これらアプローチの平均予測を計算するアンサンブルを利用した。

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シーズン2006/2007から2017/2018までの試合結果の記述統計。

機械学習により金銭的リターンを達成!

結果、複数の機械学習アルゴリズムの組み合わせであるアンサンブルを使用することで、1試合あたり1.58%の金銭的リターンが得られることが、統計的に有意に示された。さらに、組み合わせであるアンサンブルは、個々の機械学習アプローチや、線形回帰モデルや、常にホームチームの勝利に賭けるなどの単純な賭け戦略よりも優れていることが分かった。

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フットボールシーズン2006/2007から2017/2018までのリーグごとの賭けの金額(上のグラフ)と平均ペイオフ(下のグラフ)
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各機械学習アルゴリズムによるサッカーシーズン2006/2007から2017/2018まで
 の累積リターン。

研究紹介は以上だ。

どのスポーツでもベッティングは広がっている。賭けという楽しみが生まれることで、スポーツへの関心が広がり、スポーツ業界が盛り上がるかもしれない。

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この記事で取り扱った論文:Johannes Stübinger,”Machine Learning in Football Betting: Prediction of Match Results Based on Player Characteristics”,Sci,10(1),46 DOI


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